「昔は丑の日に葬式をしなかった」と聞き、日程を決める前に不安になる方がいらっしゃいます。中本葬祭が代表の実務経験を記録した地域慣習資料によると、那智勝浦町周辺では、かつて丑の日に葬儀を避ける慣習がありました。しかし近年は全く見られなくなっており、現在の葬儀日程で守るべき地域の決まりではありません。
昔の言い伝えを大切にしたい気持ちと、現在の火葬場・菩提寺・ご家族の都合は分けて考えられます。慣習に合わせることを一律の正解とせず、ご家族の意向を優先して日程を決めてください。
丑の日を避ける慣習は、かつて実際にありました
この地域では、かなり昔に、友引とは別に丑の日の葬儀を避ける慣習がありました。中本葬祭の地域慣習記録では、近年はこの慣習が全くなくなったと確認しています。
現在の状況と、混同されやすい三隣亡を整理すると次のとおりです。
| 暦の言葉 | この地域で確認できる実情 | 現在の考え方 |
|---|---|---|
| 丑の日 | かつて葬儀を避ける慣習があった | 近年は残っておらず、一律に避ける必要はない |
| 三隣亡 | 葬儀を避ける言い伝えは確認されていない | この地域の葬儀慣習ではありません |
「昔からそうしていた」と聞いても、どの暦注を指すのか、今も家族が気にしているのかは別です。言葉だけで判断せず、話した方へ具体的な日と理由を尋ねると、家族内の行き違いを減らせます。
由来には諸説があり、農耕と牛に結びつける説があります
丑の日を避けた理由には諸説があり、定説は確認できていません。中本葬祭の代表が実務経験から有力と考えているのは、かつてこの地域に農家が多く、田畑を牛で耕していた暮らしと結びついたという説です。「丑」と「牛」を重ね、「牛に引かれる」という語呂合わせから避けるようになったのではないか、という見立てです。
これは地域の葬儀社による経験上の解釈であり、学術的に立証された由来ではありません。深い宗教的意味が確定しているように書いたり、他の説を否定したりすることはできません。昔の暮らしの中で生まれた言い伝えの一説として受け止めてください。
三隣亡はこの地域の葬儀を避ける日として確認されていません
中本葬祭の地域慣習記録では、「三隣亡の日は葬儀を避ける」という慣習は、新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町周辺では確認されていません。
ただし、三隣亡を大切にしている親族の気持ちまで否定する必要はありません。暦を気にする方がいる場合は、その希望を早めに共有し、火葬場や菩提寺の予定と一緒に調整します。「気にするのが間違い」「必ず避けるべき」と、どちらかを正解にしないことが大切です。
現在の日程は4つの順番で確認します
現在の葬儀日程は、昔の暦だけで決めず、実際に手配できる条件とご家族の希望を順に確認します。
- ご家族の希望を確認する
お顔を見てお別れしたい方の到着、仕事や介護、学校、移動時間などを確認します。昔の慣習を気にする親族がいれば、その意向もここで共有します。 - 菩提寺・宗教者の予定を確認する
読経や儀礼を依頼する場合は、家族だけで日を確定する前に予定と進め方を尋ねます。 - 火葬場と会場の空きを確認する
希望日だけでなく、火葬の時刻、通夜・葬儀の順序、会場の準備時間まで葬儀社と確認します。新宮市周辺では骨葬の歴史があり、火葬と葬儀の順序が一つではありません。 - 参列者へ確定情報を伝える
日程、会場、集合時刻、香典や供花の辞退など、決まった情報だけを案内します。未確定の内容を慣習として伝えないようにします。
暦と葬儀日程の一般的な考え方は、一粒万倍日と葬儀の日程でも整理しています。遠方に住む子ども世代は、親が新宮市周辺で亡くなったときに到着までにすることも確認しておくと、日程と移動を分けて考えられます。
なくなった慣習を現在の決まりにしません
地域の葬儀慣習は、暮らし方や会場の変化とともに変わります。丑の日を避ける慣習も、現在の準備事項として残ってはいません。過去の習慣を紹介するときは、今も行われていると誤解させないことが重要です。
同じように、出棺で茶碗を割る習慣も、現在はほぼ行われなくなった地域の風習です。昔の作法を再現する必要があるという意味ではなく、地域でどのように見送り方が変わってきたかを知る材料としてご覧ください。
葬儀には、地域の慣習やご家庭の考えが今も関わることがあります。資料に答えがないことを一般論で埋めず、分からない場合は菩提寺や中本葬祭へご確認ください。最終的には、周囲の例よりも、ご家族がどのように見送りたいかを優先します。
よくある質問
今も丑の日は葬儀を避けますか
中本葬祭が確認している新宮市周辺の実情では、丑の日を避ける慣習は近年なくなっています。ご家族に気にする方がいる場合は、その気持ちを共有したうえで、菩提寺、火葬場、会場の予定と調整してください。
丑の日を避けた理由は宗教上の決まりですか
宗教上の決まりとして確認されたものではありません。由来には諸説があり、この地域の農耕と牛、「牛に引かれる」という語呂合わせに結びつける説がありますが、代表の経験上の見立てであり定説ではありません。
三隣亡の日も葬儀を避けますか
この地域では、三隣亡を理由に葬儀を避ける慣習は確認されていません。ただし暦を気にするご家族がいる場合は、その意向を否定せず、日程を決める前に共有してください。
日程を決める前に何を確認すればよいですか
ご家族の希望、菩提寺・宗教者の予定、火葬場と会場の空き、火葬と葬儀の順序を確認します。中本葬祭の6会場の案内もご覧いただき、個別の日程は担当者へご相談ください。
昔の言い伝えと今の日程を分けて考えます
新宮市周辺では、かつて丑の日に葬儀を避ける慣習がありましたが、現在は残っていません。由来も諸説の一つとして扱い、今の葬儀日程はご家族の意向、菩提寺、火葬場、会場の条件から決めます。
親族から昔の慣習を聞き、どこまで日程へ反映すればよいか迷う場合は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせから事前相談ください。地域の実情とご家族の希望を分けて整理します。
出典
- 中本葬祭「地域の慣習」代表確認記録(丑の日・三隣亡、2026年9月7日確認。社内資料)
- 中本葬祭「今さら聞けない葬儀の意味や目的とは?」
https://nakamoto.jp/osousiki-manner2/sougi-imi-mokuteki/ - 中本葬祭「一粒万倍日と葬儀の日程|暦より優先したい確認事項」
https://nakamoto.jp/osousiki-qa/ichiryuu-manbainihi-engimono/
出典確認日:2026年9月12日
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
