突然の訃報に接し、お通夜やご葬儀に参列する際、「腕時計は着けていっても良いのだろうか」「どんな時計なら失礼にならないのだろうか」と不安に思われる方は少なくありません。時間を確認するために日常的に身に着けている腕時計ですが、厳粛な葬儀の場では配慮が必要です。新宮市で1968年の創業以来、年間300件以上のご葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭が、腕時計をはじめとしたアクセサリーのマナーについて、地域の慣習も踏まえながら丁寧にご説明いたします。
葬儀・お通夜で腕時計を着けることは可能か
適切なフォーマル時計であれば着用しても問題ありません。現代では腕時計は装飾品というより実用品として認識されており、参列者が時間を把握するために着用するのは一般的です。
大切なのは、腕時計を「時間確認のための機能的なアイテム」として捉え、装飾品としての主張を控えることです。葬儀の場では、故人を偲び、ご遺族への配慮を最優先とする姿勢が求められます。そのため、華美なデザインや高級感を誇示するような時計は避け、あくまでも「時刻を知るための道具」として目立たないものを選ぶことがマナーとなります。
一方で、本来、葬儀の場では「時間を忘れて故人を偲ぶ」という意味で、時計をつけないのが最も丁寧な作法とされてきました。迷われる場合やふさわしい時計をお持ちでない場合は、腕時計自体を着用しないという選択肢もあります。葬式の場において時計を身に着けないことは、決してマナー違反ではありません。
新宮市や那智勝浦町、太地町、三重県紀宝町といった当地域では、昔ながらの厳格な作法を大切にされるご家庭も多く、地域のつながりが深い土地柄です。特に菩提寺をお持ちのご家庭が多いため、宗派によって細かな作法が異なる場合があります。腕時計についても、ご高齢の参列者の中には「装飾品は一切着けるべきでない」とお考えの方もいらっしゃいますので、不安な場合は着けない、あるいは会場に着いてから外すといった配慮も一つの方法です。
葬儀にふさわしい腕時計の選び方
葬儀に参列する際に腕時計を着ける場合、以下のポイントを守ることが大切です。
デザインと形状
形はノーマルなラウンド型(丸型)が無難ですが、クラシカルなレクタンギュラー型やスクエア型でも問題ありません。重要なのは、特徴的なデザインのものは避け、シンプルなものを選ぶことです。文字盤は白または黒の無地で、機能は2針または3針など基本的な機能のみのアナログ時計が相応しいとされています。
クロノグラフ(ストップウォッチ機能付き)など複雑な機能を持つ時計や、大きなロゴが目立つもの、宝石があしらわれたものは避けましょう。デジタル時計もカジュアルやスポーティな印象が強いため、厳粛な場においては多少なりとも不向きです。
色と素材
文字盤の色は白か黒、ベルトは黒の革ベルトが最も一般的です。ホワイトゴールドやシルバーは落ち着いた印象に見えるのでおすすめです。革ベルトの場合は、目立ちにくい黒色を選びましょう。
金色(ゴールド)のベルトやケース、派手なカラーの文字盤、光沢の強い装飾は避けてください。ブラックやシルバーのシンプルなデザインが最も適しています。
サイズと着け方
腕時計のサイズは、大きすぎないものを選びましょう。腕に対して大きすぎるデザインは、比較的カジュアルな印象になってしまうためお葬式の場にふさわしくありません。袖口に収まる程度のサイズ感が理想的です。
男性と女性の違い
男性の場合はアナログタイプの時計で、黒革ベルト+白または黒の文字盤が基本です。女性の場合は、アクセサリー感の強い時計や宝石入りのものは避けましょう。ベルトが細めで控えめな色合いのものなら、上品で好印象です。
新宮市をはじめとする当地域では、ご高齢の方も多く参列されます。地域の慣習を大切にされる方も多いため、「控えめすぎるくらいがちょうど良い」という意識で選ばれると安心です。
スマートウォッチについて
近年普及しているスマートウォッチですが、葬儀の場では避けるのが無難です。画面が光ったり、通知音が鳴ったりする可能性があり、厳粛な雰囲気を損ねる恐れがあります。どうしても着ける場合は、通知をすべてオフにし、画面を常に暗くしておくなど、最大限の配慮が必要です。
お通夜と告別式での違いと立場による配慮
お通夜と告別式では、求められる服装や装いの厳格さに若干の違いがあります。
お通夜での腕時計
お通夜は突然の訃報に接して急いで駆けつけることも多く、必ずしも完璧な装いでなくても失礼にはなりません。大切なのは、故人を偲ぶ気持ちを第一に、派手さを避けることです。仕事帰りに参列される場合など、やむを得ず普段の腕時計を着けている場合でも、袖口に隠して目立たせなければ大きな問題にはなりません。
一般の参列者であれば、常識的な範囲の落ち着いた時計で問題ありません。黒や濃いグレーの革ベルト、シンプルな文字盤の時計であれば十分です。
告別式での腕時計
葬儀や告別式ではより厳粛な雰囲気が求められます。そのため、腕時計を外す、または黒い革ベルトなどフォーマルなデザインに限るなど、一段階控えめな対応を意識することが大切です。
喪主・ご遺族の場合
喪主や親族は、会場で最も注目を浴びる立場です。参列者を迎える立場でもあるため、服装や持ち物の印象が全体の雰囲気を左右します。腕時計を着ける場合は、黒い革ベルト+無地の文字盤を基本とし、ブランドロゴや光沢のある装飾は控えましょう。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、地域のつながりが深く、ご近所の方々が多数参列されるケースも少なくありません。喪主やご遺族の立場にある方は、特に身だしなみに注意を払い、参列者に不快感を与えないよう配慮することが大切です。
腕時計以外のアクセサリーマナー
葬儀の場では、腕時計以外のアクセサリーについても配慮が必要です。
女性のアクセサリー
お葬式でつけていいアクセサリーは、本来結婚指輪のみ。ですが洋装の喪服が増えた影響で、お葬式で真珠やモーニングジュエリーのアクセサリーをつける女性が増えています。
洋装の喪服でお葬式に参列する場合は、ネックレスを身につけてもかまわないとされています。真珠のネックレスが一般的で、一連で40cm程度の短いタイプを選びましょう。通夜式や葬儀・告別式などで身につけるネックレスは、〈一連〉であることがルール。二連や三連のネックレスは〈不幸が重なる〉〈悲しみが繰り返される〉ことが連想されるため、たとえ真珠であってもお悔やみの場で身につけるのはNGです。
イヤリングやピアスも、真珠の一粒タイプであれば問題ありません。揺れるデザインは避けましょう。
男性のアクセサリー
男性の場合、男性・女性ともに、結婚指輪をつけて問題ありません。ただし、結婚指輪にはゴールド(金色)や、ダイヤモンドが付いているものも多いため、周りの目を気にする場合は、外しても問題はないでしょう。ネックレスやブレスレット、ピアスなどは基本的に着けません。
和装の場合
和装で参列される場合は、ネックレスやイヤリングは着けないのが基本です。結婚指輪と腕時計のみにとどめるのが一般的です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での地域特性
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町は、いずれも熊野地域に属し、古くからの慣習を大切にする土地柄です。県境をまたぎますが、生活圏・文化圏は一体で、葬儀の慣習も共通しています。
当地域では菩提寺をお持ちのご家庭が多く、家族葬であっても菩提寺のご住職に読経をお願いするのが一般的です。宗派により作法が異なるため、服装や装いについても菩提寺のしきたりに沿うことが大切です。
また、地域のつながりが深いため、家族葬であっても区長・組長への早めの連絡が望ましく、ご近所の方が多数参列されるケースもあります。そうした場で、喪主やご遺族が派手な装いをしていると、「故人を軽んじている」という印象を与えかねません。腕時計やアクセサリーについても、「控えめに」を心がけることが、この地域での安心につながります。
新宮市で50年以上にわたり葬儀に携わってきた中本葬祭では、地域の慣習を熟知したスタッフが、服装や持ち物についてのご相談にも丁寧にお応えしております。「こんな時計で大丈夫だろうか」「アクセサリーはどこまで許されるのか」といった細かな疑問も、遠慮なくお尋ねください。
よくある質問
葬儀にスマートウォッチを着けても良いですか?
スマートウォッチは避けるのが無難です。画面が光ったり通知音が鳴る可能性があり、厳粛な雰囲気を損ねる恐れがあります。どうしても着ける場合は、通知をすべてオフにし、画面を常に暗くしておくなど最大限の配慮が必要です。
男性は結婚指輪も外すべきですか?
結婚指輪は男性・女性ともに着けて問題ありません。ただし、ゴールドやダイヤモンドが目立つ場合は、周囲への配慮から外しても構いません。気になる場合は石の部分を手のひら側に回すと控えめな印象になります。
真珠のネックレスは二連でも良いですか?
二連や三連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため、葬儀では避けるべきです。真珠であっても一連のネックレスを選びましょう。粒の大きさは7〜8ミリ程度、長さは鎖骨にかかる程度が適切です。
お通夜と告別式で腕時計のマナーは違いますか?
お通夜は急な参列も多いため、ある程度の実用性が許されます。一方、告別式ではより厳粛な雰囲気が求められるため、腕時計を外すか、フォーマルなデザインに限るなど一段階控えめな対応を意識すると良いでしょう。
適切な腕時計を持っていない場合はどうすれば良いですか?
葬儀の場で腕時計を着けないことはマナー違反ではありません。時間確認が必要な場合は、会場に着く前に外してバッグにしまう、あるいは携帯電話で時間を確認するなどの方法もあります。迷われる場合は着けないのが最も安心です。
まとめ
葬儀やお通夜での腕時計は、適切なものであれば着けても問題ありませんが、「時間を確認するための実用品」として、シンプルで控えめなデザインを選ぶことが大切です。黒の革ベルト、白または黒の文字盤、アナログ式の2針または3針といった基本を守れば、失礼にあたることはありません。
一方で、迷われる場合や適切な時計をお持ちでない場合は、着けずに参列することも立派な選択肢です。故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちこそが何より大切であり、装いはその気持ちを形にするものに過ぎません。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町といった当地域では、古くからの慣習を大切にされる方も多く、地域のつながりが深い土地柄です。葬儀の場では、周囲への配慮を第一に、控えめな装いを心がけることが、この地域で安心して参列するための基本となります。
中本葬祭からのご案内
中本葬祭は1968年の創業以来、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を中心に、地域に根ざした葬儀のお手伝いをさせていただいております。服装やマナーに関するご不安、葬儀の進め方や費用についてのご質問など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。24時間365日、フリーダイヤル0120-52-4966にて承っております。お見積もり・ご相談は無料ですので、安心してお問い合わせください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
