中本葬祭ブログ

浄土宗と浄土真宗の違いって何?

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紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の坪田です。

私たち中本葬祭のスタッフも卒業するスタッフも入れば、新たに入社するスタッフも居たりなど、人の入れ替わりはしばしばあります。

入社したばかりの社員は、まず一連のお通夜からお葬式までの大枠としての流れや宗教ごとの決まりごとなどについても勉強して貰います。

お客様からご質問を受け「わかりません」とは言えませんし、わからないからと言って嘘や適当な話でごまかすということもしてはならないことですから、しっかりと勉強して葬儀の知識を身につけた上で、ようやくお客様のご相談を伺うことの出来るスタッフになります。

そんな新人のスタッフから「浄土宗と浄土真宗の違いって何でしょうか?」と質問を受けました。なるほど、名前が似ているので率直に何が違うのだろうかと疑問に思ったようです。

そこで今回は「浄土宗と浄土真宗の違い」についてご紹介させて頂きます。

浄土宗と浄土真宗について

そもそもいずれの宗派も浄土教という仏教の教えに対しての宗派です。

浄土教以前は、自分で修行をしなければ悟りを得ることが出来ないとされていました。ですので、悟りを得る余裕のある人しか成仏できないとされていました。

法然上人が、様々な経典の中から浄土教の教えとしてまとめ、阿弥陀仏という仏様は自分の名前を読んでくれたら(南無阿弥陀仏とお唱えをすれば)全員、極楽浄土に連れていきますよという教えにしました。この、法然上人(浄土宗)のお弟子さんが親鸞聖人(浄土真宗)ですので、教え自体は根本的には変わりないのです。

浄土真宗の宗祖は親鸞聖人ですが、元をただせば法然上人の教えが基礎となっており、宗派としては親兄弟、親戚のようなものといって差し支えないかと思います。

これには様々な政治的な理由があり、袂を分かつ事になったようです。

浄土宗と浄土真宗の特徴について

葬儀の場合の浄土宗と浄土真宗の特徴についてご紹介させて頂きます。

浄土宗の場合はお戒名があり、会葬返礼品等に塩を入れても特にお咎めを受けることもありません。他の宗派と大きく変わりません。

お線香を寝かせることもありません。

浄土真宗の特徴としては、清めの塩は原則、使いません。ただし、これは地域による違いはあると思いますが、会葬返礼品にも塩を入れてはいけないとする土地のお寺様の教えのある地域と、ご会葬に見える方は他の宗旨・宗派の方もいらっしゃるだろうからそこまでは強く求めませんという土地のお寺様の教えの違いはあるかと思います。

守り方を置くこともしませんし、お線香は立てるのではなく、寝かせるのが特徴と言えるでしょう。

こうしたことは全て阿弥陀様が来てくださるからやるべきではないと決めています。となりますと、浄土宗も阿弥陀様が来てくださるのでは?となると思います。実際、私たちもまず、入社してすぐにあれ??となるところなのですが、宗派の違いというのは理由(概念)の違いのみならずルール(作法)の違いであったりします。

考え方は似ているのだけれど、やることの違いや形式の違いがあるので、宗派としての違いになります。

かなり噛み砕いて表現しますと、浄土真宗の方が決まりとしては厳しいです。そもそも、お線香を立てるのは、時間を計る為という側面もあり、その間修行をしますという意思表明にもなっていたりしますが、浄土真宗では、自分の力ではなく阿弥陀様の力ですからお線香を立てませんという考え方ですし、守り刀も亡くなったら魔が入る事もなく、必ず阿弥陀様が救って下さるから守り刀も要りませんという考え方です。

死という事自体も、穢れたものではなく、阿弥陀様が来て下さるのだから穢も何もない、だから塩をまくなんて行為は必要ないという考え方です。

ただ、世間一般で言われる仏教の風習の大半は宗派の教えではなく、ほとんど全てが地域の慣習・風習です。仏教の教え(経典)の中に、白装束を着せましょう、団子や守り刀を置きましょうとは書いてません。

浄土真宗は、そこに一歩踏み込んで浄土真宗という宗派のやり方というものを持っている宗派と言えます。

もし、ご自身の宗派が浄土真宗であり、こうした決まりについてお知りになりたい場合には、菩提寺にご質問されると地域慣習も踏まえた浄土真宗の教えをアドバイスしてくださるかと思います。

 

如何だったでしょうか。

本日は以上です。

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この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 坪田 玲子