中本葬祭ブログ

葬儀の生前契約とは?事前準備のメリットと費用相場

2026/07/21

葬儀の生前契約とは?事前準備のメリットと費用相場

「自分の最期は、自分の意思で決めておきたい」「家族に迷惑をかけたくない」――そんな思いから、ご自身の葬儀について生前に準備を始める方が増えています。葬儀の生前契約は、突然のご不幸に際してご遺族が慌てることなく、故人の意思を尊重したお別れができる、終活の大切な一歩です。私たち中本葬祭では、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上のご葬儀をお手伝いしており、事前のご相談も数多く承ってまいりました。この記事では、葬儀の生前契約とは何か、どのようなメリットがあるのか、費用はどれくらいかかるのか、そして当地域で生前契約をお考えの際に知っておきたいことを丁寧にご説明いたします。

葬儀の生前契約とは

葬儀の生前契約とは、本人が存命中に自分の葬儀の内容・費用・形式をあらかじめ決めておく手続きのことです。これは法律上の明確な定義がある制度ではなく、葬儀社や冠婚葬祭互助会などと結ぶ契約の総称として使われています。

具体的には、葬儀の形式(家族葬・一日葬・一般葬など)、宗派やご希望の読経の有無、ご遺影のお写真、お棺や祭壇の種類、式場、参列者の規模など、ご葬儀の内容を細かく決め、それを葬儀社と取り決めておきます。結婚式のように「○月○日に行う」という日程の予約はできませんが、「もしもの時にはこの内容で葬儀をお願いします」という約束を交わしておくイメージです。

生前契約には、大きく分けて「事前相談のみ」「申込金や予約金を支払う予約型」「葬儀費用の一部または全額を事前に支払う契約型」の3つのパターンがあります。多くの葬儀社では、まず無料の事前相談から始め、その後ご希望に応じて契約へと進む流れが一般的です。

近年、終活という言葉が広く浸透し、少子高齢化や核家族化に伴い、身寄りがない、子どもに迷惑を掛けたくないなど、さまざまな理由で高齢者が「おひとりさま」となっています。そのような背景から、ご自身の死後に残される方々の負担を減らし、ご自分の意思で最期の形を整えたいと考える方が増えています。

生前契約のメリットと考慮すべき点

生前契約の主なメリット

遺族が故人の葬儀の希望を把握していない場合、葬儀の形式や費用をめぐって親族間でトラブルが発生することがあります。生前契約では本人が直接内容を決定するため、「本当にこれでよかったのか」という遺族の心理的負担を軽減できます。ご本人が元気なうちに、じっくりと時間をかけてご希望を整理できることは、ご本人にとってもご家族にとっても大きな安心につながります。

葬式はその儀式としての性質上、かなり慌ただしく準備が進められることがほとんどです。しかし生前契約をしておけば、ご逝去の際は予約していた葬儀社に連絡するだけで、あらかじめ決めた内容に沿ってスムーズにご葬儀が執り行われます。ご遺族は悲しみの中で慌てて決断を迫られることなく、故人との最期の時間を大切に過ごすことができます。

また、葬儀費用は事前に見積もりを取ることで透明性が確保されます。「追加費用が際限なく発生する」という不安を解消でき、預貯金や保険でどこまでカバーできるかを事前に計算することも可能です。費用を把握しておくことで、計画的な準備ができます。

考慮しておきたい点

生前契約には多くのメリットがありますが、いくつか注意すべき点もあります。

まず、契約後に状況が変わることがある、契約先に連絡しないと履行されない、解約や契約の見直しができない場合があるといった点です。たとえば、契約後に引っ越しをされた場合や、お身体の状態が変わった場合など、当初の想定と状況が変わることがあります。その際に契約内容を見直せるか、追加費用がかかるかなどは、契約時に必ず確認しておきましょう。

また、契約履行を確認できない可能性がある点が挙げられます。ご本人が亡くなった後、実際にその内容どおりに葬儀が執り行われたかをご本人自身が確認することはできません。そのため、必ず、信頼できる家族に知らせておきましょう。ご家族が生前契約の存在を知らずに他の葬儀社に依頼してしまうと、せっかくの契約が無駄になってしまいます。

さらに、葬式費用を事前に支払っておく生前契約のケースでは、契約先の葬儀社が倒産した場合に支払い済みのお金が戻ってこないというリスクもあります。そのため、信頼できる葬儀社を選ぶことが何より大切です。経営の安定性や、前払い金の管理方法(信託銀行による保全など)を確認しておくと安心です。

生前契約はご本人の意思を尊重するものですが、ご本人の望まれる葬儀の形・内容が、ご家族様にとって理想とする葬儀と違う場合もあります。たとえばご本人は家族だけの小さな葬儀を希望されていても、ご家族は故人の交友関係を考えて多くの方にお別れをしていただきたいと思われるかもしれません。そうしたミスマッチを防ぐためにも、ご家族とよく話し合い、理解と同意を得ておくことが重要です。

費用相場と支払い方法

葬儀の生前契約にかかる費用は、どのような形で契約するかによって大きく異なります。一般論として、2026年時点での葬儀費用の全国平均は、161万9千円とされています。ただし、この金額は葬儀の形式や規模、地域によって大きく変動します。

生前契約の場合、支払い方法は大きく以下のパターンに分かれます。

  • 予約のみ(事前相談):契約金や費用の支払いはせず、内容だけを決めておく形です。葬儀費用は実際の施行後にお支払いいただきます。
  • 予約金・申込金型:数万円から数十万円程度の予約金をお支払いいただき、残りは施行後に精算する形です。
  • 前払い型:葬儀費用の全額を事前に支払える場合もありますが、葬儀後に追加費用が発生する可能性もあります。安置の日数が予想より長くなった場合のドライアイス代、火葬場の混雑状況による追加費用などが考えられます。
  • 互助会の積立型:互助会は、割賦販売法に基づく前払式特定取引業者として経済産業省の許可を受けた事業者です。加入者は月額1,000〜5,000円程度を一定期間積み立て、冠婚葬祭の役務提供を受ける権利を取得します。ただし、積立金だけで葬儀費用の全額をカバーできるとは限らない点には注意が必要です。

生前契約の費用は、葬儀の形式によっても大きく変わります。家族葬の葬儀費用の平均相場は105.7万円、一般葬の葬儀一式費用の平均は161.3万円とされています。一日葬や直葬(火葬式)の場合はさらに費用を抑えることができます。

なお、これらはあくまで一般的な相場であり、実際の費用は葬儀社やプラン内容によって異なります。正確な金額については、中本葬祭までお気軽にお問い合わせください。中本葬祭の葬儀費用についてはこちらでもご案内しております。

新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での生前契約

新宮市・那智勝浦町・太地町、そして熊野川を挟んで隣接する三重県紀宝町は、同じ熊野地域として生活圏・文化圏が一体となっており、葬儀の慣習も共通しています。この地域で生前契約をお考えの際には、地域特有の習慣も踏まえておくとより安心です。

当地域では、菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)をお持ちのご家庭が多く、家族葬であっても菩提寺のご住職に読経をお願いするのが一般的です。生前契約の際には、菩提寺への連絡やお布施の準備についても、あらかじめ葬儀社と相談しておくとスムーズです。宗派により式の進め方や作法が異なるため、ご希望の形式が実現できるか確認しておきましょう。

また、当地域では地域のつながりが深い土地柄のため、家族葬であっても区長・組長への早めの連絡が望ましいとされています。生前契約の段階で、ご家族に「誰にどのタイミングで連絡するか」をあらかじめ共有しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

当地方には古くから「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」風習が残っています。近年は全国的な流れ(告別式→火葬)も増えてきていますが、地域の慣習を大切にされる方も多くいらっしゃいます。どちらの流れを希望されるかは、生前契約の際に決めておくことができます。

中本葬祭では、こうした地域の慣習や菩提寺との関係性を踏まえながら、お一人おひとりのご希望に寄り添ったご提案をさせていただいております。地域に根ざした葬儀社だからこそ、土地の風習と現代のニーズの両方に対応できる体制を整えております。

よくある質問

生前契約と事前相談は違うのですか?

多くの葬儀社は無料で相談や見積もりを受け付けており、その相談を「生前相談」「事前相談」と表現しています。相談から契約に至れば、結果的に「生前予約」になるだけです。事前相談は契約ではなく情報収集の段階ですので、お気軽にご利用いただけます。

生前契約をしたら家族に伝えておく必要がありますか?

はい、ご家族への共有は必ず必要です。生前予約した内容が反映された葬式となるよう、生前予約の事実を身内に伝えておくことを忘れないようにしましょう。契約書の保管場所と葬儀社の連絡先を、喪主になる可能性のある方にお伝えください。

契約後に内容を変更することはできますか?

事前相談の段階であれば自由に変更できます。契約締結後も、多くの葬儀社では契約内容の変更に対応していますが、変更可能な範囲と追加費用の有無は契約書で確認してください。大幅な変更の場合は解約・再契約が必要になることもあります。

身寄りがない場合でも生前契約はできますか?

できます。おひとりさまや身寄りのない方が生前契約を行う場合は、葬儀信託を利用するか、死後事務委任契約と組み合わせることで、葬儀費用と執行の両面を確保することが推奨されます。死後事務委任契約では、行政書士や弁護士などの専門家に葬儀の連絡や執行を委任できます。

生前契約した葬儀社が倒産したらどうなりますか?

前払いした費用が返金されないリスクがあります。そのため、葬儀社の経営状況や前払い金の管理方法(信託銀行による保全など)を契約前に確認することが大切です。中本葬祭では、お客様の大切なご資金をお預かりする際の管理体制についてもご説明いたします。

まとめ

葬儀の生前契約は、ご自身の意思で最期の形を整え、ご遺族の負担を軽減できる、終活における大切な選択肢です。ご自分の希望を明確にしておくことで、ご家族は悲しみの中でも安心して故人を送ることができます。ただし、契約内容の確認、ご家族への共有、葬儀社選びなど、注意すべき点もいくつかあります。

生前契約を検討される際は、まずは無料の事前相談から始めることをお勧めします。複数の葬儀社に相談して比較検討し、ご自身とご家族が納得できる内容を見つけることが大切です。当地域では、地域の慣習や菩提寺との関係なども踏まえながら、お一人おひとりに合ったご提案をすることが重要です。

ご不明な点やご不安なことがあれば、どんな小さなことでも遠慮なくお尋ねください。

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この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

中本葬祭(1968年創業)専務。和歌山県新宮市・那智勝浦町・太地町、三重県紀宝町を中心に、家族葬・一日葬・一般葬・火葬式など年間300件以上の葬儀に携わっています。