夫が亡くなったことを電話やメールで知らせるとき、「夫」「亡夫」「主人」「ご主人」のどれを使えばよいのか迷うことがあります。自分の夫について知らせる訃報では、続柄がすぐ伝わる「夫」が簡潔で分かりやすい表現です。普段の呼び方を無理に改める必要はありませんが、相手との関係と伝える場面に合わせて選びます。
ここでご紹介するのは全国向けの一般的な書き方です。訃報の表記は、ご家庭、勤務先、団体の様式によって異なります。指定の書式がある場合は、その様式を優先してください。
自分の夫の訃報は「夫」と書くと分かりやすい
訃報では、誰が亡くなったのかを相手が迷わず理解できることが大切です。自分から見た続柄として「夫」と書き、その後に氏名、亡くなった日、葬儀の予定、連絡先など必要な情報を続けます。
夫 山田太郎が9月22日に亡くなりました。通夜と葬儀の日程は、決まり次第あらためてお知らせいたします。
文化庁の日本語教材では、自分の配偶者を「夫」または「主人」、相手の配偶者を「ご主人」とする例が示されています。また、厚生労働省の続柄表記に関する通知でも、配偶者は「夫」または「妻」と記載します。訃報でも「夫」は、送り手と故人の関係を簡潔に伝えやすい表記です。
連絡する相手と順番を先に整理したい場合は、訃報は誰にいつ伝えるかもあわせてご覧ください。
「夫」「亡夫」「主人」「ご主人」は使う立場が違います
主な表現を、誰について述べる言葉かで整理すると次のようになります。
| 表現 | 主に使う立場 | 訃報での使い方 |
|---|---|---|
| 夫 | 自分の配偶者 | 続柄を簡潔に伝えたいときに使いやすい |
| 亡夫 | 亡くなった自分の夫 | 葬儀後の報告や文章で使われる、やや改まった表現 |
| 主人 | 自分の夫 | 普段から使っている場合は選べるが、必須ではない |
| ご主人 | 相手の夫 | 受け手側がお悔やみを伝えるときなどに使う |
「亡夫」は「亡くなった夫」を意味する書き言葉です。短く改まった印象になりますが、急いで伝える電話やメールでは「夫」の方が自然に伝わる場合があります。「ご主人」は相手の夫への呼び方なので、自分の夫について「ご主人」と書く必要はありません。
「主人」には長く使われてきた慣用がありますが、呼び方への感じ方は人によって異なります。普段から「夫」と呼んでいる方が、訃報だけ「主人」に替える必要はありません。どの表現を選ぶ場合も、故人への思いと読み手への分かりやすさを優先します。
場面別の短い文例
訃報は、最初の連絡で全てを説明しようとせず、確定している情報だけを短く伝えます。
- 電話で取り急ぎ知らせる場合
「夫の太郎が本日亡くなりました。葬儀の日程はまだ決まっておりません。決まりましたら、あらためてご連絡いたします。」 - メールやメッセージで知らせる場合
「夫 山田太郎が9月22日に亡くなりました。通夜は9月24日午後6時、葬儀は25日午前11時から行います。会場は○○です。」 - 葬儀後に知らせる場合
「夫 山田太郎は9月22日に亡くなりました。葬儀は近親者にて滞りなく相済ませました。生前に賜りましたご厚情に、心より御礼申し上げます。」 - 改まった書面で「亡夫」を使う場合
「亡夫 山田太郎の葬儀に際しましては、ご厚情を賜り、誠にありがとうございました。」
日時や会場が未定なら、未定のまま伝えて差し支えありません。家族葬で参列、香典、供花を辞退する場合は、相手が判断に迷わないよう、ご家族の意向として明記します。
相手から見た敬称と混同しないようにします
弔電やお悔やみの言葉では、受け手から見た故人との関係に応じて「ご主人様」「ご夫君」などの敬称が使われることがあります。これは、訃報を出す本人が自分の夫を表す言葉とは役割が異なります。
敬称の読み方や使い分けは、弔電や訃報通知で見かける敬称で整理しています。お悔やみを受ける側ではなく伝える側の言葉を確認したい方は、お悔やみの言葉の例文も参考にしてください。
書く前に確認したい4点
- 故人の氏名と、読み間違えやすい漢字
- 亡くなった日と、知らせてよい情報の範囲
- 通夜・葬儀の日時、会場、連絡先
- 参列、香典、供花についてのご家族の意向
文章を整えることより、誤った日時や会場を伝えないことが優先です。詳細が決まっていない場合は「決まり次第お知らせします」とし、後から確定情報を送ります。勤務先や団体の連絡網を使う場合は、個人情報をどこまで共有するかも確認してください。
よくある質問
自分の夫に「ご主人」と書いてもよいですか
「ご主人」は相手の夫を指すときに使われることが多い表現です。自分の夫の訃報では、続柄を示す「夫」と書くと簡潔に伝わります。
「亡夫」は亡くなった直後の訃報にも使えますか
使えますが、やや改まった書き言葉です。電話や短いメールでは「夫」の方が自然な場合があります。葬儀後の礼状や報告では「亡夫」も選べます。
「主人」と「夫」はどちらが正しいですか
どちらか一つだけが正しいという決まりではありません。普段の呼び方や相手との関係に合わせます。迷う場合は、関係が明確な「夫」が使いやすい表現です。
葬儀の日程が決まっていなくても訃報を伝えられますか
伝えられます。近い親族や特に親しい方には、亡くなった事実だけを先に知らせ、日程と会場は決まり次第あらためて連絡します。
迷ったときは「夫」と書き、確定情報を短く伝えます
自分の夫の訃報では「夫」が簡潔で分かりやすく、「亡夫」は葬儀後の報告など改まった文章にも使えます。「ご主人」は主に相手の夫への呼び方です。表現だけに迷い続けず、氏名、日付、日程、会場、ご家族の意向を正確に伝えることを優先してください。
訃報の文面と、誰へどの順番で連絡するかを事前に整理しておきたい方は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせから事前相談をご利用ください。
出典
- 文化庁「生活日本語Ⅱ」家族の呼び方
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/china_kikokusha/pdf/seikatsu_02/seikatsu_02_all.pdf - 厚生労働省「健康保険及び船員保険の被保険者証等の続柄欄の記載方法について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta2551&dataType=1&pageNo=1 - コトバンク「亡夫」デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典
https://kotobank.jp/word/%E4%BA%A1%E5%A4%AB-628455
出典確認日:2026年9月23日
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
