こんにちは。中本葬祭の中本です。
国家が推奨するキャッシュレス化の波は様々なものもキャッシュレスにしていきます。
お葬式の現場でも以前より未来を予測する時に「香典もキャッシュレス」と随分前から提唱されていました。
現金を用意する手間が省けるだけでなく、のし袋を用意することなどの手間が一瞬で「手間のかからない」ものに進化するキャッシュレス化は必ず訪れる近い未来だったのかも知れません。
もうすでに一部の葬儀社でQRコード決済を利用した香典のキャッシュレス化が始まっています。
まだまだ、実験段階のところがほとんどですが、香典の授受におけるキャッシュレス化はある日を境に全国的に一般化する可能性も秘めていると思います。
有史以来、人間はより生活の中における便利さを求めて手間のかかる事を省略してきたのが歴史であり、進化です。
しかし、その反面、効率を優先することで大切な何かをいつも失ってきました。
元来、冠婚葬祭というものは手間のかかる事をあえて手間をかけることによって成立するものです。
キャッシュレス化は便利ですが、香典を渡す、受けるという本来の意義をちゃんと継承していかなければ、ただの
お金の寄付行為になってしまうような気がし、そうなると関西地方に多く見られる香典辞退の流れは一気に全国の一般的な流れになる可能性も同時に秘めているとも思います。
とはいえ、お葬式の現場に新しい取り組みが入ってくることは良いことです。
そして、新型コロナウィルスのおかげで、葬儀に参列する方に何らかの制限を受ける方が多くなり、遠方で葬儀に参列することが難しいなどと言った場合にはネット環境を利用したライブ動画で葬儀に参加する方も増えてきました。このような方が香典をお供えするのにキャッシュレスはとても有効な手段と言えるでしょう。
温故知新。古くを訪ねて新しきを知る。
古くからの葬送文化を守りつつ、新しいものを開発していく姿勢はこれからも私たち中本葬祭が大切にしていきたいことなのです。