中本葬祭ブログ

「ご冥福をお祈りします」と言ってはいけないの?

こんにちは。 ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地

紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の内村です。

通夜や葬儀の際によく耳にする「ご冥福をお祈りします」という言葉がありますね。

テレビ番組などでも耳にしたことがある方も多いかと思いますが、実は使うべきではない場面があるのをご存知でしょうか。となりますと、使用すべきではない状況や、その代わりにどのような言い回しをすれば良いのだろうとお思いかも知れません。

そこで今回は、「ご冥福をお祈りします」を使うべきではない場面についてご紹介させて頂きます。

現代では、対面ではなくメールや電話でお悔やみの言葉を伝える機会もあるかと思いますので、そうした場合の方法やほかの言い回しも併せてご紹介させて頂きますね。

「ご冥福をお祈り致します」を使うべきではない状況とは?

通夜や葬儀に参列したとき、実際にご遺族に「ご冥福をお祈りします」と伝えた経験がある方もいらっしゃるかと思います。「冥」は「死後の世界」という意味を持つ仏教の思想ですので、実は宗派によっては不適切な場合があります。使ってはいけないという訳ではないのですが、やはり中には気にする方がいらっしゃるかも知れません。ですので、お悔やみの言葉はどの宗派でも使える言葉で伝えるのが最も無難と言えるのではないでしょうか。

ここでは、なぜ「ご冥福をお祈りします」を使うべきではないのかを宗派別にご紹介させて頂きます。宗派に適した別な言い回しについてもご紹介させて頂きますね。

 

浄土真宗の通夜・葬儀

浄土真宗では「ご冥福をお祈りします」という言葉の使用はしないほうが良いです。浄土真宗では、亡くなった後はすぐに仏様になる「臨終即往生」という考えがありますので、「死後の世界である冥土に迷い込んでしまう」という意味に捉えられてしまう可能性があります。
お参りに出向かれた方の通夜や葬儀が浄土真宗の方であった場合は、「お悔やみ申し上げます」という言い回しをされると良いでしょう。また、「心より」をつけると深い悲しみを表し、「謹んで」をつけると敬意を表すことができるため、目上の方に失礼になりません。

神道の通夜・葬儀

神道の場合も「ご冥福をお祈り致します」とは別の言い回しを使われた方が良いです。

神道の考え方は、故人はその家の守り神になると考えられていますので、死後の世界である冥土という思想はふさわしくないとされています。また、成仏や供養といった仏教用語も神道には不向きとなります。

神道の方の通夜・葬儀に参列された場合には「御安霊の安らかならんことをお祈りします」あるいは「御霊のご平安をお祈りします」といった言い回しで弔意をお伝えするようにしましょう。

キリスト教の通夜・葬儀

キリスト教の葬儀では基本的にお悔やみの言葉を使いません。ほかの宗派ではお悔やみの言葉は必須ですが、キリスト教の場合は人の死に対する考え方が異なります。

キリスト教における死とは、地上での罪を許され天に召されることとされています。それは、悲しいものではなく祝福されるべきものと考えられていることから、キリスト教の葬儀では故人の死を悲しむお悔やみの言葉を使わないようです。とはいえ、やはり弔意はお伝えしたいものです。その場合には「安らかな眠りにつかれますよう、お祈りいたします」といった言葉が相応しいといえるでしょう。

「冥福」の言葉の意味や使い方について

「冥福」という言葉の意味についてですが「冥」は冥土、つまり「死後の世界」を、「福」は「幸せ」を表します。「冥福」とは「死後の世界の幸せ」を意味し、「ご冥福をお祈りします」は死後の世界での幸せをお祈りしますという気持ちを伝える言葉になります。
一般的にお悔やみの言葉はご遺族の方に向けたものですが、前述の意味合いから「ご冥福をお祈りします」は厳密には故人に伝えるべき言葉です。ですので「○○様のご冥福をお祈りします」と故人の名前をつけるのを忘れないようにしましょう。

「ご冥福をお祈り致します」に変わるお悔やみの言葉について

「ご冥福をお祈りします」という言葉を使うべきではない宗派の通夜や葬儀に参列する場合に備えて、これに代わる言い回しをご紹介させて頂きます。

ご愁傷様です

「ご愁傷様です」はご遺族の方に向けたお悔やみの言葉で、お気の毒に思うという意味が込められています。

どの宗派でも使えますが、「ご愁傷様です」だけではお悔やみの言葉としては少々不十分といえます。
「突然のことで言葉がございません」「なにかお役に立てることがあればご遠慮無くお申しつけください」といった一言を添えるようにしましょう。そうすることで、ご遺族へのお悔やみとともに悲しい気持ちや相手を気遣う気持ちを伝えられるでしょう。

お悔やみ申し上げます

「お悔やみ申し上げます」はご遺族の気持ちを配慮する、故人の死を悲しむという意味を持つお悔やみの言葉です。通夜や葬儀の場面でも一般的に良く用いられる言葉なので、宗派を気にせず使えます
故人の死を悲しく思う気持ちとともに、ご遺族への配慮も伝えられますので「お悔やみ申し上げます」という言葉だけで十分です。また、「お悔やみ申し上げます」に加え、「心より」「謹んで」と最初に付け加えれば、目上の方に対しても失礼のないお悔やみの言葉になります。

「哀悼の意を表します」について

「哀悼の意を表します」は一般的には口頭では使いません。

弔電やメールのような書き言葉で使う言い回しです。文章なら違和感無くお伝えできる一方、口頭で伝えるには不向きと言えます。
故人の死を悲しみ、心を痛めているという意味ですから、ご遺族へのお悔やみの言葉としては適切です。弔電でこちらの言葉をお伝えするのは勿論、失礼に当たらない間柄であれば、メール等でお悔やみの言葉を送る際に使うとよいでしょう。

「心中お察し申し上げます」について

「心中お察し申し上げます」は相手の心情を理解し、察知しているという意味の言い回しです。ご遺族の気持ちに配慮した言葉なので、どの宗派でもお悔やみの言葉として用いることが可能です。
ですが、上司や目上の方には使わないほうが無難といえます。と言いますのも「あなたの気持ちを理解している」と目上の方に伝えると、「私の気持ちのなにがわかるのか」と不快に思われる恐れがあります。

相手との関係性によっては無用なトラブルを招きかねないのでこちらの言い回しを用いる際には注意が必要です。

如何だったでしょうか。本日は以上です。

お葬式に関するマナーや疑問点、家族葬に関するご質問やご相談などもお気軽に中本葬祭までお寄せ下さい。

中本葬祭 0735-52-4966

 

 

全国から同業者が見学に来る中本葬祭の葬儀場はこちらからご覧頂くことが可能です。

 

 

資料のご請求はお気軽にこちらからお取り寄せくださいませ。

 

この記事の著者:(株)中本葬祭/業務執行役員 部長 内村 恵