中本葬祭ブログ

お葬式で渡される「清めの塩」はどう使う?使わないとダメ?

2019/08/20

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の坪田です。

お葬式に参加すると会葬返礼品と共に渡される事の多い「清めの塩」。

「お清めに使うんだよな…」と思っても、
なぜ清めの塩を使うのかといった詳しい理由や具体的な使い方はわからないという方も多いのではないでしょうか。


今回はそんなお葬式の際に渡されることの多い「清めの塩」についてのお話です。


1.清めの塩そもそもの由来や具体的な使い方は?

2.清めの塩は必ず使わなければならないのか?

今回はそんな疑問に対してご紹介させていただきます。


お清め塩を使う意味などについて

お葬式で「お清め塩」を使う意味とは?

「清めの塩」は死の持つ「穢れ(けがれ)」を祓い清め、不浄や穢れを自宅に持ち込まないといった理由で用いられます。

実はこの「死」=「不浄・穢れ」とする考え方は、日本古来の宗教である神道の考え方が起源になっています。

神道では不浄・穢れは神様の力をなくすものとして古くから忌み嫌われていました。

神道では「塩」は穢れや邪気を祓い清める効果があるとされていて、お払いやお清め、神道の儀式などで今日まで使われてきたのです。

身内が亡くなったことを「穢れ」というのは少し気分の良くない聞こえ方がするかもしれません。

「けがれ」は気が枯れていると書いて「気枯れ(けがれ)」とも言い、身内が亡くなり、それにより気分が落ち込み元気がなくなっている状態も指します。

清め塩はこの「気枯れ(けがれ)」の状態を祓うための意味でもあります。

 

お清めの塩を使うタイミングと正しい使い方について


葬儀から帰宅して自宅玄関に入る前に
葬儀から気枯れ(けがれ)を自宅へ持ち込まないために、家に入る前に清めの塩を使います。

【使い方は主に2通りです】

1.ひとつまみ程度塩をつまみ、胸・背中・足元の順に塩を振る

2.足元の塩を踏んでから家に入る

塩をかける順番は体に血が巡る順が良いとされています。

衣服についた塩はしっかり払い落としてから、家に入るようにしましょう。

葬儀に参加していない家族が家にいる場合は、その家族に塩を振ってもらうという方法もあります。

※清めの塩の使い方は地域や風習によって異なる場合があります。
新宮市の葬儀、那智勝浦町の葬儀の周辺地域も上記の使い方が主になっていますが、
太地町の葬儀の現場では、上記とは少し違った使い方がされていますので、下記にご紹介させていただきます。

 

太地町の葬儀の場合の「清め塩」の使い方(ご参考)

自宅や集会所、式場の玄関口に白木のお膳の上に半紙を敷き、その上に山盛りの塩を盛ります。

弔問者や参列者にも新宮市や那智勝浦の葬儀同様に会葬返礼品と共に「清め塩」は手渡されますが、それとは別に式場を後にする前に

玄関口の盛り塩をごく軽くひとつまみ手に取り、身体に塩を降った後に最後に手に残った塩を軽く口にする。

※ 塩を軽く口にするのみの方もいらっしゃいますし、上記に加えて自宅に入る前に受け取った清め塩を使われる方もいらっしゃいます。

 

清めの塩を使うのを忘れてしまった場合は?


「家に入る前にうっかりお清めをするのを忘れてしまった!」という場合でも、あまり神経質になる必要はありません。

お清めを忘れたからといって縁起が悪い、不幸になるといったことはありません。

どうしても気になる場合は喪服のまま再度玄関から出て、塩で清めてから家に入れば大丈夫です。

 

「盛り塩」は意味合いが少し違いますので注意しましょう


同じ塩を使った「盛り塩」ですが、これは中国の故事が起源になっている縁起担ぎや厄除けの為に用いられるものです。

商売繁盛や縁起担ぎの意味や願いを込め、皿に盛った塩を玄関先や店先に置くもので、「穢れを祓う」神道の清め塩とは意味合いの違うものになります。

 

神道以外では不必要?お葬式の清めの塩が風習で残っている理由


上記でご紹介した通り、本来「清めの塩」の考え方は神道によるものが起源なので、神道系以外の葬儀では必要のないものと言えます。

仏教やキリスト教では「死」を「穢れ」とは考えてはいませんし、塩に穢を祓う、魔除け等の効果があるという考え方も存在しません。

仏教においては香を焚く事(抹香で焼香やお線香をあげる)こそが「清め」であり、香を焚くことにより、

まず多くの煩悩にまみれ汚れた我が身を清めた後に仏様である御本尊に手を合わせる。といった教えをくださるお寺様もいらっしゃいます。

しかしながら元々神道だった日本では、神道の考え方や風習が現代の生活にもたくさん根付いており、今でも仏教の葬儀では多くの場で清め塩が配られる場合があるのです。

ただし仏教の中でも浄土真宗では死を穢れとするのは故人を侮辱する行為だとして、清め塩は使用してはならないとするお寺様もところによりいらっしゃいます。

このように、ところによっては現代では清め塩の風習自体が少しずつ減ってきているようです。

神道以外であれば、清め塩をもらったからといって必ずお清めをしなくてはいけないということではないのです。

「使わなかったり余ったりした清め塩はどうしたら良いか」と悩まれる方もいらっしゃいますが、普通に捨てていただいて問題ありません。

場合によっては湿気防止に乾燥材が入っていたり、食用塩ではない場合もあるので、くれぐれも食べたり料理に使ったりしないようにご注意ください。

 

まとめ


・「清めの塩」とは神道の考え方が起源になっており、死の持つ「穢れ(けがれ)」を塩によって祓い清めるものです。身内を亡くして落ち込んだ気持ちの「気枯れ(けがれ)」を祓うというものでもあります。

・清めの塩は葬儀から自宅に戻ってきた時に、それぞれ建物中に入る前にお清めを行います。もしお清めを忘れて家に入ってしまっても特に問題はありません。
気になる方は一度外に出てお清めをし直せば大丈夫です。ちなみに店先や玄関先に置く「盛り塩」は中国の故事が起源になっている縁起担ぎですので意味合いが違います。

・清め塩は本来神道の考え方ですので、仏教、キリスト教、無宗教など神道以外の宗教で行う葬儀では必須ではありません。
しかし、日本古来の宗教である神道の風習は日本人の生活に深く根付いており、仏教葬儀では清め塩が配られることが多々あります。
ただし、浄土真宗では死を穢れとするのは故人を侮辱する行為として清め塩は使用してはならないとするお寺様もいらっしゃいます。

 

 

 

本日は以上です。
分かる範囲でお答えいたしますので、家族葬や仏事に関する疑問・質問も中本葬祭までご相談ください!
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この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 課長 坪田 玲子