こんにちは。 ありがとうで送るお葬式®
家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地
紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の財賀です。
お客様とお話させて頂いて「そう言えば、昔のお葬式では小銭を入れてある棒のついた籠があって、その籠をお葬式の最中にトントンと地面に突いて小銭をばら撒いていたのをみたことがあるけれど、あれってなんであんな事をしていたの?」とご質問を頂きました。
今となってはとても懐かしい風習で、新宮市や那智勝浦町のお葬式でも、この風習を今では見ることは無くなりました。本日は、実際にお客様から頂戴した「昔のお葬式で小銭をばら撒いていた理由」についてご紹介させて頂きます。
お葬式で小銭をばら撒いていた風習の理由について
お葬式の際に小銭を撒く風習は各地で見られますが、新宮市・那智勝浦町の葬儀などは、小銭を入れた「花籠(はなかご)」という竹を編んだかごを竹竿につけて、お身内の方が籠を振って小銭を落とすという風習がありました。
こちらは小銭だけでなく、お菓子を籠から撒くという地域もありました。
また、花籠の名前の通り、花びらを模した色紙を細かく切ったものを小銭とともに籠に入れ、それらを落とすといった地域もあり、その地区毎に微妙にその作法は違っていたものでした。
基本的には故人が長寿を全うした際に行われるもので、分け隔てなく施しを与えることで、故人が功徳を積めると考えられていたようです。
全国的に各地でこの風習はかつてあったようで、地域によっては「長寿銭(ちょうじゅせん)」とも呼ばれていたようです。長寿銭には、故人が長寿を全うしたお祝いと故人の長寿にあやかって「長生きができますように」「長寿にご縁がありますように」という願いを込めて行われていたそうです。
花籠の風習の由来も同じようなところからではないかと思われます。
また、地区によっては花籠ではなく、半紙に小銭をおひねりのように包み、それを撒いていた地区もありました。
花籠をする、しないの基準について
「何歳以上まで生きたから花籠を用意する」というように、年齢などの判断基準は、特に決まりがあるわけではありません。その地域の風習や「故人は長寿を全うした」「故人は大往生だった」というご遺族の方々の想いによって行うか否かが決まります。地域によっては80歳以上だったり、数え年で米寿の88歳以上だったり、満90歳以上の場合といった取り決めもあったようです。この風習はご遺族の故人への想いを大切にするために、最終的にはご遺族の判断によるところが大きかったようです。
花籠に入れる金額について
花籠に幾ら位の金額を入れるのか、どの硬貨を入れるのかについても、特に決まりはありません。
地区の取り決めやご遺族の想いによって決められていたようです。
1円玉を入れることはあまりなく、5円玉・10円玉・50円玉・100円玉・500円玉の5種類の硬貨から、語呂合わせや硬貨に描かれている図柄等で織り交ぜて入れられていたようです。因みにそれぞれの硬貨には、次のような意味があるそうです。
5円玉の意味
故人の長寿にあやかり、長寿にご縁(5円)がありますように。
それ以外にも「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」ということわざにも言われますように、図柄の「稲穂」が故人の謙虚さを表しているので用いられたいう説もあります。
10円玉の意味
十分に生きました。十分に生きられますようにという意味を込められたという説。
図柄に用いられている「常盤木(ときわぎ)」は、松や杉のように年中枯れずに緑の葉を絶やさないという、永久の意味である永久(とわ)が転じて常磐木となったと言われています。また、10円玉はさびやすくて汚れやすいですが、磨けば再び光り輝くという、その奥に秘めた美しさにあやかっているという説もあるようです。
50円玉の意味
長寿に十分な縁がありますように、五重の縁がりますようにという説。
図柄に用いられている「菊」は、古来より不老不死の霊草とされてきた花で、延命長寿・厄払いなどの意味を持っていると言われています。
100円玉の意味
ご縁が100ありますように、百歳まで生きられますようにという意味を込められたという説。
図柄の「桜」は、日本人に古来より最も愛されている花であり、「私を忘れないで」という花言葉もあります。
500円玉の意味
最大の効果(硬貨)がありますようにという説。
図柄に用いられている「橘(たちばな)」は、日本原産の唯一の柑橘種です。古来よりその実はいつまでも香り続けることから、不老不死の力を持っていると信じられていました。
如何だったでしょうか。本日は以上です。
お葬式に関するマナーや疑問点、家族葬に関するご質問やご相談などもお気軽に中本葬祭までお寄せ下さい。
全国から同業者が見学に来る中本葬祭の葬儀場はこちらからご覧頂くことが可能です。
資料のご請求はお気軽にこちらからお取り寄せくださいませ。
この記事の著者:(株)中本葬祭/施工部 環境整備課 係長 財賀 幸男