エンディングノートは、もしものときに家族が必要な情報と、自分の希望をまとめるためのものです。最初から完成させようとせず、緊急連絡先や医療情報など、必要性の高い項目から書き始めます。
エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートは自由な形式で希望や情報を共有できますが、それだけで財産の分け方などに法的な効力が生じるとは限りません。相続について法的な意思を残す場合は、法律上の方式を満たした遺言書を検討し、内容に不明点がある場合は弁護士などの専門家へ相談してください。
書いておきたい8つの項目
1 基本情報と緊急連絡先
氏名、生年月日、住所、家族や連絡してほしい方の氏名と連絡先を書きます。本人確認書類は番号そのものより、保管場所を記す方法もあります。
2 医療と介護について
かかりつけ医、服薬、アレルギー、既往歴、介護や医療に関する希望を書きます。希望は変わることがあるため、家族や信頼できる人、医療や介護の担当者と繰り返し話し合うことが大切です。
3 財産と契約
預貯金、不動産、保険、有価証券、借入れ、毎月の支払いなどの種類と問い合わせ先を整理します。暗証番号やパスワードをノートへ直接書く場合は、紛失や盗難への対策が必要です。
4 葬儀の希望
希望する葬儀の形式、参列してほしい方、遺影候補、香典や供花の扱いなどを書きます。費用を負担する家族の意向もあるため、希望を書くだけでなく話し合っておきます。
5 菩提寺とお墓
菩提寺の名称、宗派、連絡先、墓地や納骨堂の場所、過去の法要記録を書きます。熊野地域では告別式前に火葬を行うことがあるため、葬儀の順序について希望があれば、その理由とともに記します。
6 デジタル情報
スマートフォン、メール、SNS、写真、サブスクリプションなど、利用しているサービスと手続き先を一覧にします。パスワードの保管方法は別に決め、信頼できる人へ伝えます。
7 ペットや住まい
ペットの世話、かかりつけの動物病院、引き取りを相談した方、住まいの管理、鍵の場所などを書きます。相手の了承が必要な事項は、事前に話し合ってください。
8 家族へのメッセージ
感謝、思い出、大切にしてきたことなどを自由に書きます。法的な書類とは役割が異なる、エンディングノートならではの項目です。
安全な保管方法
家族が存在を知らなければ、必要なときに見つけられません。保管場所を信頼できる方へ伝え、更新日を記載します。暗証番号、パスワード、カード情報などは、ノート本体と分けて管理する方法も検討してください。
見直すタイミング
引っ越し、入院、退職、家族構成や財産状況の変化などがあったときに見直します。医療やケアに関する希望は、気持ちの変化に合わせて何度でも話し合い、更新してください。
まとめ
エンディングノートは、情報を残すだけでなく、家族と話し合うきっかけになります。法的な相続指定は遺言書、医療やケアの希望は家族や専門職との継続的な話し合いも併用してください。
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
