こんにちは。中本葬祭の山下です。
本日はお客様から「香典袋の表書きって薄墨でなければダメなの?」といったご質問を頂きました。
本日はこちらのご質問に対してのお話です。
香典の表書きは薄墨でなければならないの?
確かに御香典の表書きは薄墨で書くというのが一般的とされています。
その背景には「悲しみの涙で墨が薄くなった様を表す為」ですとか「突然の事で慌ててしまい、慌てて墨をすったので色が薄くなってしまった様を表す、つまり人の死は予め予見、準備できることではないという事を表す様」として薄墨を使うとされています。
新札を使わないほうが良いということに似たお話ですね。
しかし、もし通常の墨で表書きを書いた場合にはマナー違反になるのでしょうか?
そもそもこうしたお話は一体いつ頃から一般化したものなのでしょうか?
今回は、このようなところをご紹介させて頂きます。
香典の表書きを薄墨にという話の始まり
このお話の始まりは、最も古い資料を探してみましたところ
昭和45年に茶道家であり冠婚葬祭評論家であった塩月弥栄子さん著「冠婚葬祭入門」という書籍に、このお話が掲載されています。こちらの書籍はシリーズ累計で700万部を超える超ベストセラーとなり、同じ名前でテレビドラマや映画化までされたものです。
こちらが香典の表書きは薄墨で書くべしとなった起源ではないかと思われます。
もし香典袋の表書きを通常の墨で書いてしまった場合にはマナー違反になるの?
結論を先に書かせて頂きますと、もし通常の墨で香典袋の表書きを書いてしまったからと言って
それがマナー違反に当たるほどの事ではありません。
確かに、書く文字の色で弔意を表したり、あえて慶事には新札を、弔事には使い古したお札をといった具合に
目に見えるものにも喜びや悲しみを表す行為というのは、日本人として大切にしたい、繊細なおもてなしの心の一つと言えます。しかし、現実としましてはコンビニなどで入手出来る香典袋の表書きは通常の黒で印刷されているのがほとんどですし、実際のところの運用としましても現代では通常の墨で書かれていらっしゃる場合のほうが圧倒的に多い印象です。
ですので、薄墨で書かれている事に超した頃はありませんが、そうしなければマナー違反に当たるほど
ご遺族に対して不快感を与えてしまうような程ではありませんので、どうしてもお手元に薄墨のペンがない場合には通常の墨で表書きを書かれても問題ないかと思います。
如何だったでしょうか。
本日は以上です。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/施行部 環境保全課 係長 山下 浩司