中本葬祭ブログ

お盆や葬儀で落雁をお供えする意味とは?

2019/08/15

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の裏東です。

お盆やお葬式の供物としてよく用いられる「落雁(らくがん)」。

お仏壇などでもよく見る砂糖菓子で、夏頃になりますとスーパーなどでお盆のお供え用としても販売されているのを多く見かけますよね。

中本葬祭では葬儀のお供えとしては現在取り扱いはありませんが、地域によっては葬儀の供物として根強く残っている所もあるようです。

 

今回は、なぜお葬式やお盆、お仏壇などで落雁がお供えされるのか?という理由のほか、

砂糖菓子である落雁は、実際に食べることもできますので、残った落雁の活用方法も一緒にご紹介させていただきますね。

 

お葬式やお盆の際にお供えする落雁とはどんなお菓子?

落雁(らくがん)とは、仏式の葬儀やお盆などの法要、お仏壇のお供物としてよく利用されるお菓子です。

米や大豆などの穀粉と砂糖を使って作られ、甘くて乾燥した「干菓子」というタイプのお菓子です。

蓮の花や菊の形に仕上げられ、色も白をはじめとして緑、ピンク、黄色などが見られます。

当地方では葬儀会場の祭壇や法事の場面よりも、むしろお盆の際に最も目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

 

もともと落雁は中央アジアが発祥とされ、室町時代に中国の民から日明貿易を通じて日本に伝来したと言われています。

その後日本の茶道の広まりと共に、改良されながら日本全国へ広まり、現在の形になりました。

 

落雁と一口に言っても、中には高級和菓子ともなる落雁もあり、なかでも高級砂糖の「和三盆」で作られる落雁は最高級品。

茶道のお茶菓子としても、葬儀や法要での供物としても欠かせないものになっています。

ご覧の方の中には、この「和三盆」で作られた落雁をお茶の席などで出され、それとは知らずに食べられた経験のあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

葬儀やお盆の際に落雁がお供えされる理由について

お葬式や法事、お盆の際に落雁がお供えされるようになった理由は諸説あります。

  1. 目連僧侶の行った「百味飲物(ひゃくみおんじき)」が由来

    目連(もくれん)という僧侶がお釈迦様の教えに従い、亡くなった自分の母親だけでなく、その他の恵まれない人たちに対しても100種類を超える食べ物や珍味を施す「百味飲物(ひゃくみおんじき)」を行ったことが由来と言われています。

    お話が脱線してしまいますが、お盆(初盆)飾りで様々な野菜や果物、それらを使った食べ物などを飾りますが、これらもこの「百味飮食」の考えが一部、元になっているそうです。

    昔は甘いお菓子は貴重で贅沢な食べ物だったため、特に落雁をお供えするようになりました。

  2. 大切な仏様に高級品(貴重な品)をお供えするという考え方

    昔は、白い砂糖はなかなか手に入らない貴重な品であり、手に入ったとしても非常に高価なものでした。

    また「白」という色は故人が棺に収まる際に身に付ける白装束の色。

    俗世に染まらず純粋な魂で旅立つという意味を持つとも言われ、仏教と深い関わりを持つ色でもあります。

    このような意味を含めて、祭壇や仏壇に白い砂糖を供えて仏様を祀ったという説があります。

  3. 願掛けの意味が込められている

元来、落雁はお菓子のため、ずっと飾っておくわけにはいきません。

いずれなくなる消耗品であることから「不幸がずっと続かないように」と願う願掛けの意味が込められているという説もあります。

 

とはいえ、現代ではお盆などのある一定期間は保存できるよう、また虫よけの理由もあり、白砂糖のみで作られた落雁などは真空パックされている品も見受けられますね。

 

捨てるのはちょっと待って!残った落雁の活用法はこちらです

四十九日などの法要、そしてお盆が終わった後は、お供え物は全て下げることになります。

供花や供物を親族で分けて持ち帰ったりもしますが、落雁は砂糖でできているお菓子ですので食べて頂いても何ら問題ありません。

そのまま食べるのはちょっと…という方は、下記のような食べ方はいかがですか?

 

1.温かい飲み物に甘味として入れる(白砂糖のみで作られた落雁の場合)

 

白砂糖のみで作られた落雁でしたら、日常飲まれるコーヒーや紅茶、などの温かい飲み物にポンと入れて飲むのが一番お手軽です。

大根おろし器ですり砕いて、ジップロックや密封式の瓶で保存しておくと使いたい分だけすぐ使えてとても便利です。

 

2.お手軽落雁クッキー


次は先程の落雁を使ったクッキーのご紹介です。

材料

すりおろした落雁90g
溶かした無塩バター100g
薄力粉120g
 
作り方
上記の材料を混ぜて一口大に成形。170℃に予熱したオーブンで20分焼くだけです。お手軽でサクサクのクッキーが出来上がりますよ。
 
3.葛粉を使った落雁リメイクお菓子
こちらはお盆などでよく見かける下記の画像のような落雁を使います。
材料
 
落雁1パック
葛粉50グラム
500~600 cc
抹茶、きな粉、砂糖少々
 
作り方
 
1.落雁を濡らして絞ったクッキングペーパーで包み、更にラップをしてレンジで1分加熱した後にミキサーで粉々に砕きます。
2.葛粉に分量の水を少しづつ入れつつ弱火で加熱し、透明になるまで練り上げます。
3.1の落雁を入れ更に練り上げます。
4.型に流し入れ、冷やします。固まりましたら、お好みで抹茶と砂糖や、きな粉と砂糖をかけて食べると冷たくて優しい味のお菓子になります。
 
 
 
 

まとめ

1.落雁とは米や大豆などの穀粉と砂糖を使って作られ、甘くて乾燥した「干菓子」というタイプのお菓子です。

2.落雁がお供えされるようになった理由は

  1.目連僧侶の行った「百味飲物(ひゃくみおんじき)」が由来という説

  2.砂糖は昔はとても貴重で高価な品であったため、故人のために特別な品をお供えしようという説

  3.いずれ無くなる消耗品であることから「不幸がずっと続かないように」と願う願掛けの意味という説

  などの諸説があります。

3.お手軽落雁レシピについて

 

 

本日は以上です。
分かる範囲でお答えいたしますので、仏事に関する疑問・質問も中本葬祭までご相談ください!
中本葬祭 0735-52-4966
 

この記事の著者:(株)中本葬祭/美装企画部 係長 裏東 勢子