中本葬祭ブログ

樒(しきみ)と高野槇(こうやまき)とビシャコについて

2019/08/09

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬の中本葬祭の汐﨑です。

 

お盆やお彼岸など、お墓参りの時期になるとスーパーなどでもお墓参り用のお花が多く見られるようになりますね。

仏教の場合、お墓には菊などのお花と共に、あるいはそれ単体で樒や高野槇、ビシャコなどが良くお供えされています。

今回は、これらの木についてご紹介いたします。

 

【高野槇】について

 

かつては世界中に広く分布していましたが、現在では日本と韓国の済州島にだけ残存しているようです。

全国的には庭園に植栽され、材木としても利用されています。古くには、お棺の材料として最上級とされていました。

古くは弥生時代や古墳時代には木棺として実際に使用されたそうです。

高野槇は水に強くて朽ちにくいことから、現在でも湯船材や橋梁材として重宝されています。

和名は、高野山真言宗の総本山である高野山に多く生えていることに由来します。また、高野山では霊木とされています。

ここまで読んで下さった方の中には、そもそも仏花ではない高野槇がなぜお墓に?と疑問に思われたかも知れません。

以前、弊社の会員親睦旅行で会員様と高野山に行く機会がありましたのでその際、高野山の僧侶の方に質問してみましたところ、このように教えてくださいました。

高野山の「禁忌十則」には尊厳護持のために「禁植有利竹木」という決まりがあり、果樹、花樹、竹、漆などを植えることを禁止された為、花の代用が必要だった。

また、高野山という地は山の中に在り、冬には雪も深くなることからそもそも仏花の栽培に適した地ではないこと。

これらの理由から、高野山にある高野槇を仏花として用いるようになったとのことでした。

実際、高野槇はお墓にお供えしても非常に日持ちがしますし夏場などは特に重宝しますよね。

特に当地も和歌山県の高野山のお膝元でもり、女人高野としても有名な妙法山阿弥陀寺様もあり、この考え方が広まりやすかったものと思われます。

※ そもそも高野山金剛峰寺は女人禁制として明治時代の初期まで女性の参拝が認められていないお寺でした。対し、女性の参拝を認められたお寺を「女人高野」と呼ばれています。

那智勝浦町の妙法山阿弥陀寺様はじめ、奈良県宇陀市の室生寺様などいくつか女人高野のお寺様が存在します。

庭木としても植栽される高野槇ですが、常緑高木の木ですし非常に丈夫な木でもあります。大きなものになりますと高さ30 m以上、直径1 mに達するものがありますので、

「お墓参りにも便利だから」とご自宅のお庭に植えることを検討される際には、非常に大きくなる可能性があることを覚えておいて頂ければと思います。

 

【樒】について

主に仏花としてお墓やお仏壇にお供えするとなると真っ先に思い浮かべるのがこちらの樒(しきみ)ではないでしょうか。

樒は俗にハナノキ・ハナシバ・コウシバ・仏前草といわれ、弘法大師空海様が花の形が青蓮華に似ていることから、これの代用として密教の修法に使ったのが始まりのようです。

青蓮花は天竺の無熱池にあるとされ、その花に似ているので仏前の供養用に使われたようです。

なにより常緑の木ですので年中継続して美しく、手に入れやすいので、古来より樒の枝葉をご仏前や墓前にお供えされています。

葬儀の際には枕花として一本だけお供えしたり、末期の水を故人様に差し上げる時には樒の葉を一葉使ったりなどもしています。

お寺様の中には、葬儀の式典の中でも枝を一本あるいは葉を一葉使うことが当地では多くあります。

樒にはその全てに香りがあり、葉の粉末は線香や抹香の原料に使われたりしています。

また、この香りがあることから、昔はドライアイスなどのご遺体の腐敗を遅らせる術がなく、臭い消しとして用いられたり、

この香りは獣がこれを嫌い、近寄らなくなるため墓前に挿して獣が墓を荒らすのを防いだとされる説もあるようです。

こうした樒の名前の由来には諸説あるようです。

 

  1. 四季を通じて美しい木である事から、「四季美」がシキミの語に転成したという説
  2. 果実が猛毒で特に、種子にアニサチンなどの有毒物質を含みます。特に果実に多く、誤って食用すると死亡する可能性がある程度に有毒であるほどです。実際、事故が多いため、シキミの実は植物としては唯一、劇物に指定されています。こうしたことから「悪(あ)しき実」とされており、それが転じてシキミとなったとする説
  3. 果実の重なり付く様子から、「敷き実」とし、そのままシキミの名になったと言う説

 

などがあるようです。

この他、樒を挿した水は腐りにくく、日持ちがする特徴もあります。※飲用は絶対にお止めください

 

【ビシャコ】について

関西以東の方はビシャコと聞いても「なにそれ?」とお思いかと思います。

正式な名称は緋榊(ひさかき)といいます。地方により下草、ビシャコ、ビシャ、ヘンダラ、ササキなど呼ばれています。

当地ではビシャコと呼ばれるのが一般化されています。

お墓やお仏壇へのお供えとして用いられたり、かつて榊が手に入らなかった関東以北などで神事に用いられたりしました。

一説には本来は榊(サカキ)を使っていたものの代替であるといわれがあります。名前も榊でないから非榊であるとか、一回り小さいので姫榊がなまった等の説があります。

 

ところで、言葉からも仏花としては菊の花が最も一般的かと思います。

浄土に咲いている花が菊という説、そしてお花として日持ちがすることからも多く用いられています。

そうしたお花ではなくなぜ木をお供えするのか?というところですが、全国的に現在のように物流の便が整っておらず、所によっては雪深かったりなどで

お花の栽培に適していない地、お花が手に入りにくい地であっても仏前にお供えしやすいようにという先人の智慧というのがそもそものようですね。

 

今回は以上になります。

その他分かる範囲でお答えいたしますので、仏事に関する疑問・質問も中本葬祭までご相談ください!
中本葬祭 0735-52-4966
 

この記事の著者:(株)中本葬祭/施工部 係長 汐﨑 剣児