中本葬祭ブログ

生前葬とは?費用の考え方と家族で確認したいこと

2026/10/07

生前葬の内容を家族で相談するために整えた明るい会場と白い花のイメージ画像

生前葬は、本人が元気なうちに家族や親しい方を招き、これまでの感謝やお別れの気持ちを自分の言葉で伝える場です。決まった式次第や一律の費用相場がある行事ではないため、まず「誰に、何を伝えたいか」を決め、家族と死後の対応まで話し合っておくことが大切です。

ここでご紹介するのは全国向けの一般的な考え方です。生前葬の内容や、亡くなった後に行う葬儀・宗教儀礼は、地域、宗教・宗派、ご家庭によって異なります。実施を決める前に、ご家族、菩提寺、葬儀社へ確認してください。

結論|生前葬は「生きている間の感謝の場」です

この記事では、本人が生前に主催し、感謝や節目の気持ちを伝える集まりを「生前葬」と呼びます。一般の葬儀のように法律で決められた形式があるわけではなく、会食、挨拶、写真や映像の紹介、参加者との歓談など、目的に合わせて内容を組み立てます。

一方で、生前葬は、葬儀の事前相談や生前契約、亡くなった後の行政手続きとは別のものです。違いを先に整理すると、家族との認識を合わせやすくなります。

項目行う時期主な目的
生前葬本人が生きている間本人が感謝や節目の気持ちを直接伝える
葬儀の事前相談・生前契約本人が生きている間亡くなった後の葬儀内容、費用、連絡先などを決める
亡くなった後の葬儀・手続き死亡後ご家族が故人を見送り、死亡届や火葬などを進める

生前葬を行っただけで、死亡届や火葬許可などが不要になるわけではありません。死後の葬儀や宗教儀礼をどのようにするかも、自動的には決まりません。

生前葬の内容は、目的から決めます

形式から考え始めるより、本人が何を伝えたいのかを明確にすると、必要な会場や進行が見えてきます。次の順で整理すると、準備を進めやすくなります。

  1. 生前葬を行いたい理由を言葉にする
  2. 招きたい方と、お知らせだけにする方を分ける
  3. 本人の挨拶、歓談、会食など、必要な内容を決める
  4. 家族が担当することと、会場や事業者へ頼むことを分ける
  5. 生前葬後の付き合い方と、死後の連絡・葬儀方針を確認する

「お別れの場」に限定せず、長寿や退職など人生の節目として感謝を伝える形も考えられます。ただし、招待された方が戸惑わないよう、案内状では趣旨、服装、会費や贈り物の扱いを明記します。

費用は総額の相場ではなく、項目ごとに見積もります

生前葬は内容の自由度が高く、招待人数や会場、会食の有無で必要な費用が大きく変わります。根拠が明示されていない一律の相場だけで判断せず、次の項目を分けた見積もりを確認してください。

  • 会場使用料と時間延長の条件
  • 飲食、返礼品、案内状など参加人数で変わる費用
  • 司会、音響、写真・映像、装花など演出に関する費用
  • 設営、撤去、運営スタッフに関する費用
  • キャンセルや人数変更の期限と追加料金

予算を先に決め、必ず実現したい内容と、予算に応じて省ける内容を分けておくと判断しやすくなります。見積書では「一式」の内訳と、追加になり得る項目も確認します。

香典・会費・贈り物の扱いを案内状で明確にします

生前葬へ招かれた方が迷いやすいのが、香典や贈り物を用意するかどうかです。主催者側で、会費制にするのか、贈り物を辞退するのか、服装は平服でよいのかを決め、案内状に分かりやすく記載します。

宗教儀礼を伴う場合は、一般の会食と同じ案内だけでは足りないことがあります。菩提寺など宗教者へ相談し、表現や当日の流れを確認してください。宗教儀礼を行わない場合も、招待された方が通常の葬儀と誤解しないよう、生前の集まりであることを冒頭に示します。

家族と「亡くなった後」を話し合っておきます

生前葬を行う本人は「これで葬儀は終わった」と考えていても、ご家族は死後にあらためてお別れの場を持ちたいと考えることがあります。本人の希望だけで結論を急がず、次の点を家族で共有してください。

  • 死亡時に連絡する親族・友人・勤務先
  • 死後の葬儀や宗教儀礼を行うか
  • 菩提寺、墓地、納骨先との確認事項
  • 生前葬に招かなかった方への訃報の伝え方
  • 費用の支払い方法と、書類・連絡先の保管場所

葬儀の内容や費用をあらかじめ決めることが主な目的なら、葬儀の生前契約や、葬儀の事前相談で確認することも合わせてご覧ください。希望や連絡先を残すには、エンディングノートも役立ちます。

生前葬をしても、死亡届と火葬の手続きは必要です

法務省は、死亡届を、死亡の事実を知った日から7日以内に提出するよう案内しています。また、墓地、埋葬等に関する法律では、火葬には市町村長の許可が必要で、原則として死亡後24時間を経過した後に行うと定めています。

したがって、生前葬を済ませていても、死亡後は医師が交付する死亡診断書または死体検案書を確認し、死亡届、火葬許可、火葬、収骨などを進めます。宗教儀礼や告別の場をどこまで行うかは、家族、菩提寺、葬儀社で別に確認します。

よくある質問

生前葬をしたら、亡くなった後の葬儀は不要ですか

自動的に不要になるわけではありません。死後の葬儀や宗教儀礼をどうするかは、ご本人、ご家族、菩提寺などで事前に相談します。死亡届や火葬許可などの手続きは別に必要です。

生前葬の費用相場はいくらですか

生前葬には決まった形式がなく、招待人数、会場、会食、装花、進行によって費用が変わるため、一律の金額では判断できません。予算と目的を決め、項目別の見積もりを確認してください。

生前葬では香典を受け取りますか

一律の決まりはありません。会費制、贈り物辞退など主催者側で方針を決め、招待された方が迷わないよう案内状に明記します。

家族が反対している場合も進めてよいですか

死後の連絡や手続きを担う家族の理解は重要です。まず反対の理由を確認し、生前葬の目的と、亡くなった後の葬儀・連絡・費用の方針を分けて話し合ってください。

本人の希望と家族の役割を一緒に整理します

生前葬は、本人が感謝を直接伝えられる一方、亡くなった後の手続きや家族の希望まで一度に解決するものではありません。誰に何を伝えたいか、予算、当日の内容、死後の葬儀方針を分けて決めることが大切です。

生前葬と通常の葬儀をどのように組み合わせるか迷われる場合は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせから事前相談をご利用ください。ご本人の希望と、ご家族が後で困らないための確認事項を一緒に整理します。

出典・確認日

確認日:2026年10月7日

この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

監修者のプロフィールを見る →