突然の訃報に接し、お通夜やご葬儀に参列する際、「ワイシャツは白でいいのか」「ビジネス用の白シャツで大丈夫だろうか」と迷われる男性の方は少なくありません。喪服は黒が基本なのに、なぜワイシャツだけは白を着るのか。そして、同じ白でもどのようなデザインを選べばよいのか。ご遺族やほかの参列者に失礼のないよう、正しい知識を持っておくことが大切です。
葬儀のワイシャツは「白無地」が基本
葬儀に参列する際、男性はスーツの下に着るワイシャツは白の無地を着用します。喪服が黒であるため、ワイシャツも黒やグレーが適切と思われる方もいらっしゃいますが、男性が黒いシャツを葬儀で着用するのはマナー違反です。白いワイシャツを着ることで、故人への哀悼の気持ちと、参列者としての敬意を表すのが日本の葬儀における伝統的な作法です。
ただし、白であれば何でもよいわけではありません。生地は、平織の白無地を選びましょう。ビジネス用のシャツでも、色が白ければかまいませんが、ドット柄などの織柄が入っているものは避けましょう。一見無地に見えても、近くで見ると織柄や刺繍が入っているシャツもあります。シワ加工や光沢のある素材はカジュアルに見えるため、いくら白であっても葬儀にふさわしいワイシャツとは言えません。
綿100%のブロード生地と呼ばれる、平織の白無地を選びます。ブロード生地は滑らかで光沢が控えめなため、フォーマルな場に最適です。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町など当地域でも、男性の参列者の多くがこの基本を守っておられます。当社がこれまで年間300件以上のご葬儀をお手伝いしてきたなかでも、白無地のワイシャツが圧倒的に一般的です。
襟のデザインと避けるべきワイシャツ
ワイシャツの襟(えり)のデザインにも、葬儀にふさわしいものとそうでないものがあります。葬儀にふさわしいワイシャツの襟デザインは、レギュラーカラーかワイドカラーです。レギュラーカラーは襟の開きが約75~90度で、もっともオーソドックスな形です。ワイドカラーは襟がやや広めに開いていますが、襟の開きがとても大きいものは避けましょう。
特に注意が必要なのが、ボタンダウンシャツです。ボタンダウンシャツは襟の先端をボタンで固定するデザインのためカジュアルな印象が強く、葬儀の場にはふさわしくありません。ビジネスシーンでは一般的になっていますが、ボタンダウンシャツしかもっていない場合でも、ボタンダウンシャツを着用して葬儀に参列することはマナー違反です。同様に、結婚式などで見かける立ち襟のウイングカラーも葬儀には不向きです。
また、ホリゾンタルカラーやカッタウェイなど、襟の開きが大きいシャツはシンプルでボタンダウンのようにカジュアルではないため、OKのような気がします。しかし、襟の開きが大きなデザインのワイシャツもNGです。おしゃれを意識したデザインは、葬儀の場では控えめにすることが礼儀とされています。
ボタンやステッチ(縫い糸)にも注意が必要です。色付きのボタンや、目立つカラーステッチ、派手なカフスボタンなどは避けてください。ワイシャツのカフス(袖口)はシングルでもダブルでも構いませんが、ダブルカフスの場合は黒無地でシンプルなカフスボタンを合わせるようにしましょう。地域によっては細部まで厳しく見られることもありますので、できるだけシンプルなものを選ぶことをおすすめします。
ワイシャツと合わせる服装の注意点
ワイシャツの下に着る肌着(インナー)にも配慮が必要です。色の濃いインナーをワイシャツの下に着てしまうと透けて見えてしまう可能性があるので、白やベージュなどの透けにくい色のインナーを着用してください。特に夏場など薄手のワイシャツを着る場合は、インナーの色が透けやすくなりますので注意が必要です。柄物やロゴ入りの肌着も避けましょう。
ネクタイは黒色で、光沢のない無地のものを選びます。結び方はシンプルノットやダブルノットとし、結び目のすぐ下にくぼみ(ディンプル)を作らないようにしてください。ディンプルはビジネスやパーティーでは洒落た印象を与えますが、葬儀では華やかすぎると見なされます。
靴下も黒無地が基本です。くるぶし丈のものやワンポイントが入ったものは避け、座ったときに素肌が見えないよう、ふくらはぎまで隠れる長さのものを選びましょう。靴は黒の革靴で、内羽根式のストレートチップまたはプレーントゥが最適です。金具や飾りのないシンプルなデザインを選んでください。
新宮市をはじめとする紀南・東紀州地域では、菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)をお持ちのご家庭が多く、宗派によって葬儀の作法が異なることもあります。しかし、男性の服装に関しては宗派を問わず「白無地のワイシャツに黒のネクタイ」が共通のマナーとなっています。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での服装事情
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町は、熊野川を挟んで隣接し、生活圏・文化圏が一体となった熊野地域です。地域のつながりが深い土地柄のため、葬儀の際も近隣の方々が参列されるケースが多く、服装マナーへの関心も高い傾向にあります。
当地域では、ご香典を辞退されるご家族が増えている一方で、服装に関しては伝統的なマナーを重んじる傾向が見られます。特にご年配の参列者が多い場合や、地域の区長・組長がご参列される場合は、服装の細部まで気を配ることが望ましいでしょう。白無地のワイシャツ、黒のネクタイ、黒の革靴という基本を守ることで、どなたからも失礼のない装いとなります。
また、当地域は温暖な気候のため、特に夏場はワイシャツが汗で透けたり黄ばんだりしやすくなります。葬儀用のワイシャツは2〜3枚をローテーションで用意しておき、清潔な状態を保つことをおすすめします。黄ばみは故人への敬意を欠くと見なされることもありますので、事前のケアが大切です。
新宮市斎場など地域の火葬場を利用される際も、服装マナーは同様です。当地域には「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」という古くからの風習がありますが、この場合も朝からきちんとした服装で臨むことが基本となります。
よくある質問
葬儀のワイシャツは白以外の色でもよいですか?
男性の場合、葬儀のワイシャツは白無地が基本です。黒やグレーのワイシャツは避けてください。白は清潔さと敬意を表す色とされ、全国的に共通のマナーです。
ビジネス用の白いワイシャツを葬儀に使っても大丈夫ですか?
色が白であれば基本的には問題ありませんが、織柄やドット柄、光沢のある素材、ボタンダウンなどのデザインは避けてください。平織の白無地でレギュラーカラーのものが最適です。
夏場の葬儀でも長袖のワイシャツを着るべきですか?
葬儀では基本的に長袖のワイシャツを着用します。式場内は空調が効いていることが多いため、暑さ対策としては移動中に上着を脱ぐなどの工夫をされるとよいでしょう。半袖は略式とされますので、できるだけ長袖をおすすめします。
急な訃報でボタンダウンシャツしかない場合はどうすればよいですか?
可能であれば、コンビニエンスストアや衣料品店で白無地のレギュラーカラーシャツを購入されることをおすすめします。やむを得ない場合は、なるべく目立たない席に座るなどの配慮を心がけてください。
お通夜と告別式で同じワイシャツを着てもよいですか?
お通夜と告別式で同じワイシャツを着用しても問題ありません。ただし、清潔な状態を保つため、汗をかいた場合などは着替えることをおすすめします。予備を1枚用意しておくと安心です。
まとめ
葬儀で男性が着用するワイシャツは、白無地でレギュラーカラーまたはワイドカラーのものが基本です。ボタンダウンや織柄、光沢のある素材、襟の開きが大きいデザインは避け、シンプルで清潔感のあるものを選びましょう。ボタンやステッチの色、下に着る肌着の色にも配慮が必要です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町など当地域では、地域のつながりが深く、服装マナーへの関心も高い傾向にあります。突然の訃報に慌てることのないよう、白無地のワイシャツを2〜3枚、喪服とセットで準備しておくことをおすすめします。服装は故人への最後の敬意を表すものです。基本を守り、心を込めてお見送りすることが何よりも大切です。
中本葬祭からのご案内
中本葬祭は、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を中心に、1968年の創業以来、地域の皆さまのご葬儀をお手伝いしてまいりました。服装のマナーや葬儀の進め方など、ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。24時間365日、フリーダイヤル0120-52-4966にて承っております。お見積もり・ご相談は無料ですので、ご安心ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
