中本葬祭ブログ

プロジェクションマッピングの祭壇でコスト削減!?

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地

紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の中本です。

ネットのニュースでプロジェクションマッピングを用いた祭壇でコスト削減になり、お値打ちでありつつも様々な演出が可能になるといったような記事を読みました。

記事はこちらからご覧ください。※一定期間を過ぎるとリンクが途絶える可能性があります

今回はこちらの件についてお話させて頂ければと思います。

プロジェクションマッピングの祭壇で葬儀費用は安くなるのか?

結論を先に書かせて頂きます。安くなりません。

記事を読んでみますと、祭壇に使用する生花の廃棄コストが発生しないのでコストダウンになるようです。

100万円のお葬式が、同祭壇を使用することで70万円になるとのことです。

同業者さんの考え方として一概にイコールで語れないのかも知れませんが、30万円ものお花の廃棄コストが発生する事は現実的にあり得ない話です。

手前味噌な言い回しになってしまうのですが、今回の記事では日本初という風に記載されていますが、弊社ウィズハウスでは、今から2年前になりますでしょうか。開業当初よりプロジェクションマッピングを使用しています(投影方法などは全く異なります)しかし、こちらは使用するしないに関わらず無料サービスで行わせて貰っています。また、弊社ではお通夜・葬儀などの式典の進行の妨げになりませんよう、式典中はこうした演出は一切行っておりません。

確かにお客様たるご遺族の方々のニーズは、現在多様化しており、これまでの形式ありきであったお別れの形から、自由な考え方の元に様々なスタイルが出てきているのも事実です。

しかし、私たちは葬儀のプロとして宗教儀礼であるお通夜やお葬式の式典としての部分と、ご遺族・ご親族の皆様と故人の最期のお別れの場という部分はごっちゃにしてはいけないと思います。

宗教儀礼である式典には演出は一切必要がないと思っています。厳粛な式典の場を整え、宗教家の方の進行に従った滞りのない式の運営、進行が何よりの基本であると思います。

一方で、ご遺族・ご親族の皆様と故人との最期のお別れの場としての空間と時間はしっかりと確保する必要があります。これらは両輪で考えて組み立てるものであり、一緒くたにするものではありません。

また、コスト削減はどのような企業にとっても大切なことではありますが、多くの葬儀社や生花店の方は、お花の廃棄コストまで考えて原価計算は行っていないと思います。正直、これは偏向報道ではないかなと。

そして、そうしたコスト意識も大切ですが、もっと大切な人の心を無視してはいけないと思います。

人類最古の葬儀の遺跡として、今から6万年前のネアンデルタール人の洞窟で見つかったという記録が残っています。洞窟の中の人骨の周りから、その周辺には無かったはずの花粉が見つかったことから、死者を弔うために花を遺体の周りに添えた事が判明しています。

全世界の葬儀を見渡しましても、お葬式にお花が一輪もない葬儀はありません。

そのような大昔から、人が亡くなるとその死を悼み、お花を手向けて亡き人を慰める、亡くなった方への敬意を表すといった行為は行われてきたのです。これは人としての原理原則と言っても差し支えないのではないでしょうか。

葬儀のお花を否定するということは、故人に対してお花を手向けようとする人の心をも否定しているようにも思えてなりません。もしかしたら、こちらの葬儀社さんはそこまでの事は思ってはいないのかも知れませんが、企業の姿勢としてそのように受け止められても致し方ないのでは無いかと思います。

また、行う全ての葬儀が無宗教形式であるならさておき、宗教家の方ありきの現在の日本の葬儀のスタイルに対して、こちらに出入りされている宗教家の方からご指導・ご指摘はないのだろうかとも思います。

こうしたスタイルに寛容な地域性なのかも知れませんが、私たちはこれまでと変わること無く、宗教儀礼の式典としての葬儀における大切にしなければならないものは守りつつ、ご遺族・ご親族の皆様と故人とのお別れの空間と時間をしっかりと確保できるスタイルを守って行きたいと思いました。

本日は以上です。