こんにちは。 ありがとうで送るお葬式® 家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の裏東です。
近年の終活という言葉が一般化し始めた事から、これまでは全く無関係と考えていた遺言について
「ちょっと考えておこうかな」といった形で検討される方が増えてきております。
遺言とは日常用語としては形式や内容にかかわらず広く故人が自らの死後のために遺した言葉や文章を言いますが、正式な手順を経て作製された遺言には、民法で定められているように、「効力」が発生します。
ですので、良くテレビドラマなどで親族全員が集まり、遺言書を開封するシーンを見たことがある方も多いと思います。しかし、テレビドラマのように自分たちで勝手に遺言書を開封してしまうと、法律違反となってしまう事をご存知でしょうか。
遺言の開封には手順を経て開封する必要があるんです。そこで、今回は「遺言の開封手順」などを主にご紹介させていただきます。
遺言書の開封手順について
遺言書を開封するには家庭裁判所で検認手続きをする必要があります。
ですから、もし故人の死後に遺言書を発見した、またはその存在を知った場合には決して自分で開封せずに家庭裁判所での検認手続きをするようにしましょう。
遺言書の検認については民法第1004条で下記のように定められています。
遺言書の検認
- 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
- 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
- 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
もし万が一、勝手に開封してしまうと法律違反により5万円以下の過料(罰金)が課せられることもありますのでご注意ください。しかし、勝手に開封してしまったからと言ってその効力が失われることはありませんので、ご安心いただければと思います。
自分で遺言書の検認手続きをする場合には以下の手続きををする必要があります。
- 検認申立書の作成
- 裁判所へ提出する戸籍謄本などの書類を集める
- 裁判所へ行く期日の調整
- 遺言書がどこにあったなどの説明を裁判官にする など
遺言書は3種類。遺言書によって検認の要否が変わります
遺言書には3つの種類があるのをご存知でしょうか。
公正証書遺言は検認が不要、自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認が必要です。
1.自筆証書遺言
故人ご自身が全文を書いた遺言書で、かつご本人が保管していた遺言書です。
自筆証書遺言には基本的なルールがあるのですが、なかなかルールどおりに作成できていないケースも多く、その有効性を含めて検認が必要となります。「検認前に開封厳禁」というものの、そもそも封筒に入っておらず、遺品整理の為に故人の机の引き出しを開けたら遺言らしきものを発見した!といったケースや、封筒に入っていたものの封がしていないケース、その封筒に何も書かれておらず中身が何であるのか分からなくて確認したら遺言らしきものを発見した!などなど様々なケースがあります。
また、遺言の内容が法的に正しいものなのかどうかはチェックされていない場合が多いため、検認後に文面が正しい形式で書かれているかなどチェックも必要となります。
2.秘密証書遺言
故人がご自身で作成した遺言書を公証人が存在のみを証明し、原本を本人が保管する遺言書です。故人のお住いの最寄りの公証人役場で確認すると、秘密証書遺言を作成したかどうかの確認ができます。
ただし、原本はご本人が保管しているため見つからない場合には遺言は執行されません。
この遺言を利用されるケースは稀ですが、封筒の裏面に公証人、証人の名前と捺印があれば秘密証書遺言となります。
3.公正証書遺言
公証人(専門家)立会いの下で作成され、前述の秘密証書遺言とは違い、原本を公証人が保管し、正本を故人ご本人が保管する遺言書です。故人の最寄りの公証人役場で作成の有無を確認する事が可能です。
封筒に「公正証書」とあるため分かりやすく、封筒に封がされていないことも多いです。こちらは前述した「検認」の作業が不要です。公正証書遺言は、公証人の指導のもとで作成しているため間違いも無く、そのまま遺言を執行できます。
如何だったでしょうか。今回は少し複雑なご説明になってしまったかもしれません。
もし、遺言かもしれないものを発見したのだけど・・・といった事がありましたら、可能な限り中本葬祭でもお手伝いさせていただきますし、必要に応じて弁護士さんをご紹介させて頂きますのでご一報下さいませ。
この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 係長 裏東 勢子