中本葬祭ブログ

お盆や法要の際になぜ「お団子」をお供えするの?他、作り方等

2019/08/24

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の裏東です。

 

お盆や法要の際にお団子がお供えされてあるのを見かけた事のある方もいらっしゃるかと思います。

新宮市や那智勝浦町周辺の葬儀などの仏事の場では、初七日などの法要時やお盆の際にお供えされる事が多いですが、

こちらの意味や理由についてはご存知でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、この「お団子」がなぜお供えされているのか?ということや、その作り方などについてもご紹介させて頂きます。

 

 

お団子をお供えする言い伝えのあれこれ

 

お団子に限らず、仏事で故人様や仏様にお供えされる食物については、全国各地で様々な説があります。

そうした様々な説を可能な限りご紹介させて頂きますね。もしかしたら、各地の方から伝え聞いているお話とはまた違った説もあるかもしれませんが、

あくまでも諸説ある情報の一つとしてご参考になれば幸いです。

 

名称について

使われるシーンによってもその名称が異なってくるようです。

「お供え団子」、「落ち着き団子」、「送り団子」、「お供え餅」、「枕団子」、「早団子」京都などでお盆に使われる際には「おけそく」

など、その名称は様々です。

 

使用される場面について

 

新宮市や那智勝浦町の葬儀の際では、主に初七日法要や四十九日などの法要、そしてお盆でお供えされる事が多いです。

関東地方などでは、葬儀の「枕飾り」の際に、「枕ご飯(仏飯)」や「浄水」と共にお供えされます。

関東地方などではこうした習慣から「枕団子」や亡くなって早い段階からお団子を作り始める様から「早団子(はやだんご)」と呼ばれているようです。

 

お団子の数はいくつお供えするの?

 

関東地方などでは「6個」お供えされる事が多いようですが、全国各地域の習慣によって「1個」・「7個」・「10個」・「13個」・「亡き人の年齢」・など、実に様々です。

こちらの地方ではお団子の数に関しての明確な言い伝えがないからなのか、その数は様々です。こちらも数による言い伝えが諸説あるようですので

以下にご紹介させて頂きます、



6個…仏教における六道(ろくどう)に由来して6個お供えすべしという説

六道とは…六道とは、輪廻する迷いの世界(天上道・人間道・畜生道・修羅道・餓鬼道・地獄道)を言います。

この他、葬儀や人の死に関するものには、「六文銭」「六地蔵」など「六」という数字がよく見られます。

六道についてはこちらで記載しますと非常に長くなりますので、また機会を改めてご紹介させていただきますね。


7個…①六道から脱して浄土へ生まれることを願って「六道の6+1」で7個にすべしとする説。
   ②初七日から四十九日までに、七日ごとに(七×七=四十九日)行われるという「死者の審理」の回数に由来する説
    この時に「追善供養」といって、仏教では死者が成仏できるように法事を営みます。

※ 浄土真宗では人は亡くなった際にはすぐに成仏されるとされています(即身成仏)

10個…初七日から三回忌までの「死者の審理」の回数(※十王仏信仰)に由来する説
   
   ※十王信仰:死者の審理を司る十王をまつって死後の罪を軽くしてもらおうとする信仰。
         閻魔大王もこの十王の一人で。五七日の審判者として登場します。

13個…初七日から三十三回忌までの追善供養に則した数(※十三仏信仰)に由来する説
   ※十三仏とは…死者の審理を司る「十王」は、実は、菩薩や如来が姿を変えたもので、
      その元の姿である「十仏」に「三仏」を加え、三十三回忌まで仏様をあてた「十三の仏様」をいいます。

十三仏信仰はこちらの地方でも根付いており、四十九日まで、そしてお盆や法要の際にも十三仏が描かれた掛け軸をかける習慣があります。

※ 浄土真宗ではこれら上記の教えはありません。


亡き人の年齢…長寿で亡くなった方に供えた枕団子を食べると、長寿にあやかれるという説

※浄土真宗では、死後すぐに浄土へ往生(即身成仏)するという教えのため、追善供養の教えはありません。
従って一膳飯・枕団子・浄水の準備も必要ない、とされています。
お気持ちで準備されたい方は、事前に菩提寺のご住職などに相談してみましょう。

 

また、お団子から少しお話がそれますが、こちらの地方では古くは四十九日の際にお餅を四十九個用意し、

法要の当日に四十八個をお寺にお供えし、残った一個を家の屋根を越すように投げるといった習慣も一部地域でありました。

地域によっては、屋根を越すように投げるといった習慣ではなく、用意したお餅を身内で切り分けで食べたりなどといった習慣もありました。

近年では、このような習慣もあまり聞かれなくなりました。

 

お団子がお供えされる理由

葬儀や仏事に関するお供え物としての食物は「故人の旅路のお弁当」のような意味合いでお供えされる場合が多いです。

こちらも諸説あるようですので下記に紹介させて頂きます。

 

1.お釈迦様が入滅(お亡くなり)される際、香飯を取られる事を拒否され、それでも何とか食べ物を召し上がっていただこうと考えた弟子がお釈迦様に供したとされる説。

2.人がなくなった後、善光寺に向かうとされる信仰があり、その旅路のお弁当として持たせるためにお供えされるようになったという説

3.お盆に故人が帰ってきた際、またお帰りになる際の旅の途中で食べてもらうという意味合いでお供えされるという説

 

お団子の作り方

 

それでは、これらのお団子の作り方(レシピ)についてご紹介させていただきます。

茹でて作る場合の作り方と蒸して作る場合と二種類ご紹介させて頂きます。

 

【材料】

・上新粉 約160g

・お水  約160cc

お団子の数などによって、上記は調整してくださいね

 

茹でる場合の作り方

 

1.ボウルに上新粉を入れ、お水を少しずつ入れながら混ぜます。

※ 一度に分量全てを入れずに固さを確認しながら少しずつ足すのがポイントです。

2.残りのお水を上新粉が耳たぶほどの固さになるまで確認しながら少しずつ足していきます。

3.出来上がったお団子を住まわれている地域の慣習の数に従って丸めていきます。数が多い場合は飴玉程度の大きさにしておくと良いでしょう。

※ 丸める際にはギュッと握らずに優しくまるめると形が崩れにくくなります

4.分量とは別に鍋にお水を張り、沸騰させたお湯の中にお団子をそっと入れます。

※ 乱暴に入れると形が崩れることがありますので注意しましょう

5.お団子が浮き上がってきたらザルに取り出します。

6.そのまま乾燥させると出来上がりです。

 

蒸す場合の作り方

 

1.予め蒸し器にお水を入れて沸騰させ、すぐに使えるようにしておきましょう。

2.ボウルに上新粉を入れ、お水を少しずつ入れながら混ぜます。

※ 一度に分量全てを入れずに固さを確認しながら少しずつ足すのがポイントです。

3.残りのお水を上新粉が耳たぶほどの固さになるまで確認しながら少しずつ足していきます。

4.出来上がったお団子を住まわれている地域の慣習の数に従って丸めていきます。数が多い場合は飴玉程度の大きさにしておくと良いでしょう。

※ 丸める際にはギュッと握らずに優しくまるめると形が崩れにくくなります

5.積み団子にする場合には、ここで予めクッキングシートの上などでお団子を積んでおくと便利です

6.蒸し器に入れ、お団子に照りが出るまで蒸します。目安として10分程度です。

7.出来上がったら、そっと蒸し器から取り出してそのまま乾燥させると出来上がりです。

 

 

まとめ

1.葬儀や法要などの際にお供えされるお団子には、地域により様々な言い伝えや習慣があります。

2.お団子の数やお供えされる場面も地域により様々です。

3.浄土真宗では、死後すぐに浄土へ往生(即身成仏)するという教えのためお団子はお供えしないことが多いです。

  お気持ちでお供えしたい場合には、菩提寺のご住職などにご相談してみましょう。

 

 

本日は以上です。

家族葬や仏事に関する疑問や質問もお気軽に中本葬祭までお問い合わせください。

中本葬祭 0735-52-4966

この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 係長 裏東 勢子