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理解するとメリットが大きい生前贈与まとめ

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紀南地方で5式場を運営しております中本葬祭の内村です。

生前贈与と聞くと、手続きが面倒なんじゃないかですとか、そもそもよくわからないし難しそうなのでと敬遠されがちです。しかし、計画的に生前贈与を行えば相続人の税金負担を減らすことが可能です。
一方、生前贈与は国の制度に基づいて行うものであり、複雑な仕組みになっています。

うまく活用すれば多くのメリットが得られますが、デメリットがまったくないというわけでもありません。

また、場合によっては生前贈与を行ったことで支払う税金が増えることもあるのです。
そこで今回は、生前贈与をするときに気をつけたいポイントや税額計算の方法などをご紹介させて頂きます。

 
 

生前贈与とは?

生前贈与とは、文字通り自分自身が亡くなる前に資産を贈与することです。

単なる贈与と異なるのは、相続人の負担軽減を念頭において行うという点が大きいかと思います。

つまり、生前贈与は「相続を考慮に入れたうえで選択する贈与」ということになりますね。

贈与においては、贈与する人を「贈与者」、贈与を受ける人を「受贈者」と呼びます。

なお、贈与は「契約」に当てはまりますので、贈与者と受贈者の双方の了承が必要となります。

 

生前贈与のメリットについて

相続税の節税になります

生前贈与のメリットとしてまず挙げられるのが、贈与税の節税ができることが第一と言えると思います。

生前贈与には「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の2つの方法があります。
生前贈与は暦年贈与で行うことが多いです。暦年贈与の場合、年間で110万円を超えた財産が贈与税の課税対象となります。
つまり、毎年110万円以内なら非課税となるのです。

たとえば、毎年110万円を10年間に渡って暦年贈与したとします。

すると、相続財産のうち1100万円を非課税で相続したことになるのです。

指名した人に確実に財産を渡せます

暦年贈与の場合、誰に何を贈与するかは本人の自由です。

一例を挙げますと、推定相続人でもなく血縁関係もない他人であっても問題ありません。

相手の合意さえあれば、確実に財産を渡せるのです。

法律上、契約の要件さえそろっていれば契約書を作成しなくても行えるため、遺言を残すよりも楽に行えます。

ただし、生前贈与を行ったことがわかる記録を残しておかないとトラブルになり、相続時に生前贈与をしたと認められないケースがありますので、契約書は作成しておいた方が良いでしょう。

相続に関するトラブルを回避できます

遺産相続をすることになった場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、各自の相続分を決めなければなりません。このときに、どのように遺産分割するかで揉めるというのは昔から多くある話です。
生前贈与であれば、贈与者が話し合いに参加できるため、受贈者に贈与の意思をしっかり伝えることができます。
そのため、贈与者が渡したい相手にきちんと渡すことができ、相続トラブルを回避できる、或いはある程度軽減させることができるのです。

まったく血が繋がっていない他人にでも贈与ができます。


また、生前贈与は受贈者からみてもメリットがあり、財産の中の何がほしいかなどの希望を伝えることができます。

生前贈与のデメリットについて

生前贈与にはデメリットもあります。
たとえば、生前贈与でも一定額を超えれば贈与税が発生するため、相続税に対する節税効果は薄いのです。

また、土地や建物といった不動産を贈与する場合は、名義変更(登記)を行うことが一般的ですが、その際には不動産の登記手数料や登録免許税が発生します。
さらに、不動産取得税などの費用も別途必要です。一般に、不動産の暦年贈与による生前贈与には、無性ではなく余分な費用がかかるとみていいでしょう。

生前贈与の注意点について

前述しました通り、生前贈与には暦年贈与と相続時精算課税制度の二つがあります。

このうち、暦年贈与は贈与対象が限定されず、毎年110万円まで控除される方法です。
しかし、贈与は契約ですので、双方の合意がなされて初めて契約が成立します。

贈与者にどれだけ贈る意思があったとしても、受贈者側が知らなかったのであれば、贈与契約は無効となってしまいますので注意が必要です。

一例を挙げますと、ご年配の方に多くある話として本人に黙って受贈者名義、一例としてお孫様名義の口座を作り相手に伝えずにお金を貯めていたとしても、相手が知らなかった状態になりますので贈与契約は成立しません
また、資産を渡す契約をしていながら、実際には引き渡していない場合も成立していないことになります。

これは、たとえば”110万円を贈る”と相手に伝えておきながら、贈与者が通帳を保管し続けているというケースが当てはまります。

毎月同じ金額を贈与していると問題になります

暦年贈与では毎年110万円まで非課税となることは、前述した通りです。

しかし、だからといって毎年110万円きっちり贈与し続けると、連年贈与とみなされる可能性があります
これは「相続財産を非課税にすることを目的として、1度に渡せるものを分割して贈っている」とみなされてしまうということです。


すると、毎年の贈与額×年数の合計額が一括で贈与されたと見なされ、高額の贈与税が課税される可能性があります。

たとえば、毎年100万円ずつ10年間に渡って贈与し続けたとしましょう。すると、100万円×10年で1000万円が非課税になるはずです。ところが、これが連年贈与とみなされれば、1000万円を贈与したとして課税されることになります。
これを避けるためには、贈与のたびに契約書を作成したり、贈与の時期や金額を変えたりするようにしましょう。

相続開始前の三年間は相続税で処理されます

気をつけたい点として相続開始前3年間の贈与は課税対象となります。

つまり、生前贈与を受けて3年以内に贈与者が亡くなると、その贈与分を相続財産に足し戻して相続税が課税されてしまうということです。
なお、生前贈与を受けた際に贈与税を支払っていた場合は、その分は相続税から差し引きされます。

従って相続税の負担を軽くする目的で生前贈与を行うのであれば、早いうちから始めた方がいいでしょう。

ただし、この3年加算のルールは、相続人になる人への生前贈与にのみ適応されます。たとえば、贈与者Aさんがご長男である息子BさんとBさんのご子息である孫Cさんに生前贈与し、その後3年以内に亡くなった場合、課税されるのは息子Bさんが受けた生前贈与分のみです。

孫Cさんは贈与者Aからみた相続人にはなりませんので、生前贈与分が相続財産に足し戻されることはありません。
ただし、次のようなケースでは孫Cさんも相続人とみなされますので、孫Cさんの生前贈与分も対象となります。

  • 贈与者Aさんの遺言書で孫Cさんが相続人に指定されている場合
  • 贈与者Aさんの生命保険の受取人に孫Cさんが含まれていた場合

生前贈与の方法は二種類あります

前述の通り、生前贈与には暦年贈与だけでなく相続時精算課税制度という制度があります。
この制度を利用して生前贈与を行うと、特定の贈与者から受け取る贈与財産を、通算で2500万円まで特別控除できます。
暦年贈与での基礎控除額は110万円ですので、相続財産を2500万円まで非課税になるのならば非常にメリットがあるように感じますね。
しかし、相続時精算課税制度はいくつか注意して頂きたい点があります。

まずは暦年贈与の特徴を説明し、相続時精算課税制度についてもご紹介させて頂きます。

暦年贈与とは?

暦年贈与では、受贈者が1年間に受け取った贈与財産の合計をもとに課税されます。この場合の1年間とは「1月1日〜12月31日」です。年度とは異なりますので、注意しましょう。
また、基本的に贈与税は暦年課税となります。暦年課税の特徴は次のとおりです。

  • 受贈者は誰でも問題ありません
  • 贈与する財産の種類は何でも良いです
  • 基礎控除額が年間110万円
  • 110万円以下であれば贈与税はかからず、申告も不要

基礎控除額を超える場合の税率について

生前贈与では、110万円以内であれば税金はかかりません。

では、基礎控除額を超えた場合はどうやって税額を計算すれば良いのでしょう。
これを計算するためには、課税額に対する税率や控除額を知る必要があります。以下に表でまとめました。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%なし
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円

 

なお、暦年課税では、直系尊属から贈与を受けた20歳以上の人は以下の特例税率が適用されます。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%なし
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1000万円以下30%90万円

暦年贈与で生前贈与を行うメリットについて

暦年課税での贈与額の計算方法は次のとおりです。

  • 贈与を受けた財産の合計(※1)-基礎控除110万円=課税価格(①)
  • 課税価格(①)×税率-控除額=贈与税額

控除枠から出た価格に対して課税されますので、基礎控除額である110万円に収めれば税金は発生しないことになります。それが暦年贈与で生前贈与を行う大きなメリットでしょう。

※1:贈与を受けた財産の合計は、1月1日から12月31日までの1年間での合計額となります。
 

暦年贈与で生前贈与を行う場合の注意点について

一定の資産を所有している人は、相続人の税負担が軽くなるように生前贈与を検討するかと思います。

しかし、暦年贈与で生前贈与を行う場合、注意して頂きたい点があります。

それが、遺産相続開始前3年以内に贈与された財産は相続税の対象になることです。

3年以内に生前贈与された財産は相続財産に足されて課税対象となり相続税が決定します。
そのため、相続税の負担を軽減し生前贈与を行うのであれば、計画的に余裕をもって行うことが大切です。
なお、生前贈与を受けて支払った贈与税分は相続税額から差し引きますので、二重課税になることはありませんので、ご安心ください。

また、いつ贈与したかが明確にわかるような書類を残しておくことも重要です。

法的には、基礎控除の110万円以下の場合は申告をする必要はありません。
しかし、何の記録も残っていないと、生前贈与と認められない可能性があります。
現金の場合であれば、手渡しするのではなく銀行振込で贈与することで、資金移動の記録が明確に残ります。

少々長くなってきましたので、次回こちらの続きを掲載させていただきますね。

 

 

如何だったでしょうか。

本日は以上です。

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この記事の著者:(株)中本葬祭/業務執行役員 部長 内村 恵