訃報を電話で受けたとき、または後から知って電話をかけたいとき、「何を言えばよいか」「今かけて負担にならないか」と迷うことがあります。電話では、整った長い挨拶よりも、相手が話せる状況かを確かめ、短くお悔やみを伝えることが大切です。
ここでご紹介するのは全国向けの一般的な考え方です。お悔やみの伝え方は、ご遺族との関係、宗教・宗派、地域やご家庭の考えによって異なります。決まった文例をそのまま読むより、相手の状況を優先して言葉を選んでください。
電話では短く、相手が話せる状況かを先に確かめます
お悔やみの言葉は取り込み中のご遺族に配慮して短くすること、電話では長々と話さず用件を簡潔に伝えることをご案内しています。
電話をかける目的は、詳しい事情を聞くことではなく、弔意を伝えることです。まず名乗り、自分からかける場合は「今、少しだけお話ししてもよろしいでしょうか」と確かめます。相手が忙しそうであれば、その場で話を続けず、改めるか、普段使っている連絡手段で短いメッセージを残します。
お悔やみの基本表現や、対面・メール・手紙での違いは、お悔やみの言葉の例文とマナーでも整理しています。この記事では、電話で相手を長く引き留めない話し方に絞ってご説明します。
かける場面によって最初の一言を変えます
電話を受けたのか、自分からかけるのかで、最初に確認することが変わります。3つの場面を整理すると次のとおりです。
| 場面 | 最初にすること | 配慮したい点 |
|---|---|---|
| 訃報の電話を受けた | 知らせてくれたことへのお礼とお悔やみを伝える | 驚いても死因や詳しい経緯を続けて尋ねない |
| 自分から電話をかける | 名乗り、今話せるかを確かめる | 早朝・深夜や葬儀準備中の長電話を避ける |
| 数日後・葬儀後に知った | 知るのが遅くなったことを短く詫びて弔意を伝える | 遅れた説明を長くせず、ご遺族の都合を優先する |
「何日以内に必ず電話する」という一律の期限はありません。訃報を受けた電話ではその場で短く返し、自分からかける場合は、相手が準備や応対に追われている可能性を考えます。普段からメッセージをやり取りする間柄なら、先に「ご都合のよいときに少しお話しできますか」と尋ねる方法もあります。
5つの順番で話すと長電話になりにくくなります
電話で言葉に詰まったときは、次の順番だけ覚えておくと、要点を短くまとめられます。
- 自分の名前と故人との関係を伝える
ご遺族がすぐ分かる相手でも、最初に名乗ります。仕事関係では会社名や部署も簡潔に添えます。 - 今話せる状況かを確かめる
自分から電話をかけた場合は、最初に都合を尋ねます。「今は難しい」と言われたら、その場で終えて差し支えありません。 - お悔やみを一文で伝える
「心よりお悔やみ申し上げます」のように、宗教的な表現を重ねず、気持ちを短く伝えます。 - 必要な用件だけを確認する
参列やお手伝いについて確認する必要がある場合も、相手から案内された範囲に留めます。死因や最期の様子をこちらから尋ねません。 - 折り返し不要と伝えて切り上げる
「お忙しいところですので、これで失礼します」と区切ります。相手に返事や説明を求めない言い方にします。
電話だけで参列の調整が難しい場合は、葬儀に代理で参列するときの確認事項も参考にしてください。電話中に急いで結論を出さず、ご遺族から届く案内を待つ選択もできます。
場面別に使える短い文例
文例は、そのまま読み上げるための正解ではありません。故人のお名前や相手との関係に合わせ、自然に言える長さへ整えてください。
訃報の電話を受けたとき
大変な中、ご連絡をありがとうございます。突然のことで言葉が見つかりません。心よりお悔やみ申し上げます。今はお忙しいと思いますので、どうぞこちらへのお気遣いはなさらないでください。
知らせてくれたことへのお礼と、お悔やみだけで十分です。日程や参列方法は、相手から案内がある場合に確認します。
親しい方へ自分から電話するとき
突然お電話してごめんなさい。今、少しだけお話ししても大丈夫でしょうか。○○さんのことを知り、心よりお悔やみ申し上げます。今日はお気持ちだけお伝えしたくてお電話しました。
「何かできることがあれば」と伝える場合も、すぐに返事を求めないようにします。具体的に頼まれたことがあれば、その範囲で対応します。
仕事関係の方へ電話するとき
○○会社の△△です。このたびは○○様のご逝去を知り、心よりお悔やみ申し上げます。お忙しいところですので、長くは申しません。お電話でのご連絡となりましたことをご容赦ください。
会社として供花や弔電、参列を検討する場合は、家族葬であるか、辞退の案内があるかを社内で先に確認します。ご遺族へ同じ確認を複数人から繰り返さないことも配慮になります。
日にちが経ってから知ったとき
ご連絡が遅くなり申し訳ありません。先日、○○さんのことを知りました。心よりお悔やみ申し上げます。今は長くお話しせず、お気持ちだけお伝えしたくてお電話しました。
知るのが遅れた事情を詳しく説明するより、まず弔意を伝えます。後日の弔問や供花などは、ご遺族の希望を確認してから決めます。
死因の質問、長い励まし、重ね言葉は避けます
お悔やみの電話で避けたいのは、死因や最期の様子を詳しく尋ねること、相手が答えにくい質問を続けること、安易に励ますことです。ご遺族から話される場合は遮らずに聞きますが、こちらから説明を求める電話にしません。
また、「たびたび」「重ね重ね」など、不幸が重なることを連想させる重ね言葉は、葬儀の場で避ける表現とされています。具体的な言い換えは、葬儀で使ってはいけない忌み言葉一覧をご覧ください。
「ご冥福」「成仏」「供養」などは宗教によって受け止め方が異なります。相手の宗教・宗派が分からないときは、特定の教義に関わる言葉を重ねず、「心よりお悔やみ申し上げます」と簡潔に伝える方法があります。
よくある質問
訃報を知ったらすぐ電話した方がよいですか
訃報の電話を受けた場合は、その場で短くお悔やみを返します。自分からかける場合は、ご遺族が準備や連絡に追われている可能性があります。関係が深くても、今話せるかを最初に確かめ、難しそうなら改めてください。
留守番電話にお悔やみを残してもよいですか
留守番電話には、名前と「お悔やみをお伝えしたくお電話しました」程度の短い用件に留めます。詳しい事情や故人の情報を録音に残さず、折り返しを求めない言い方にすると負担を減らせます。
亡くなった理由を尋ねてもよいですか
こちらから死因や最期の状況を詳しく尋ねるのは避けます。ご遺族が自分から話された場合は、無理に質問を重ねず、そのお気持ちを聞くことを優先してください。
電話に出ないときは何度かけ直せばよいですか
短時間に何度もかけ直すのは避けます。普段から使っている連絡手段があれば、折り返し不要の短いメッセージを残し、ご遺族の都合を待ってください。
うまく話すより、負担を増やさないことを優先します
電話でのお悔やみは、名乗る、今話せるか確かめる、短く弔意を伝える、必要な用件だけ確認する、長引かせず終える、という順番で十分です。言葉が整っていなくても、死因を尋ねず、相手の時間を奪わない姿勢は伝わります。
お悔やみの伝え方だけでなく、参列、弔電、供花などを含めて事前に整理したい場合は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせから事前相談をご利用ください。ご遺族との関係や案内内容に合わせて確認します。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
