中本葬祭ブログ

お亡くなりになった後に行われるエンゼルケアについて

こんにちは。 ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地

紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の裏東です。

病院や施設等でご闘病の末にお身内が亡くなった場合、その外見を少しでもかつてのお元気だった頃と同じように美しくし、きれいな姿で送ってあげたいと考える人は多いかと思います。

そうしたご遺族の心情を反映するように、死後の処置はエンゼルケアとして一般的になりつつあります。
エンゼルケアにはどんな意味があり、実際にどんなことをするのでしょうか。

今回は、こうしたお亡くなりになった後に行われるエンゼルケアの内容についてご紹介させて頂きます。

 
 
 
 

 

エンゼルケアについて

エンゼルケアは、お亡くなりになった後に行う死後処置と、死化粧などの全てを総称して「エンゼルケア」と呼びます。病院で亡くなった場合は、看護師さんが主に行ってくれますが、一部、病院が提携している業者が行う場合もあるようです。料金は病院により様々で、無料から数万円かかる場合まで地域や施設により様々です。

「エンゼルケア」という言葉は、元々は医療の業界に従事する方の言わば業界用語のようなものでしたが、テレビドラマなどのセリフなどで登場する事が増え、それが広く一般に認知されるようになったものです。

お亡くなりになった後の処置について

お亡くなりになった後の処置については、近年始まったわけではなく、昔から行われてきました。以前は病院や施設よりもご自宅で最期の時を迎える方が多かったので、お亡くなりになったら、ご遺体を沐浴させる湯灌(ゆかん)が家族や親族の手によって行われていました。
しかし、近年では病院で最期を迎えることが多くなりましたので、主に看護師さんの手によって、身体をアルコールに浸した脱脂綿で拭く清拭(せいしき)がなされるようになりました。このようにお亡くなりになった後の処置については、近年になってからというわけではなく、古くから存在しているものでした。

エンゼルケアの主な内容について

海外では、死後処置について厳格にマニュアル化されている国も存在しますが、今日現在の日本国内では法整備がされているわけではありません。病院や施設毎の方針や生前の患者の意思、ご家族の希望や宗教的な慣習などを考慮して処置が行われます。こうした事情から、エンゼルケアの内容については、病院や施設により多少内容の差がありますが一般的には、

●医療器具を外した後のお手当
●治療の過程で発生した傷のお手当
●アルコールによる身体の清拭
●鼻・口・耳等への脱脂綿詰め
●着替え
●死化粧


などが行われるのが一般的です。

 

医療機関で行われるエンゼルケアの目的について

医療機関で行われるエンゼルケアには、3つの目的があります。ひとつは、感染症予防、ふたつめは、ご闘病や死によって変化したご遺体の外観を美しく整えることです。そして3つ目は残されたご家族の心のケアです。これらはいずれも重要な目的・意味があります。下記にご紹介させて頂きます。

衛生面の目的

お亡くなりになった人に施す死後処理は、ご遺族や私たち葬儀社担当者などの安全管理上、非常に重要なものです。まず、私たち葬儀社はお亡くなりになった原因などについては知らされることはありません。感染症等でお亡くなりになったわけではなくとも、御遺体から漏出した血液や体液により、感染症への感染リスクもあります。

また、ご遺族やご親族の皆様に対してもそうした感染症等のリスクを取り除き、安心してお別れが出来るようにさせて頂く必要があります。こうした事からも死後処置は専門知識を持った人の手で、適切に行われる必要があります。勿論、私たち中本葬祭で故人のお手当てや死化粧を担当させて頂いている中本葬祭の美粧企画部では、こうした感染防御についても知識を学んで資格を取得したスタッフが対応させていただいておりますので、ご安心頂ければと思います。
このように、エンゼルケアの中でも医療器具の処理や衛生面に関する処置は、看護師や専門業者にお任せするようにしたほうが間違いないかと思います。

故人の尊厳を守る目的とご遺族の心のケアの目的

エンゼルケアには、前述させていただきました通り、感染症に対する予防対策だけでなく、故人を尊厳を守り、お見送りする準備の意味もあります。人生の最後の姿を美しく整えることは、故人の人格や尊厳を守ると同時に、遺されるご遺族の方の心のケアにも繋がると考えています

長いご闘病の末にお亡くなりになりますと、かつてのお元気だった頃からは容貌が大きく変化していることも多く、そうした姿は家族には一層の深い悲しみを与えます。お元気なときと違ったお姿ですと、ご遺族はなかなか死を受け入れることができないとも言われています。あってはならないことですが、事件や事故でご遺体が損傷してしまっていればなおさらです。

エンゼルケアで、その人らしく美しい外見に整えて差しあげることで、ご家族は「きちんと最後の見送りをしてあげられた。最期は良い顔をしていた」という納得感や満足感を得ることができます。それが、大切な家族の死を受け入れ、悲しみから立ち直る為の重要な過程になるかと思います。

実際のエンゼルケアの流れについて

エンゼルケアは、医師による死亡確認が済んだ後に、酸素吸入器などの医療機器が外された後に行います。病院では臨終後、家族が故人と過ごす時間を少し設けてくれます。その間にエンゼルケアの準備を進めてくれます。遺族は看護師などの指示に従って、終了まで待機します。病院や施設により、時間は様々ですが、おおむね所要時間は40分から1時間程度となっています。

病院でのエンゼルケアは主に看護師さんの手によって行われます

病院でのエンゼルケアは、主に看護師さんの手によって行われるのが一般的です。

看取りまでを行っている介護施設などでは、介護士さんが行われるのが一般的でしょう。
病院では、ご遺族を病室から退出させて看護師さんだけで行う場合が多いですが、遺族ケアの観点から、家族と看護師が一緒にエンゼルケアを施すケースも近年では少しずつ増えてきているようです。
基本的に、処置に必要な器具、用具などは病院で用意されています。家族が一緒に行う場合も、万が一の感染症予防の為のマスクや手袋、ガウンなどは貸してもらえます。この際には希望する衣服や髪飾り、かつらなどを着用させてもらえる場合は、ご遺族側で準備しておくようにしましょう。

実際のエンゼルメイクについて下記の動画を参考までにご覧くださいませ。

清拭の後に死化粧をします

まずは看護師さんが口腔の処置、全身の清拭などを行ってくれます。処置が終わったら、着替えをし、外見を整えていきます。髪をとかし、爪を切り、男性はひげを剃ります。化粧の前には乳液などで保湿をして、お肌を整えてくれる場合もあります。
全てを整えたら、最後に顔に白布をかけ、身体をシーツで覆って、エンゼルケアは終了となります。

 

 

如何だったでしょうか。本日は以上です。

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この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 係長 裏東 勢子