喪主挨拶は、参列へのお礼、生前のご厚情への感謝、故人についての短い一言を伝えれば十分です。お通夜なら1〜2分ほどが目安で、原稿を見ながら話しても問題ありません。このページでは、通夜・告別式・家族葬の例文と、会食や翌日の案内の言い方、挨拶が難しいときの対応をまとめています。
ここでご紹介する例文や進め方は、全国で一般的な形です。葬儀の作法は地域やご家庭によって異なり、ある地域で当たり前のことが、別の地域では違うこともあります。「こうした形もある」という参考としてご覧いただき、迷われたときは菩提寺や葬儀社にご確認ください。
喪主が挨拶する場面と長さ
お通夜では、僧侶の読経と焼香が終わったあと、参列者が着席している場で喪主が挨拶をします。通夜振る舞い(会食)がある場合は、その前に挨拶をして、席へご案内する流れになります。長さは1〜2分程度で足ります。告別式で挨拶する時機は式の進行によって変わるため、当日の担当者に確認してください。
場面ごとに、挨拶の中心になる内容は次のように変わります。
| 場面 | 中心になる内容 | 必要に応じて添えること |
|---|---|---|
| お通夜 | 参列へのお礼、生前のご厚情への感謝 | 会食の案内、翌日の葬儀の案内 |
| 告別式 | 会葬へのお礼、生前のご厚情への感謝 | 残された家族への変わらぬお付き合いのお願い |
| 家族葬 | 集まってくれたことへのお礼 | 生前のお付き合いへの感謝 |
受付から閉式までのお通夜全体の進み方は、お通夜の流れと所要時間をご覧ください。
喪主挨拶の組み立て
次の順に並べると、短くても自然な挨拶になります。すべてを入れる必要はなく、場面に合わないものは省いてかまいません。
- 参列していただいたことへのお礼
- 名乗り(「長男の〇〇です」のように故人との続柄を添える)
- 故人が生前お世話になったことへの感謝
- 故人の人柄や思い出を一言
- 会食や翌日の葬儀の案内、今後のお付き合いのお願い
- 結びのお礼
お通夜の喪主挨拶の例文
通夜の終わりに述べる短い例文
本日はご多用のところ、父〇〇の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございます。生前に皆様から賜りましたご厚情に、家族一同、心より御礼申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
会食(通夜振る舞い)を案内する場合
本日はお忙しいなか、亡き父〇〇のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。私は長男の〇〇と申します。父は皆様に温かく支えていただき、〇〇歳の生涯を全うすることができました。生前のご厚誼に、心より感謝申し上げます。ささやかではございますが、別室に席を用意しております。お時間の許す方は、父の思い出をお聞かせいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。
通夜振る舞いをしない場合
会食を設けないときは、案内の部分を省き、お礼で締めくくります。
本日はお忙しいなか、父〇〇の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございました。本日はこれにて閉式とさせていただきます。
翌日の葬儀を案内する場合
本日はお忙しいなかお越しいただき、ありがとうございました。明日の葬儀は午前〇時より、この会場で執り行います。何卒よろしくお願い申し上げます。
日時や会場は、実際の予定に合わせて言い換えてください。
告別式の喪主挨拶の例文
本日はご多用のなか、母〇〇の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。母が生前、皆様から温かいお力添えをいただきましたことに、家族一同、深く感謝しております。残された私どもにも、変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
告別式の前に火葬を済ませた場合
告別式より先に火葬と収骨を終えている場合は、そのことに触れる言い方にします。
本日は早朝よりお集まりいただき、誠にありがとうございます。皆様のお力添えにより、無事に収骨を終え、こうして葬儀を執り行うことができました。生前に賜りましたご厚情に、心より御礼申し上げます。
火葬と告別式のどちらが先になるかは、地域や日程によって変わります。実際の進行に合わせて、火葬や収骨に触れる部分を調整してください。
家族葬の喪主挨拶の例文
本日は父〇〇のためにお集まりいただき、ありがとうございます。身近な皆様に見守っていただき、父も喜んでいることと思います。生前のお付き合いに、家族一同、心より感謝申し上げます。
挨拶に加えるとよい内容
故人の人柄や思い出
仕事、趣味、家族との時間、地域での活動など、故人らしさが伝わる出来事を一つ加えると、自然な挨拶になります。「釣りが好きで、休みの日にはよく海へ出かけておりました」くらいの一言で十分です。長い経歴をすべて紹介する必要はなく、声が詰まりそうなら省いてもかまいません。
地域の方やご近所への感謝
新宮市、那智勝浦町、太地町、紀宝町では、近隣や地域の方が参列される場合があります。実際にお世話になっていた場合は、「地域の皆様からのお力添えに、心より感謝申し上げます」などを加えられます。誰にお礼を述べるかはご家族で決めてよく、無理に加える必要はありません。
挨拶が難しいとき
悲しみが深く、人前で話せる状態にないときは、喪主ご本人が無理に挨拶をする必要はありません。
| 困ったとき | 対応 | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 喪主が話せる状態にない | 配偶者、兄弟姉妹、子など親族が代わりに挨拶する | 「喪主である〇〇に代わりまして、私からご挨拶申し上げます」 |
| 親族も挨拶が難しい | 司会を務める葬儀社のスタッフが、喪主のお名前でお礼の言葉を代読する | 事前に担当者へ伝えておく |
| 涙で言葉が続かない | 深呼吸して落ち着いてから続けるか、そこで挨拶を終える | 「申し訳ございません。本日は誠にありがとうございました」 |
| 言葉を忘れそうで不安 | 原稿やメモを見ながら読む | 読み上げで問題ありません |
中本葬祭でも、ご事情に応じて喪主様のお名前でのお礼の代読をお引き受けしています。
避けたい内容と言葉
参列者への批判、家族内の事情、確認できていない死因や経緯などは、挨拶に含めないほうが安全です。
弔事では、「重ね重ね」「たびたび」「再び」のような重ね言葉や、「消える」「落ちる」のような直接的な表現を避けるのがマナーとされています。ただ、忌み言葉を恐れすぎる必要はありません。言い間違えても、参列者は温かく受け止めてくださいます。言い換え方は忌み言葉一覧にまとめています。
宗派が分からないときの言葉選び
「生前のご厚情に感謝申し上げます」のように、お礼と感謝を中心にした言葉は宗派を問わず使えます。特定の教えを前提とする言葉に迷う場合は、感謝を中心に組み立ててください。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町で葬儀をする場合
ここからは、中本葬祭がお手伝いしている4市町で、挨拶や当日の段取りに関わることです。
この地域で多いとされる宗派は、次のとおりです。
| 市町 | 多いとされる宗派 |
|---|---|
| 那智勝浦町 | 臨済宗 |
| 新宮市 | 曹洞宗 |
| 紀宝町 | 曹洞宗 |
作法は宗派によって異なります。ただし、必ずこの宗派というわけではなく、菩提寺やご家庭によって違います。進め方で迷う点は、菩提寺や葬儀社に確認してください。
また、この地域では以前、告別式の日の朝に火葬を行い、お骨になった状態で告別式を執り行う形が一般的でした。今は告別式のあとに火葬する形が少しずつ広がっていますが、ご希望により、あるいは火葬場の混み具合で、告別式の朝に火葬することもあります。今は両方の形がある移行期で、どちらが正しいということはありません。
遠方から戻られるご家族は、告別式に間に合うように帰っても、すでに火葬が済んでいることがあります。火葬に立ち会いたい場合は、早めに日程を確認してください。この地域の葬儀で確認しておきたい点は、新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町の葬儀で確認したいことでもご案内しています。日程や進め方が分からないときは、24時間つながるフリーダイヤル 0120-52-4966へお電話ください。
よくある質問
挨拶で故人のエピソードは必ず話さなければいけませんか?
必ずしも話す必要はありません。詳しく語るのが難しい場合は、参列へのお礼と感謝の言葉だけで十分です。短い挨拶でも失礼にはあたりません。
喪主以外の家族が挨拶をしてもよいのでしょうか?
問題ありません。喪主の体調やお気持ちによっては、配偶者や子など親族が代わりに挨拶をしてかまいません。その際は冒頭で「喪主に代わりまして」と一言添えてください。
挨拶のときにメモや原稿を見てもよいですか?
メモや原稿を見ながら挨拶をしても問題ありません。緊張や悲しみで言葉が出てこないこともあるため、手元に要点を書いておくと安心です。
通夜振る舞いをしない場合、挨拶ではどう伝えればよいですか?
「本日はこれにて閉式とさせていただきます」と述べ、お礼で締めくくれば十分です。通夜振る舞いをするかどうかは、地域やご家庭の判断によります。
まとめ
喪主挨拶は、参列へのお礼と生前のご厚情への感謝を中心に、短くまとめられます。通夜では会食や翌日の案内を、告別式では今後のお付き合いのお願いを、実際の予定に合わせて添えてください。話すのが難しいときは、親族の代理や葬儀社による代読も選べます。
中本葬祭では、実際の進行やご家族の状況に合わせて、挨拶文の作成もお手伝いしています。挨拶の言葉や当日の進め方を、落ち着いているうちに確かめておきたい方は、事前相談もご利用ください。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町の葬儀相談
中本葬祭は、新宮市、那智勝浦町、太地町、紀宝町で6つの葬儀会場を運営し、ご家族の状況に合わせた葬儀をご案内しています。お急ぎの場合は、24時間つながるフリーダイヤルへご連絡ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
