お盆やお彼岸が近づくと、お墓や仏壇に供える枝物として、樒(しきみ)、高野槇(こうやまき)、ビシャコを見かけます。どれも常緑の枝物ですが、植物の種類や葉の形、地域での使われ方は異なります。
和歌山県は、コウヤマキ、ヒサカキ(ビシャコ)、シキミを「仏前に供える枝物」として紹介しています。この記事では、公的資料と新宮市・那智勝浦町周辺での実際の呼び方をもとに、三つの違いを整理します。
樒・高野槇・ビシャコの違い
| 呼び方 | 植物 | 見分ける目安 | 主な使われ方 |
|---|---|---|---|
| 樒 | シキミ科の常緑小高木 | 細長く、縁にぎざぎざがない葉。枝葉に特有の香りがある | 仏壇、墓前、仏事 |
| 高野槇 | コウヤマキ科の常緑針葉樹 | 細長い葉が枝先に輪のように集まる | 仏前、墓前。真言宗系の寺院や家庭でも用いられる |
| ビシャコ | ヒサカキ。地域名としてビシャコと呼ばれる | サカキより小ぶりで、葉の縁に細かなぎざぎざがある | 西日本では仏前、関東以北ではサカキの代用として神事にも用いられる |
樒とは
樒は常緑の小高木で、葉をちぎると抹香を思わせる香りがあります。仏壇や墓前に供えるほか、地域や宗派によっては葬儀などの仏事にも用いられます。
樒は食べられません
樒には葉、花、果実、種子などに有毒成分が含まれます。特に果実を食用の八角と取り違えないよう注意してください。乳幼児やペットの手が届かない場所で扱い、樒を挿した水も飲用しないでください。
名前の由来には複数の説があります。「悪しき実」が転じたという説も公的な植物資料で紹介されていますが、由来を一つに断定することはできません。
高野槇とは
高野槇は、日本固有の一属一種の常緑針葉樹です。高野山に多く見られることが名前の由来とされ、高野山では古くから大切に守られてきました。
森林総合研究所は、材が建築材や木棺などに利用され、枝は真言宗系の寺院や家庭で供え物として用いられると説明しています。和歌山県も、仏前の切り花として利用される県内の枝物として紹介しています。
庭木として育てる場合は高木になる性質があるため、将来の樹高や植える場所を考えて選びます。
ビシャコとは
新宮市や那智勝浦町周辺で「ビシャコ」と呼ばれる枝物は、一般にヒサカキを指します。ヒサカキは暖かい地域の森林や林縁に生える常緑小高木で、葉の縁に細かなぎざぎざがあります。
和歌山県によると、西日本では仏前に供え、関東以北ではサカキの代用として神事に用いられます。同じ植物でも地域によって呼び方や用途が異なるため、購入時は「仏壇用」「お墓用」など、使う場所も伝えると確実です。
お盆のお墓参りや仏壇にはどれを選ぶ?
全国共通で一種類に決まっているわけではありません。菩提寺、宗派、地域、家庭の慣習によって、樒、高野槇、ビシャコ、生花を使い分けます。迷う場合は、菩提寺やご家族に確認してください。
- いつも供えている枝物と同じものを選ぶ
- 菩提寺から指定がある場合はその案内に従う
- お墓用か仏壇用かを販売店へ伝える
- 樒は有毒のため、子どもやペットが触れないようにする
お盆のお墓参り用・仏壇用の樒をご用意しています
中本葬祭では、お盆のお墓参り用や仏壇用の樒をご注文いただけます。必要な本数や受け取り方法など、電話または公式LINEからお気軽にお問い合わせください。
時期や在庫状況により、ご用意までお時間をいただく場合があります。ご使用日が決まっている方はお早めにご相談ください。
参考にした公的資料
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
