中本葬祭ブログ

出棺前に松明を焚いた習わし|新宮市周辺で今は行われない葬送作法

昔の自宅葬の出棺前を静かに想起させる玄関先の夕景イメージ画像

新宮市周辺では、かつて自宅から出棺する際、玄関などで松明を焚く習わしがありました。一部の地域では、葬儀後に墓地へ向かう入口でも松明を用いたと伝えられています。ただし、これは現在の葬儀で行う作法ではありません。

今はほぼ行われなくなった過去の習わしです。

松明を焚いたのは自宅から出棺する場面です

松明を焚いたのは自宅の玄関などから故人を送り出すときです。

また、すべての地域で同じ形だったわけではありません。墓地の入口で松明を用いたのは一部の地域です。どの家庭でも必ず行った、現在も行う必要がある、という意味ではありません。

確認する点かつての実情現在
自宅の玄関など出棺時に松明を焚く習わしが広くあったほぼ行われていない
墓地の入口一部の地域で松明を用いたほぼ行われていない
家族の判断地域の流れの中で行われた再現する必要はなく、ご家族の意向を優先する

地域の慣習は、行っていた家庭と行っていない家庭があります。昔の形に沿わないことを気にしたり、現在の葬儀で再現したりする必要はありません。

出棺から納骨までを一日で行う流れの中にありました

この地域では、以前は葬儀の日の朝に火葬し、お骨の状態で葬儀を行う「骨葬」が多くありました。お寺や地域の集会所、自宅で葬儀を行い、そのまま墓地へ向かって、当日中に納骨まで済ませる形です。

出棺時の松明と、墓地の入口で用いた松明は、こうした一日の流れの中にありました。現在は葬儀式場で行う形が中心となり、告別式当日に納骨まで済ませる方もほぼいなくなりました。習わしが行われなくなった背景には、自宅葬の減少、会場の変化、当日納骨の減少が重なっていると、中本葬祭では考えています。

火葬を葬儀の前に行う形と、葬儀の後に行う形の違いは、火葬は葬儀の後か先かで詳しく説明しています。現在も順序はご家庭、火葬場、菩提寺、式場の予定によって異なるため、どちらか一方だけが正しいわけではありません。

由来には諸説があり、断定できません

松明を焚いた理由については、送り火に近い考え方だったのではないかという見方があります。ただし、これは私たちの経験から述べた見立てで、学術的に確認された定説ではありません。地域や家庭によって別の説明が伝わっている可能性もあります。

そのため、「故人をこのように導くためだった」と一つの由来を正解として書くことはできません。由来よりも、どの場面で行われ、現在はどうなっているかを分けて伝える方が実情に合います。

同じく今は行われなくなった習わしには、出棺で茶碗を割る風習や、墓地へ向かう前に右回りに3回まわる習わしがあります。いずれも、現在のご家族へ昔の作法を求めるためではなく、地域でどのように葬送が変わってきたかを記録するものです。

今の葬儀では松明を準備する必要はありません

現在の葬儀で「地域の作法だから松明を用意しなければならない」と考える必要はありません。現代では、出棺時の松明はもう行われなくなったと言って差し支えない習わしです。

親族から昔の作法を聞いた場合も、言われたとおりに再現するのではなく、いつ、どの地区で、どの場面だったのかを確かめます。火や煙を伴う行為は、安全面と施設の管理上、独自に行わないでください。

よくある質問

新宮市周辺では今も出棺時に松明を焚きますか

現在は行われていません。かつて自宅から出棺するときに見られた過去の習わしです。

どの家庭でも行っていた習わしですか

一律ではありません。自宅の玄関などで広く行われた一方、墓地の入口で用いたのは一部の地域です。家庭や地区による違いがあります。

なぜ松明を焚いたのですか

送り火に近い考え方だったのではないかという説はありますが、定説ではありません。諸説があるため、由来を一つに断定できません。

親族から松明を用意するよう言われたらどうすればよいですか

現在の葬儀で一般に行う作法ではありません。いつ、どの地区、どの場面の話かを確認し、火を使う前に葬儀社と施設へ相談してください。

過去の習わしと、現在の葬儀を分けて考えます

出棺時の松明は、自宅葬と当日納骨が一続きだった頃の流れの中にありました。現在は会場も葬儀の順序も変化し、この習わしは行われていません。昔の話を聞いたときは、現代の作法としてそのまま受け取らず、時代と場面を確認することが大切です。

葬儀には、今も残る慣習と、すでに行われなくなった習わしがあります。新宮市、那智勝浦町、太地町、紀宝町での現在の進め方が分からない場合は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせから事前相談をご利用ください。ご家族の意向を優先し、菩提寺や式場の予定も含めて確認します。

出典・確認記録

出典確認日:2026年9月23日

この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

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