中本葬祭ブログ

戒名と法名の違い|宗派ごとの呼び方と確認したいこと

2026/09/07

戒名と法名の違いを確認するため白紙の記録用紙と資料を静かに整えたイメージ画像

葬儀や法要の準備で「戒名」と「法名」という言葉を見かけると、同じものの別名なのか、内容まで違うのか迷うことがあります。結論からいうと、どちらも仏教徒として授けられる名前に関わる言葉ですが、用いる名称や考え方は宗派によって異なります。

そのため、「亡くなった人には戒名を付けるもの」と一律に考えたり、インターネット上の例をもとに家族だけで表記を決めたりせず、まず宗派と菩提寺を確認することが大切です。

この記事では、全国に共通する基礎知識として、曹洞宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派の公式案内をもとに違いを整理します。実際の授与や表記、儀礼は寺院やご家庭の状況によって異なるため、最終的には菩提寺へご確認ください。

戒名と法名は宗派によって呼び方が異なります

「戒名」と「法名」は、文字だけを入れ替えた同義語として扱うより、宗派の教えと結び付いた名称として理解する必要があります。

各宗派の公式案内を確認すると、次のように整理できます。

宗派公式案内での呼び方確認の要点
曹洞宗戒名仏の教えを受け、仏教徒となった人に授けられる名前として説明されています
浄土真宗本願寺派法名帰敬式を受けた人に授けられる名前として案内されています
真宗大谷派法名帰敬式で「釋」または「釋尼」の法名を授かると案内されています

この表は、すべての宗派や寺院の運用を網羅するものではありません。曹洞宗以外の宗派でも戒名という言葉は用いられ、浄土真宗でも具体的な表記や手続きは所属寺院への確認が必要です。

戒名は戒を受けた仏教徒の名前として説明されます

曹洞宗の公式FAQでは、戒名を、仏の戒めを受けて仏教徒となった人に授けられる名前と説明しています。ここで大切なのは、戒名を単に「亡くなった後に付ける名前」とだけ考えないことです。

生前に授かる場合もあれば、葬儀に際して相談する場合もあります。いつ、どのような儀礼を通じて授かるのかは、宗派と寺院によって異なります。

また、戒名の文字数、院号などの有無、表記は、ご家族が価格表だけを見て決めるものではありません。費用や位階について調べたい方は、戒名のランクと料金相場を解説をご覧いただき、実際の対応は菩提寺へ確認してください。

浄土真宗では法名という呼び方を用います

浄土真宗本願寺派は、帰敬式を受けた人に法名が授与されると案内しています。真宗大谷派も、帰敬式で法名を授かることを案内し、「釋」または「釋尼」の文字を用いると説明しています。

真宗大谷派の公式案内では、戒を受ける「受戒」がない浄土真宗では戒名ではなく法名と呼ぶことも明示されています。したがって、浄土真宗のご家庭で「戒名をお願いします」と相談する前に、所属する宗派と寺院を伝え、「法名について確認したい」と尋ねるほうが正確です。

帰敬式は、亡くなった後だけを対象にしたものではありません。両派とも、生前に仏弟子としての名を授かる機会を案内しています。すでに法名を授かっている可能性がある場合は、法名を記した書類や過去の記録を探し、葬儀社と菩提寺へ共有します。

「戒名か法名か」を確認する順番

呼び方や表記が分からないときは、次の順番で確認すると、取り違えを防ぎやすくなります。

  1. 実家や親族に宗派と菩提寺を確認する
  2. 仏壇、位牌、過去帳、法名・戒名を記した書類を探す
  3. 菩提寺へ、本人が生前に授かっている名前や帰敬式の記録がないか尋ねる
  4. 葬儀や法要で使う正式な表記を、一文字ずつ確認する
  5. 確認した表記を葬儀社、石材店、墓地管理者など必要な関係先だけに共有する

宗派が分かっても、寺院への確認を省かないことが重要です。同じ宗派でも、寺院やご家庭の関係、これまでの経緯によって必要な確認事項は変わります。

位牌や墓石へ記す前に表記を照合します

戒名や法名は、位牌、過去帳、墓誌、法要の案内などに記されることがあります。一度作製した位牌や墓石の文字を直すには時間と費用がかかるため、口頭だけでなく、書面や写真でも照合します。

確認したいのは、次の点です。

  • 戒名または法名の正式な文字
  • 旧字体や異体字の有無
  • 「釋」「釋尼」などの表記
  • 故人の俗名と命日
  • 位牌を作るかどうか
  • 墓石や墓誌へ追加彫刻するかどうか

浄土真宗では位牌を用いない場合があるなど、仏具の整え方にも宗派差があります。すでに家にある仏具だけを根拠に判断せず、菩提寺へ確認してください。

菩提寺が分からない場合は先に手がかりを集めます

菩提寺が分からない状態では、戒名や法名の依頼先を決める前に、親族、仏壇、位牌、過去帳、お墓、過去の葬儀資料を確認します。納骨先が寺院墓地の場合は、墓地管理者へ連絡先を確認できることもあります。

すぐに特定できなくても、宗派を推測して別の寺院へ依頼するのは避けます。菩提寺との関係や納骨先の規則によっては、その後の法要や納骨に影響する可能性があるためです。戒名を付けない葬儀はできるかでも、菩提寺と納骨先を先に確認する考え方を説明しています。

よくある質問

戒名と法名は同じ意味ですか?

どちらも仏教徒として授けられる名前に関わりますが、単なる言い換えとは限りません。宗派の教えによって名称が異なり、浄土真宗では法名と呼びます。ご家庭の宗派と菩提寺を確認してください。

戒名や法名は亡くなった後に授かるものですか?

亡くなった後だけとは限りません。宗派によっては、生前に儀礼を受けて授かる機会があります。本人がすでに授かっていないか、書類や菩提寺の記録を確認します。

家族が希望する文字を入れてもらえますか?

希望を相談できる場合はありますが、授与する寺院の考え方や宗派の決まりがあります。使用できる文字を家族だけで判断せず、菩提寺へ相談してください。

宗派や菩提寺が分からないときはどうすればよいですか?

親族、仏壇、位牌、過去帳、お墓、過去の葬儀資料を順に確認します。分からないまま宗派を推測して依頼せず、手元の記録を持って地域の葬儀社へ相談してください。

まとめ

戒名と法名は、どちらも仏教徒として授けられる名前に関わりますが、用いる宗派と考え方が異なります。曹洞宗の公式案内では戒名、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派では法名という名称が使われています。

大切なのは、呼び方だけでなく、本人がすでに授かっているか、正式な文字は何か、位牌や墓石へどう記すかを菩提寺と確認することです。全国の一般論だけで決めず、宗派、寺院、ご家庭の伝統を優先してください。

中本葬祭では、葬儀の事前相談の段階から、菩提寺の有無や宗派、手元にある記録を一緒に整理できます。戒名・法名の授与そのものは寺院へご相談いただきますが、葬儀や納骨までに何を確認すればよいか分からない場合は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせからご連絡ください。

出典

確認日:2026年9月7日

  • 曹洞宗「よくあるご質問」
  • https://www.sotozen-net.or.jp/sotofaq
  • 浄土真宗本願寺派「仏事奨励」
  • https://www.hongwanji.or.jp/jiin/shourei.html
  • 浄土真宗本願寺派「宗法」
  • https://www.hongwanji.or.jp/info/doc/06_shuhou.pdf
  • 真宗大谷派「葬儀・法事・お墓のこと」
  • https://www.higashihonganji.or.jp/teachings/sogi-hoji-ohaka/
  • 真宗大谷派「帰敬式」
  • https://www.higashihonganji.or.jp/application/kikyoshiki/
  • 中本葬祭 公式サイト
  • https://nakamoto.jp/

この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

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