突然の訃報に接し、ご遺族にお悔やみの言葉をかける際、「何と言えばよいのか分からない」「失礼にあたる言葉を使っていないか不安」と感じられる方は少なくありません。特にご家族を亡くされて悲しみに暮れるご遺族の心に寄り添おうとするほど、言葉選びに迷われるものです。
葬儀の場では、「縁起が悪い」「不幸が続く」として使うのを避けるべきとされている「忌み言葉(いみことば)」があります。日常的には何気なく使っている言葉でも、弔事では相手を傷つける可能性があるため注意が必要です。
本記事では、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で数多くのご葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭が、葬儀で使ってはいけない忌み言葉とその言い換え方を一覧形式で分かりやすく解説いたします。
忌み言葉とは何か|葬儀の場で避けるべき理由
忌み言葉とは、葬儀の場で使わないほうがよいとされている言葉のことです。日本には古来より「言霊(ことだま)」という考え方があり、「言葉には霊が宿り、口に出したことは実現する」と信じられてきました。そのため、不吉な言葉や不幸を連想させる言葉を口にすると、それが現実となって繰り返されると考えられてきたのです。
忌み言葉を避けるべき理由は、主に二つあります。ひとつは残されたご遺族を傷つけないためです。大切なご家族を亡くされた悲しみの中で、縁起の悪い言葉を耳にすることは、ご遺族の心をさらに痛めてしまうことにつながります。もうひとつは、社会人としての常識を示すためです。忌み言葉を当たり前のように使用してしまうと、周りから常識のない人と思われる可能性があります。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町でも、ご高齢の方を中心に忌み言葉への配慮を大切にされる方が多くいらっしゃいます。地域のつながりが深い土地柄のため、葬儀の場での言葉遣いには特に気をつけたいところです。
忌み言葉は大きく分けると「重ね言葉」「続き言葉」「死を連想する言葉」「不吉な言葉」「宗教的にそぐわない言葉」の五種類に分類されます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
種類別・忌み言葉の一覧と言い換え方
不幸が重なることを連想させる「重ね言葉」
同じ言葉が繰り返される「重ね言葉」は、不幸が繰り返されるとして忌まれてきました。日常会話でよく使う表現も多いため、つい口をついて出てしまいがちです。
【重ね言葉の一覧と言い換え】
- 重ね重ね → 深く、大変
- くれぐれも → どうぞ、よろしく
- たびたび → よく、しばしば → よく
- ますます → さらに、いっそう
- いよいよ → とうとう、ついに
- またまた → また → さらに
- 返す返す → 本当に、心から
- 次々 → 続けて、多くの
- 日々 → 毎日
「重ね重ねお礼を申し上げます」は「深くお礼を申し上げます」に、「くれぐれもお気をつけください」は「どうぞお気をつけください」と言い換えましょう。
不幸が続くことを連想させる「続き言葉」
同じ言葉の繰り返しではなくても、不幸が続く印象を与える表現は避けます。
- 続いて → 同様に、同じく
- 追って → のちほど、改めて
- 引き続き → これからも
- 再び、再度 → いま一度、改めて
- また → さらに、今一度
- 次に → その後、別の機会に
死を直接連想させる言葉
生死を直接表現する言葉は忌み言葉とされているため、直接的ではなくやわらかな表現にするのが望ましいです。
- 死亡、死ぬ → ご逝去、お亡くなりになる
- 生きていた、生存中 → お元気だった頃、ご生前
- 急死 → 突然のこと、急なご逝去
- 自殺 → ご自身で命を絶たれる
「生きていた頃」という表現も直接的すぎるため、「ご生前」「お元気な時」と言い換えるのが適切です。
不吉な言葉・縁起の悪い表現
直接的ではないものの不幸や死を連想させる言葉は、葬儀の場では避けられています。
- 四(し)、九(く) → 他の言い方に、使用を避ける
- 消える、失う、終わる → 使用を避ける
- 迷う、浮かばれない → 使用を避ける
- とんでもない → 使用を避ける
- 苦しい、つらい、大変 → 使用を避けるか、別の柔らかい表現に
意外かもしれませんが、「大変」もそんな忌み言葉の一つです。「大変でしたね」のように気軽に使ってしまいがちな言葉なので気をつけましょう。4は死に通じ、9は苦に通じるとして使用を控えますので、香典の金額などでも注意が必要です。
宗教・宗派による忌み言葉の違いと注意点
実は忌み言葉は、ご遺族やお寺の宗教・宗派によっても異なります。当地域では菩提寺をお持ちのご家庭が多いため、宗派に応じた配慮が大切です。
仏教(浄土真宗を除く)の場合
仏教の場合、亡くなった方の魂は冥土へと旅立ち成仏するといわれています。そのため、「迷う」「苦しむ」「浮かばれない」など、故人の魂がさまよっていることを想起させる言葉は避けなくてはなりません。
一般的には「ご冥福をお祈りします」という表現が使われますが、浄土真宗では注意が必要です。
浄土真宗の場合
同じ仏教でも浄土真宗では、「亡くなった人はすぐに仏になられる(往生即成仏)」という考え方のため、冥福を祈ったり成仏を願ったりする表現は、厳密には適切ではありません。浄土真宗のご葬儀では、「冥福」「供養」「成仏」といった言葉は避け、「哀悼の意を表します」「お悔やみ申し上げます」という表現を使います。
神道(神式)の場合
神道における葬儀は、亡くなった方の御霊を神として祀る儀式です。「冥福」「成仏」「供養」「往生」などの仏教用語は、神式の葬儀では使用しないようにしましょう。神式では「御霊のご平安をお祈りいたします」などの表現が適切です。
キリスト教の場合
キリスト教の葬儀でも、神道と同様に仏教用語の使用はNGです。またキリスト教の場合、死は「終わりではなく始まり」「神のもとに召される祝福すべきこと」と考えられています。そのため、お悔やみの言葉、ネガティブな表現は使わないようにしましょう。「安らかなお眠りにつかれますように」といった表現を用います。
当地域は仏教のご家庭が大半ですが、宗派によって細かな違いがあります。菩提寺のご住職がいらっしゃる場合は、事前に葬儀社を通じて確認しておくと安心です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での実際のケース
私ども中本葬祭では、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を中心に、年間300件以上のご葬儀をお手伝いしております。その中で、忌み言葉に関する配慮についても、地域ならではの特徴が見えてきます。
当地域は地域コミュニティとのつながりが深く、ご近所の方々もお手伝いにいらっしゃることが多いため、お悔やみの言葉をかける場面も頻繁にあります。特にご高齢の方は忌み言葉への配慮を重んじられる傾向がありますので、基本的な言い換えを知っておくことで、スムーズにお声がけができます。
ただし、過度に忌み言葉を気にしすぎて、かえって何も言えなくなってしまう方もいらっしゃいます。大切なのは、ご遺族を思う気持ちです。葬儀の場では、参列者対応でご遺族は忙しくしています。相手を労りたいために、つい長話をしてしまいたくなるお気持ちはわかりますが、葬儀当日は手短にお悔やみの言葉を伝えるのみにとどめるようにしましょう。
また、当地域では家族葬を選ばれるご家族も増えています。家族葬であっても、菩提寺のご住職にお願いして読経を行っていただくケースが大半です。宗派による言葉の違いについても、ご住職や葬儀社スタッフに確認いただければ、適切なアドバイスをさせていただきます。
よくある質問
忌み言葉を間違って使ってしまったらどうすればいいですか?
もしうっかり忌み言葉を口にしてしまっても、慌てず落ち着いて対応しましょう。多くの場合、ご遺族はあなたの弔意の気持ちを汲み取ってくださいます。深刻に捉えすぎず、次からは気をつければ大丈夫です。
お悔やみの言葉で一番無難な表現は何ですか?
「この度はご愁傷さまでございます」「心からお悔やみ申し上げます」が最も一般的で、どのご宗派でも使える基本的な表現です。迷ったときはこの言葉を覚えておくと安心です。
弔電や手紙でも忌み言葉に注意が必要ですか?
はい、口頭だけでなく文章においても忌み言葉への配慮は必要です。特に弔電や弔辞など公式な場面では、事前に文面をよく確認し、忌み言葉が含まれていないかチェックしましょう。
ご遺族に「頑張ってください」と励ましてはいけませんか?
はい、避けた方がよい表現です。悲しみに暮れるご遺族に対して「頑張ってください」「早く立ち直りましょう」のような安易な励ましはNGです。ご遺族の悲しみに寄り添い、「何かお手伝いできることがあればお声がけください」といった言葉の方が適切です。
故人の死因を尋ねても構いませんか?
故人の死因を尋ねることは、ご遺族の悲しみを助長させてしまうことにつながります。忌み言葉ではありませんが、葬儀の場で尋ねるべきことではありません。ご遺族から話してくださるタイミングを待ちましょう。
まとめ|大切なのは真心と配慮
忌み言葉の一覧と言い換え方について、重ね言葉、続き言葉、死を連想させる言葉、不吉な表現、そして宗教・宗派による違いまで詳しく解説してまいりました。
忌み言葉への配慮は、ご遺族の心を傷つけないための大切なマナーです。しかし、あまり神経質になりすぎて何も言えなくなってしまっては本末転倒です。最も大切なのは、故人を偲び、ご遺族に寄り添おうとする真心です。基本的な忌み言葉を押さえたうえで、簡潔にお悔やみの言葉をかけることが、葬儀の場では最も適切な振る舞いといえるでしょう。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、地域のつながりを大切にされる方が多く、葬儀の場でも多くの方がお悔やみに訪れます。地域の慣習や菩提寺の宗派についても、長年この地域でお手伝いをしてきた葬儀社であれば、適切にアドバイスさせていただくことが可能です。
お見積もり・ご相談は無料です。24時間365日、フリーダイヤル0120-52-4966にて承っております。ご葬儀に関する小さな疑問でも、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、皆さまに寄り添いながら丁寧にご対応させていただきます。
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中本葬祭は、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町に6つの葬儀会場を備え、ご家族の状況に合わせた葬儀をご案内しています。お急ぎの場合は、24時間つながるフリーダイヤルへご連絡ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
