家族葬で香典を辞退する場合は、訃報を知らせる最初の連絡で「参列」「香典」「供花・供物」「弔電」のうち何を辞退するのかを分けて伝えます。会社には、直属の上司や人事担当者へ先に連絡し、社内でどこまで共有してよいかも添えると行き違いを防げます。
ここでご紹介するのは一般的な伝え方です。葬儀の慣習は地域やご家庭によって異なり、勤務先の慶弔制度も会社ごとに違います。文例をそのまま送る前に、ご家族の意向と勤務先の規程に合わせて調整してください。
最初に辞退する範囲を決める
「家族葬です」だけでは、会社や親族は参列してよいのか、香典を用意してよいのか判断できません。まず、ご家族で次の項目を決めます。
| 確認項目 | 決める内容 | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 参列 | 家族・親族以外の参列を受けるか | 「近親者のみで執り行います」 |
| 香典 | 香典を辞退するか | 「ご香典は辞退申し上げます」 |
| 供花・供物 | 香典と同じ扱いにするか | 「ご供花、ご供物も辞退申し上げます」 |
| 弔電・弔問 | 受け付けるか、辞退するか | 辞退する項目だけを明記する |
| 会社の制度 | 慶弔休暇、弔慰金、会社名義の供花の扱い | 人事・総務へ規程を確認する |
香典を受けるか辞退するかに一律の正解はありません。故人の遺志、ご家族の考え、親族との関係を踏まえて決めます。「参列は辞退するが弔電は受ける」など、項目ごとに方針が違っても差し支えありません。
会社へ訃報と香典辞退を伝える5つの手順
- 直属の上司へ早めに連絡する
まず電話や社内で指定された連絡方法で、身内が亡くなったことと休む可能性を伝えます。 - 人事・総務の窓口を確認する
会社所定の届出、必要書類、慶弔休暇の日数、弔慰金や供花の制度を確認します。 - 葬儀の範囲と辞退項目を明記する
「家族葬」だけで終わらせず、参列、香典、供花・供物、弔電の扱いを書き分けます。 - 社内共有の範囲を伝える
所属部署だけに知らせるのか、関係部署にも知らせてよいのかを伝えます。自宅住所など不要な個人情報は記載しません。 - 当日の連絡先と復帰予定を共有する
業務上必要な範囲で、緊急連絡先と休暇の見込みを伝えます。確定していないことは、後ほど連絡すると添えます。
厚生労働省は、慶弔休暇を会社が任意に定める特別休暇として案内しています。日数、有給・無給、対象となる親族の範囲は勤務先の就業規則で確認してください。
会社へ送る訃報連絡の文例
参列・香典・供花を辞退する場合
父〇〇が〇月〇日に永眠いたしました。葬儀は近親者のみで執り行います。誠に恐縮ですが、ご参列、ご香典、ご供花、ご供物は辞退申し上げます。社内では業務上必要な範囲でご共有ください。休暇の手続きについて、確認事項がありましたらご連絡をお願いいたします。
参列と香典を辞退し、弔電は受ける場合
母〇〇が〇月〇日に永眠いたしました。葬儀は家族葬にて執り行うため、ご参列とご香典は辞退申し上げます。弔電はありがたくお受けいたします。送付先は〇〇斎場、日時は〇月〇日です。
日程がまだ決まっていない場合
本日、父〇〇が永眠いたしました。葬儀の日程は現在調整中です。近親者のみで執り行い、ご参列とご香典は辞退する予定です。休暇期間を含め、詳細が決まり次第あらためてご連絡いたします。
口頭で連絡した後、メールや社内連絡で同じ内容を残しておくと、部署ごとに案内が変わるのを防げます。
会社の弔慰金や供花は香典と別に確認する
会社の慶弔規程に基づく弔慰金や、福利厚生として手配される供花は、個人が持参する香典とは社内上の扱いが異なる場合があります。すべてを辞退したいときも、先に人事・総務へ制度の扱いを確認してください。辞退できるか、申請が必要かを確認せずに一律に判断しないことが大切です。
親族や知人へ伝える文例
香典、供花、供物をすべて辞退する場合
このたび、父〇〇が永眠いたしました。葬儀は近親者のみで執り行います。誠に勝手ながら、ご香典、ご供花、ご供物は辞退申し上げます。生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます。
香典だけを辞退する場合
このたび、母〇〇が永眠いたしました。葬儀は家族葬にて執り行います。誠に勝手ながら、ご香典は辞退申し上げます。
参列も辞退していただく場合
故人の遺志により、葬儀は家族のみで執り行います。ご会葬ならびにご香典、ご供花、ご供物につきましては、辞退申し上げます。何卒ご理解くださいますようお願いいたします。
「故人の遺志により」という表現は、実際に故人の意向が確認できている場合に使います。ご家族の判断であれば「遺族の意向により」と書く方が正確です。
受付や会場に掲示する文例
誠に勝手ながら、ご遺族の意向により、ご香典は辞退申し上げます。お気持ちだけありがたく頂戴いたします。
訃報連絡で辞退を伝えていても、受付表示と受付担当者への共有を行います。香典だけを辞退し、供花や弔電は受ける場合は、掲示も同じ内容にそろえます。
香典を持参された場合の対応
受付では「ご遺族の意向により、香典は辞退しております」と丁寧に伝えます。それでも強く希望された場合に受け取るかどうかは、ご家族で方針を決め、受付担当者へ事前に共有してください。人によって対応を変えると、参列者にも受付担当者にも負担がかかります。
葬儀後に知らせる文例
父〇〇は〇月〇日に永眠し、葬儀は近親者のみで執り行いました。ご報告が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。なお、ご香典、ご供花、ご弔問は辞退申し上げます。生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます。
葬儀後に知らせる場合も、辞退する項目を明記します。後日弔問は受けるが香典は辞退するなど、ご家族の方針に合わせて書き換えてください。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町での考え方
この地域では香典を受ける葬儀が多い一方、故人やご家族の意向から辞退を選ぶこともあります。地域の傾向が、ご家族の選択を決めるものではありません。辞退する場合は、親族、会社、地域の方で説明が食い違わないよう、伝える範囲と文面をそろえます。
葬儀には地域の慣習やご家庭ごとの考えが残っています。伝え方に迷う場合は、一般論だけで決めず、中本葬祭へご相談ください。
香典辞退についてよくある質問
会社には葬儀会場や日時を必ず伝えますか?
会社の手続きに必要な範囲で伝えます。参列、供花、弔電をすべて辞退し、会社の届出にも会場情報が不要であれば、必要以上に詳しく知らせる必要はありません。まず就業規則と提出書類を確認してください。
家族葬とだけ書けば、参列辞退は伝わりますか?
家族葬の範囲はご家庭によって違うため、参列を辞退していただく場合は「近親者のみで執り行うため、ご参列は辞退申し上げます」と明記します。
香典は辞退して、弔電だけ受けてもよいですか?
ご家族で決めて差し支えありません。受けるものと辞退するものを分けて伝え、弔電を受ける場合は送付先と日時も案内します。
まとめ
家族葬で香典を辞退するときは、辞退する範囲を決め、会社には直属の上司と人事・総務へ早めに伝えます。家族葬という言葉だけに頼らず、参列、香典、供花・供物、弔電の扱いを具体的に書くことが大切です。
中本葬祭では、ご家族の希望に合わせて訃報連絡、会社への案内文、受付表示を一緒に整理します。葬儀の前に方針を決めておきたい方の事前相談も承っています。
確認日と出典
確認日:2026年10月16日。勤務先の慶弔制度や必要書類は変更される場合があるため、実際の連絡前に就業規則と会社の案内をご確認ください。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町の葬儀相談
中本葬祭は、新宮市、那智勝浦町、太地町、紀宝町で6つの葬儀会場を運営し、ご家族の状況に合わせた葬儀をご案内しています。お急ぎの場合は、24時間つながるフリーダイヤルへご連絡ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
