中本葬祭ブログ

そもそも戒名とは何なのでしょうか?

2019/09/23

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の内村です。

 

仏式でお葬式をあげる場合、特段の理由が無い限りは故人に戒名を授けていただきます。

お葬式は質素にと思っていても「お寺様との話し合いの結果、戒名が位の良いものにとなり、結果として葬儀費用の総合計が思った以上にかかってしまった」とか「戒名を一番下のものでお願いしたい旨をお寺様に伝えてくれませんか?」といったお願いを賜ることがあります。そんな「戒名」ですがそもそも一体何なのか?といったところを本日はご紹介させていただきます。

 

戒名とは?

 

極力、噛み砕いた形でご紹介させていただきますと、日本のお葬式、仏式のお葬式とは亡くなった方をお坊さんにして送り出す儀式と言えます。お坊さんとして新しい名前を頂きます。『仏教の戒律を守る人』としての戒名を授かるのですね。これは仏教に限らずどの宗教でも、出家した場合には名前を変えます。日本の場合、特にそれが顕著であり、茶道等でもそうですが○○道に入ると名前を変えるという文化が古くから日本にはあります。そして、それらの多くはすぐに名を変えられるわけではなく、ある程度の上達の後にそうなることが多いですよね。例えば芸事の道では「名取り」という制度があります。実力がつき、家元から一門として認められ、名前を頂きます。他にも書道や日本画の世界などでも「雅号(がごう)」という別の名を名乗ります。このように名前を師匠から頂き、名乗るのは日本の文化として珍しくないことです。

戒名には「高い」ですとか「安い」ですとかいった話を良く耳にされるかと思いますが、これには仕組みがあります。仏教の世界においてもやはり、基本的に修行を積んで行けばお名前は頂戴できるのですが、仏教に限った話ではありませんが『大した修行もせずに名前だけはすごく良い名前を』となった場合には、修行とはまた別な形での貢献が必要になります。このように、資金面等で一門の援助をする事を「旦那(だんな)」と言います。現代風に言い換えるならばスポンサーのようなものですね。こうした形で良い名前を頂くという方法もあるのですね。

昔の武士も免許皆伝の方法も2種類あり、名家の武士の息子がお金を積んで免許皆伝を授かる方法と、その道場で本当に修行して免許皆伝という方法と2種類が存在していたようです。ですので、私達は日常生活の中で仏道に対する修行をしている人はほとんどいないわけですので、あくまで戒名に対してはお布施という形でお寺に貢献する事によって授与して頂くという形が多くなっています。

 

戒名の構成について

戒名の構成についてご紹介させていただきます。なお、以下は浄土真宗における法名とは異なります。

浄土真宗の法名についてはまた後日、ご紹介させていただきますね。

戒名の構成は基本的に下記のような形になっています。

  • ○○院△△□□居士(男性)
  • ○○院△△□□大姉(女性)

まず、○○院にあたる院号(いんごう)についてですが、生前に寺院や宗派に対して多大な貢献をした者、または社会的に多大な貢献をした者に与えられる尊号です。例えば、皇族であらせられます三笠宮様の宮の字は宮殿の意味です。また、歴代の天皇や上皇は○○院様というお名前がありますが、これはお住まいの建物の名前です。本来、戒名というのは□□の部分のみです。身分の上下や精進、報恩の多少に関係なく、仏の世界が平等であることを本来表しているのですが、その全てを「戒名」として捉える事が一般的に通例化しています。

△△の部分は「道号(どうごう)」と言います。字(あざな)に相当するという説など諸説あるようです。もともとは中国で生まれ、それが禅僧によって日本に伝わり、戒名の上に付けられるようになりました。宗教活動や公益活動の功績により、道号の長さは異なりますが、多くの場合は二文字で構成される事が多いです。浄土真宗ではこちらは付与されることはありません。

□□にあたる部分が戒名にあたるのですが、その下につきますのが「位号(いごう)」と言います。こちらの位にあたる位号ですが、一般的に「居士・大姉」、「信士・信女」が多く使われます。「居士・大姉」はあつい信仰を持った信者に贈られる位号とされています。「信士・信女」とは、信心深い人、信仰がある成人の男女に対して付けられます。成人とする年齢については諸説あるようですが、18歳以上とするのが一般的です。また、宗派により清士・清女、清浄士・清浄女、善士・善女などとなっています。

ですので、一般としては△△□□信士といった構成が最も多い戒名の構成と言えます。こちら以上を希望した場合には前述の例のような形で貢献する形が必要になり、現代ではそれがお布施の金額に変わっているのが現状です。

 

多くあることだけれども絶対ではないこと

良く、生前の名前から一文字を戒名にというのが事例として多くありますが、必ずしもそうなるとは限りません。戒名を授けるお師匠である菩提寺のご住職が、戒名に馴染みを持って欲しい等の願いを込めてそのようにされている訳でして、絶対にそうしなければならないからされているという訳ではないです。勿論、そうではない事例もありますので、この機会に覚えておいて頂けたら幸いです。また、どのような戒名であれど、菩提寺のご住職が故人や遺された家族のことも思い、真剣に知恵を絞って考え授与してくださるものですから、ありがたく拝受したいものですね。

 

如何だったでしょうか。本日は以上です。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/業務執行役員 部長 内村 恵