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紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の汐﨑です。
大切な人とのお別れの儀式である葬儀について、様々な言葉がありますが、その言葉の意味について深く考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。
また、葬儀と一括にしましても、お通夜や告別式などいくつかの儀式があり、詳細にこれらの違いを理解する機会は日常の生活の中では少ないものです。そこで今回は葬儀・お通夜・告別式の違いや意味についてご紹介させて頂きます。
そもそも葬儀とは?
「葬儀」という言葉は「故人を弔う目的の一連の儀式」という広い意味合いで使われる場合もあれば、本来の意味である葬送儀礼、つまり『故人を送る宗教的な儀式』を指すこともあります。
正しい意味を知らないままでは、いざというときに混同してしまう可能性もありますので、まずは「葬儀」が本来何を指しているのかを確認しましょう。
葬儀とは正しくは「葬送儀礼」と言い、お別れの宗教儀礼を指す言葉です。宗教的な意味合いが含めており、その宗教によって僧侶による読経、神主さんによる祭祀などが行われます。
告別式は宗教的な意味合いは持たず、故人と縁のある人がお別れを惜しむ、お別れ(告別)の儀式です。
葬儀と告別式を合わせて葬式ともいいます。
また、お通夜は葬式の前に故人を見守る儀式、火葬は故人の体を焼きお骨にする儀式を指しています。
一般には臨終から骨上げまでの一連の儀式を指して「葬儀」や「葬式」と形容されるケースもあり、どちらも間違いではありません。
お通夜と告別式の違いについて
葬儀の一連の流れの中で執り行われるお通夜と告別式は、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。どちらも内容としては、「故人の死を悼むお別れの場」として執り行われるものですが、実はまったく異なる儀式です。
よりきちんと理解するために、最近の風潮や儀式を執り行う時間帯など細かな部分も含めてご紹介させて頂きます。
お通夜とは
お通夜は故人が亡くなった翌日の夕方から朝方にかけて執り行うものとされています。
この間は線香や蝋燭を絶やさないようにしながら家族や弔問客が故人を見守りつつ思い出話をしたり、死を悼んだりする故人とのお別れの場です。日程は葬儀との兼ね合いで変更することもあります。
かつては夜どおしで執り行われていましたが、最近では参列者の負担などに配慮して、2~3時間ほどで終了する半通夜が一般的です。また、お通夜の前夜に仮通夜が行われる地域もあり、内容についても地域や宗教によって違いが生じます。
告別式とは
告別式とは友人やご近所の方、会社の同僚といった生前に交流のあった方が故人とお別れをする儀式です。読経のような宗教的な要素は含んでおらず、故人と縁のある方なら誰でも参加できます。
葬儀を行わず告別式のみを執り行う場合には、参列者が故人へ告別を行うのが通例です。
近年では、葬儀と告別式を同時進行で執り行うことがほとんどです。昔は土葬の割合が多く、全員で葬列を組み、墓地まで歩きましたが、火葬が主流になり、火葬場へ行くのが遺族と親族のみへと変化してきたこともあり、それにともなって葬儀の流れも変化しました。
なぜお通夜と告別式があるの?
お通夜と告別式、いずれもも故人とのお別れの場であるにも関わらず、お通夜と告別式は別々に執り行われます。それは、本来お通夜と告別式には全く異なった意味合いがあったからです。
かつてお通夜は、遺族や近親者が夜通し故人と同じ時間を共に過ごす儀式でした。故人が蘇るよう願いを込めて始まった儀式という説もあり、現代では遺族や親族だけでなく故人と縁のある方が弔問に訪れます。
故人との別れに心の整理をつける場としては、お通夜も告別式も同じ別れの儀式といえるでしょう。しかし、故人と一緒に過ごすのが目的のお通夜と比べ、告別式は最後のお別れという意味合いが強くなっています。
近年の風潮としては、多忙で告別式の参列できない方が、お通夜をお別れの場に利用するというのが一般的と言えますね。
本日は以上です。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/施工部 汐﨑 剣児