「焼香は何回すればよいのだろう」「他の方と違うやり方をして失礼にならないか心配」――突然のご不幸で葬儀に参列することになったとき、多くの方がこうした不安を抱かれます。焼香(しょうこう)は仏式の葬儀で故人様のご冥福を祈る大切な儀式ですが、宗派によって作法や回数が異なるため、戸惑われるのも無理はありません。この記事では、焼香の基本的なやり方から宗派ごとの違い、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での実例まで、年間300件以上の葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭が丁寧にご説明いたします。
焼香とは何か――その意味と基本的なやり方
焼香とは、葬儀や法事の際にお香を焚いて、その香りと煙を仏様や故人様に捧げる仏教の儀式です。仏教であれば宗派を問わず行われる作法であり、参列者お一人おひとりの弔意を示す大切な時間でもあります。
お香には空間を清める意味があるとされ、焼香には「心身の穢れを清めて、清らかな気持ちで故人様をお送りする」という意味が込められています。また、香の煙が天に昇る様子は、故人様の魂が極楽浄土へ導かれることを象徴するとも言われます。
焼香には大きく分けて三つの形式があります。まず「立礼焼香(りつれいしょうこう)」は、立ったまま行う最も一般的な形式で、椅子席のある葬儀場やホールで多く用いられます。次に「座礼焼香(ざれいしょうこう)」は、正座したまま行う形式で、お寺や和室での葬儀で見られます。そして「回し焼香(まわししょうこう)」は、香炉を参列者の間で順番に回す形式で、自宅葬や小規模な会場で選ばれることがあります。
基本的な焼香のやり方は、どの形式でもおおむね共通しています。まず、ご自分の順番が来たら焼香台の前に進み、ご遺族や僧侶に一礼します。次に、ご遺影に向かって一礼し、合掌します。左手にお数珠をかけておき、右手の親指・人差し指・中指の三本で抹香(まっこう:粉末状のお香)をつまみます。つまんだ抹香を額の高さまで掲げる動作を「押しいただく」と言い、これには敬意を表す意味があります。その後、抹香を香炉の中にそっと落とします。この一連の動作を、宗派によって1回から3回繰り返し、最後に再び合掌してご遺影に一礼、ご遺族に一礼して席に戻ります。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、葬儀の多くが菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)のご住職による読経とともに執り行われます。そのため、焼香もご住職の宗派に沿って行うのが一般的です。中本葬祭では、事前にご住職の宗派を確認し、喪主様やご遺族にその作法をご案内するよう心がけております。
宗派によって異なる焼香の回数と作法
焼香の作法は宗派によって異なります。ここでは主な宗派ごとの焼香の回数と特徴をご紹介します。
天台宗
焼香の回数は特に定められておらず、1回または3回が一般的です。抹香を額に押しいただくかどうかも厳密な決まりはありません。僧侶の焼香は3回と決まっていますが、参列者は心を込めて行うことが大切とされています。
真言宗
焼香は3回行い、3回とも抹香を額に押しいただきます。3という数字には「身・口・心を清める」「仏・法・僧の三宝に供養する」といった複数の意味があるとされます。また、真言宗では合掌の際に「金剛合掌(こんごうがっしょう)」という、両手の指を互い違いに組む独特の作法があります。
浄土宗
宗派として焼香の回数は定めておらず、1回から3回が一般的です。抹香を押しいただく作法も特に決まりはありません。合掌の際には「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の念仏を心の中で称えることが推奨されています。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)
焼香は1回のみで、抹香を額に押しいただきません。これは「香をお供えする」という意味があるためです。浄土真宗では、煙や香りが仏様を招くと考えるため、お香そのものを高く掲げる動作は行いません。
真宗大谷派(東本願寺)
焼香は2回行い、どちらも抹香を額に押しいただきません。1回目は故人様への供養、2回目は自分自身の心を豊かにするという意味があるとされています。
臨済宗
焼香は1回が一般的で、特に決まりはありません。一度のご焼香に心を込めて丁寧に行うことが重視されます。
曹洞宗
焼香は2回行います。1回目を「主香(しゅこう)」といい故人様のご冥福を祈り、抹香を額に押しいただきます。2回目を「従香(じゅうこう)」といい主香の火が消えないように加えるもので、押しいただかずにそのまま香炉に落とします。参列者が多い場合は1回でも差し支えありません。
日蓮宗
焼香は1回または3回で、抹香を額に押しいただくかどうかは特に定められていません。
このように宗派によって作法は異なりますが、どの宗派でも共通して大切なのは「故人様への感謝と敬意を込めて心静かに行う」という姿勢です。分からない場合は、前の方の作法を参考にされても失礼にはあたりません。また、参列者が多い場合には「お心を込めて1回のご焼香で」とご案内される場合もあります。
立礼・座礼・回し焼香――それぞれの具体的な手順
焼香の形式によって、細かな手順や移動の仕方が異なります。ここでは三つの形式それぞれの具体的な流れをご説明します。
立礼焼香の手順
立礼焼香は、椅子席のある葬儀場やホールで行われる最も一般的な形式です。ご自分の順番が来たら席を立ち、音を立てないように静かに焼香台まで進みます。焼香台の手前でご遺族と僧侶に一礼し、さらに一歩前に進んでご遺影に向かって一礼します。左手にお数珠をかけ、右手の三本の指で抹香をつまみ、宗派に応じて額に押しいただいてから香炉に落とします。この動作を必要な回数繰り返したら、合掌してご遺影を見つめます。その後、焼香台から二、三歩後ろに下がり、ご遺族と僧侶に一礼して席に戻ります。
座礼焼香の手順
座礼焼香は、畳の部屋やお寺での葬儀で行われます。基本的な流れは立礼焼香と同じですが、移動方法が異なります。順番が来たら、正座の姿勢のまま膝をついて移動する「膝行(しっこう)」という方法か、中腰で移動します。焼香台の手前で正座し、ご遺族・僧侶・ご遺影の順に一礼してから焼香を行います。終わったら再び膝をついたまま後ろに下がり、中腰で自分の席に戻ります。膝に負担がかかる方は、無理をせず椅子の使用を申し出ても差し支えありません。
回し焼香の手順
回し焼香は、自宅や小規模な会場で行われる形式です。香炉と抹香が載ったお盆が順番に回ってきますので、隣の方から軽く会釈をして受け取ります。お盆を自分の前に置き、ご遺影に向かって合掌してから焼香を行います。終わったら再び合掌し、次の方に両手で丁寧にお盆をお渡しします。香炉は意外に重いことがあるため、落とさないよう注意し、急いで次の方に回そうと焦らず、丁寧に扱うことが大切です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、葬儀場やホールでの葬儀が増えており、立礼焼香が主流となっています。ただし、ご自宅やお寺での葬儀では座礼焼香や回し焼香が選ばれることもあります。中本葬祭では、会場の広さやご参列者の人数、ご家族のご意向に応じて、最適な焼香の形式をご提案しております。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での焼香の実際
当地域は菩提寺をお持ちのご家庭が多く、ご葬儀の際には菩提寺のご住職に読経をお願いするのが一般的です。真言宗、浄土真宗、曹洞宗など、さまざまな宗派の方がいらっしゃいますので、焼香の作法もご家庭によって異なります。
当地域では、地域のつながりが深いため、ご近所の方や区長・組長など多くの方がご参列くださることがあります。その場合、時間の都合上「お心を込めて1回のご焼香で」とお願いすることもございます。これは決して略式というわけではなく、多くの方に滞りなくご焼香いただくための配慮ですので、どうぞご理解ください。
また、当地域には「告別式の日の朝に火葬を行い、ご収骨後に告別式を執り行う」という古くからの風習があります。この場合、ご焼香は告別式の際に行われますが、お通夜でもご焼香の機会を設けることが一般的です。どちらの流れになるかは、ご家族のご希望や菩提寺のご意向によって決まりますので、事前に確認しておくと安心です。
ご香典を辞退されるご家族も増えておりますが、ご焼香はご香典の有無に関わらず、故人様へのお別れの大切な儀式として執り行われます。「ご香典は辞退するが、ご焼香だけでもお願いしたい」とお考えのご家族も多くいらっしゃいます。
よくある質問
焼香の回数を間違えてしまったらどうなりますか?
焼香の回数を間違えても、失礼にはあたりません。大切なのは故人様を想う気持ちです。宗派の作法はあくまで目安ですので、分からない場合は1回でも差し支えありません。
自分の宗派と故人の宗派が違う場合、どちらに合わせるべきですか?
一般的には、葬儀を執り行う故人様の宗派に合わせるのが無難です。ただし、ご自身の宗派の作法で行っても失礼にはあたりません。どちらも間違いではなく、心を込めて行うことが大切です。
お数珠を忘れてしまった場合、焼香はできませんか?
お数珠がなくても焼香はできます。お数珠は本来、仏教徒が持つ法具ですが、なくても故人様への弔意を示すことはできます。合掌の際は、手を合わせるだけで構いません。
子どもと一緒に焼香する場合、どうすればよいですか?
小さなお子様の場合は、無理に焼香をする必要はありません。ある程度の年齢であれば、保護者が一緒に付き添い、簡単に教えながら行っても差し支えありません。「おじいちゃんにご挨拶しようね」と声をかけてあげると良いでしょう。
宗派が分からない場合はどうすればよいですか?
宗派が分からない場合は、前の方の作法を参考にされるか、葬儀社のスタッフに確認されると良いでしょう。また、1回のご焼香で押しいただく作法であれば、どの宗派でも大きく失礼にはあたりません。
まとめ
焼香は、宗派によって回数や作法が異なりますが、どの宗派でも「故人様への感謝と敬意を込めて行う」という本質は変わりません。立礼焼香・座礼焼香・回し焼香という三つの形式があり、会場や参列者の人数によって使い分けられます。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、菩提寺のご住職による読経とともに葬儀が執り行われることが多く、その宗派に沿った焼香の作法が用いられます。地域のつながりが深い土地柄ですので、多くの方がご参列くださる際には、時間の都合上「お心を込めて1回のご焼香で」とお願いすることもあります。
焼香の作法に不安を感じられる方も多いかと思いますが、大切なのは形式よりも、故人様を想う気持ちです。分からないことがあれば、遠慮なく葬儀社のスタッフにお尋ねください。中本葬祭では、初めての方にも安心してご参列いただけるよう、丁寧にご案内いたします。
中本葬祭からのご案内
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で葬儀をお考えの際は、創業1968年の中本葬祭にご相談ください。菩提寺との調整から焼香の作法のご説明まで、地域に根ざした経験豊富なスタッフが丁寧にサポートいたします。24時間365日、フリーダイヤル0120-52-4966にてご相談を承っております。お見積もり・ご相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
