2026年6月、成年後見制度の見直しを含む改正法が成立・公布されました。「後見や保佐がなくなるなら、今すぐ申立てを待つべきか」「現在の後見人はどうなるのか」と迷うご家族もいらっしゃいます。結論からいうと、2026年9月12日時点では見直し部分の施行日はまだ決まっておらず、現行制度が続いています。ニュースの見出しだけで現在の手続きを止めず、必要性と相談先を整理することが大切です。
この記事は全国向けの一般情報です。成年後見の必要性や申立て、権限の範囲は個別事情で異なります。具体的な判断は管轄の家庭裁判所、司法書士、弁護士などへ確認してください。
法定後見の「後見」「保佐」を「補助」へ一元化します
法務省によると、2026年6月17日に成立し、同月24日に公布された改正法は、法定後見の後見・保佐を廃止し、補助の制度へ一元化する内容です。本人に必要な範囲で制度を利用できるようにすることが見直しの柱です。
現在と施行後の大きな違いを、法務省が公表している範囲で整理します。
| 確認点 | 現在の法定後見 | 改正法の施行後 |
|---|---|---|
| 制度の類型 | 後見・保佐・補助の3類型 | 補助の制度へ一元化 |
| 支援の範囲 | 類型に応じて権限が定まる | 本人に必要な範囲の利用を基本とする |
| 施行時期 | 現在の制度が適用される | 公布から2年6か月以内の政令で定める日 |
| 利用中の方 | 現在の審判内容で利用 | 原則として現行法の内容で継続でき、新制度への移行申立ても可能 |
「補助へ一元化」といっても、すべての方へ同じ権限を一律に付けるという意味ではありません。本人の状態と必要な支援に合わせ、同意権・取消権・代理権などの範囲を個別に定める方向です。
施行日はまだ決まっていません
成年後見制度の見直し部分は、2026年6月24日の公布日から2年6か月を超えない範囲で、政令により施行日が決まります。2026年9月12日時点で、法務省の案内に具体的な施行日は示されていません。
そのため、「来月から後見が使えない」「今から申立てをするとすぐ補助へ変わる」といった理解は正確ではありません。現在の申立てや利用中の手続きについては、現行の裁判所案内を確認します。施行日や申立書式は今後更新される可能性があるため、古い記事や動画だけで判断しないでください。
現在利用中の方は原則として現行制度を継続できます
衆議院法務委員会での政府説明では、施行日前から後見または保佐を利用している方は、基本的に現行法の内容で利用を継続できるとされています。そのうえで、新しい補助制度へ移行したい場合は、新制度の申立てをして移行し、従来の後見・保佐を終了できる仕組みです。
ただし、誰がどの時点で移行を申し立てるか、現在の権限が個別事件でどう整理されるかは、それぞれの審判内容と今後の案内を確認する必要があります。「自動的に全員が補助へ切り替わる」「現在の後見人が直ちに役割を失う」とは考えないでください。
家族が今確認する4つの順番
制度改正のニュースを見たときは、次の順番で整理すると、将来の変更と現在必要な支援を混同しにくくなります。
- 本人が今困っていることを具体化する
預貯金、不動産、施設入所、医療・介護契約など、どの場面で支援が必要かを書き出します。「認知症だから後見」と病名だけで決めず、本人の意思と実際の困りごとを分けて確認します。 - 現在の制度で急ぐ必要があるか確認する
財産被害、支払い、契約、住まいの確保など、先送りによる不利益がある場合は、施行日を待つ前に家庭裁判所や専門家へ相談します。 - 利用中なら審判書と登記事項を確認する
後見人・保佐人へ、現在の権限、定期報告、進行中の手続き、新制度の情報をどこで確認するかを尋ねます。 - 施行日の公表後に最新様式を確認する
法務省と裁判所の公式案内で、施行日、経過措置、申立書式、相談窓口を確認します。個別判断は管轄の家庭裁判所や有資格者へ相談します。
後見、終身サポート、死後事務は役割が異なります
成年後見制度は、本人が生きている間の法律行為や財産管理などを支援する制度です。身元保証や生活支援を組み合わせた民間の終身サポート、亡くなった後の事務を依頼する死後事務委任とは役割が異なります。名称が似ていても、契約範囲、費用、解約条件、預託金の管理を別々に確認してください。詳しくは、終身サポートサービスを選ぶ前の確認事項で整理しています。
家族で将来の希望を話すときは、財産管理だけでなく、医療・介護、連絡先、葬儀の希望も別項目として記録すると確認しやすくなります。会話の始め方は、親と葬儀の希望を話すときの確認順をご覧ください。相続開始後の協議とは制度が異なるため、遺産分割協議書の基本とも混同しないようにします。
よくある質問
後見と保佐はもう利用できないのですか
いいえ。2026年9月12日時点では改正法の見直し部分は未施行で、現在の後見・保佐・補助の制度が続いています。必要な申立てをニュースだけで延期せず、家庭裁判所や専門家へ確認してください。
新制度はいつ始まりますか
公布日の2026年6月24日から2年6か月以内の範囲で、政令により施行日が定められます。2026年9月12日時点では具体的な日は未確定です。
現在の成年後見人は自動的に補助人へ変わりますか
自動的に全員が切り替わるとは案内されていません。政府説明では、施行日前から後見・保佐を利用している方は原則として現行法の内容で継続でき、新制度へ移る場合は申立てを行う仕組みです。個別事件は家庭裁判所へ確認してください。
中本葬祭へ法律相談を依頼できますか
中本葬祭は法律判断を行う窓口ではありません。成年後見の申立てや権限は家庭裁判所、司法書士、弁護士などへご相談ください。葬儀の希望や緊急連絡先など、将来の準備に関する事前相談は中本葬祭で整理できます。
施行前の今は、現在の必要性を優先します
今回の改正では、法定後見の後見・保佐を補助へ一元化し、本人に必要な範囲で利用できる制度へ見直します。ただし施行日は未確定で、現在は現行制度が適用されます。利用中の方は原則継続できるため、報道だけで手続きを止めたり、契約を変更したりせず、公式情報と個別の審判内容を確認してください。
成年後見の法律判断は家庭裁判所や有資格者へご相談ください。ご家族の連絡先、葬儀の希望、事前に共有しておきたいことは、中本葬祭の資料請求・お問い合わせから事前相談いただけます。
出典
- 法務省「『民法等の一部を改正する法律』(成年後見及び遺言の制度の見直し)について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00410.html - 衆議院「第221回国会 法務委員会 第11号」
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000422120260520011.htm - 裁判所「後見ポータルサイト」
https://www.courts.go.jp/saiban/koukenp00/index.html
出典確認日:2026年9月12日
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
