こんにちは。 ありがとうで送るお葬式® 家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の山下です。
年が明けて令和2年はオリンピックイヤーですね。つまり「閏年(うるう年)」になります。
閏年(うるう年)にはお墓を建立してはいけない。それだけでなく、ご家族が亡くなり今現在ある墓碑に新たに戒名を刻む事もしてはいけない等、全国各地でこの風習がチラホラとあるようです。
新宮市・那智勝浦町周辺地域も、閏年にお墓を建立したり、お墓に手を加える事を敬遠される傾向が強いです。
では、もし閏年にお墓を建てたら何か災いや良くないことが起きるのでしょうか?
今回は「閏年にお墓を建てたら災いが起きるの?」といった話題についてご紹介させて頂きます。
閏年にお墓を建てては行けないと言われるようになった理由
現在の暦は太陽暦ですが、昔は旧暦、太陰暦で、月の動きを暦の基準にしていました。月の満ち欠けによって一ヶ月のサイクルを決めていたのですね。
新月からおよそ15日かけて満月となり、同じくらいの時間を費やしながら、徐々に月が欠けていくまでの日数は29.53日です。
昔の日本はこれを一ヶ月とし、一年間は約29.53日×12ヶ月=354.36日と、今の暦と比べて約11日も少なくなります。
これを防ぐために登場するのが閏月です。
1年につき約11日ものズレを解消するために約3年(およそ2.715年)に一度、挿入されていました。「閏年」では1日増やすだけですが、「閏月」では1ヶ月増やし、その年は1年が13ヶ月となりました。
そのころは武士などの給金はほとんど年額(今で言う年俸制ですね)で支払われていました。そのため、うるう年は同じ年額給金で一ヵ月多く生活しなければなりませんでした。このため、藩主は家臣に余分な出費を極力おさえるようにさせました。
庶民も極力、大きな出費は避けて生活する必要がありましたから、お墓を建てるといった大きな出費は避けましょうという事になりました。
この制約は、やがてもとの意味が忘れられ、形式だけが残されて「うるう年に墓を新調すると悪いことが起こる」といった風習になったようです。この風習は全国各地の特に沿岸部に多く残っており、現在においても非常に根強く残っております。
しかし、現在は太陽暦であり、うるう年は一日多いだけです。一日の生活費を節約するためだけでお墓の新調を見合わすことはありませんし、もし閏年にお墓を建立したからといって災いが起きるなどといった事もありませんのでご安心頂ければと思います。
とはいえ、やはり那智勝浦町や新宮市周辺地域では現在においても「うるう年にはお墓を触らない」という習慣は根強く残っています。
どうしてもという特段の事情がない限りは、地域慣習に合わせておかれると間違いがないかと思います。
また、どうしてもうるう年であっても納骨や墓碑の建立をお考えの場合には、後々のトラブル防止のためにもご親族の目上の方などに予めご相談し、理解を得ておくと良いかと思います。
この記事の著者:(株)中本葬祭/施工部 環境保全課 係長 山下 浩司