中本葬祭ブログ

なぜお稲荷さんは油揚げが好物なの?

2019/09/20

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の裏東です。

 

日本全国各地にあるお稲荷さん。参拝に行かれた経験のある方も多いかと思います。

お稲荷さんの好物は油揚げという事も広く一般的に知られている話かと思いますが、本日はなぜ、お稲荷さんの好物は油揚げなのか?という事についてご紹介させていただきます。

 

お稲荷さんについて

そもそも民間信仰なので、様々な説があるようです。そもそもお稲荷さんと聞くと狐を想像するかと思います。狐が神様であると思ってらっしゃる方も決して少なくないのではと思いますが、実は狐は神様の使いであって神様ではありません。では、お稲荷さんの神様は?という事になりますと、私の知る限りでは2つの説に分かれるようです。

一つは「宇迦之御魂神【うかのみたまにかみ】=穀物の神様の尊称」であるという説。宇迦之御魂神は別名で「御饌津神【みけつのかみ】」と言います。狐の古い名を「けつ」と言いますが、御饌津神様を「三狐神【みけつのかみ】」様と理解し、狐が稲荷神様の使い、あるいは眷属(手下)であるとされました。また名前の「うか」は穀物・食物の意味で、穀物の神であり古くから女神とされてきました。

 

もう一つはインドの吒枳尼天(だきにてん)という説です。天というのはもともとは鬼神(異国の神)ですが、改心して仏様の弟子として天と呼ばれるようになりました。天=神様という意味です。半裸で白狐にまたがる女天の姿で描かれています。

こちらを読んでいただいて、あれ?とお思いになった方も多いかと思います。

なぜなら、神社は神道なのになぜ仏教の話を?という風に思いますものね。

しかしながら、お稲荷さんは神社はもちろんですが、お寺にも存在するのです。昔は神仏混交だったのですね。中本葬祭のお隣にあります圓心寺様の境内にもお稲荷さんがあります。お寺にあるお稲荷さんはこちらの吒枳尼天様だと言われています。

ただ、いずれも穀物の神様であり、女神様であるということは共通しているようですね。そして、そのお使いが白狐であると言われています。

やはりその土地土地の民間信仰も混ざっておりますので、山神様であるという説や動物の神様であるという説もあります。

 

お稲荷さんの狐の好物がなぜ油揚げなのか?

 

今回の本題である狐の好物がなぜ油揚げなのか?という件ですが、こちらも諸説あるようですが、最も有力と思われるものが、元々はお稲荷さんにネズミの天ぷらや〇上げをお供えしていたようです。

お稲荷さん(穀物の神様)は農作物を食い荒らすネズミを獲ってくれる狐を使いに出してくれました。ネズミは狐の好物なのだそうです。そして、稲作農家だけでなく、明治大正期に増えた養蚕農家でも信仰されたようです。ネズミは蚕の天敵なので、そのネズミを獲ってくれるのは非常にありがたい存在なのですね。

そうしてお稲荷さんは農作物の豊穣、養蚕の発展を祈願するため信仰が増えていきました。昔話の怖い話で『化け猫が油を舐める』という記述がありますが、肉食動物にとって油分のあるものはご馳走なのですね。そういう話もあり、油で揚げたネズミを供えるという話にもなったようです。大豆はもともと「畑の肉」とも言われておりますので、その加工品である豆腐、その豆腐を揚げた厚揚げや油揚げをお稲荷さまへのお供えにするようになったという説があります。

もう一つの説は穀物の神様へのお供えだからという説です。もともとは稲穂や豆をお供えしていたそうです。五穀、つまり五種の主要な穀物(米・麦・あわ・きび・大豆などの豆類)をお供えしていましたが、そこから豆の加工品である油揚げとなったようです。油で揚げているもの、つまり高カロリーな食べ物は昔はご馳走とされていたようです。神様へお供えするものですから、ご馳走をというところから油揚げとなったという説。

また、別な説として稲荷寿司の原型が油揚げを煮て、その中にお米を沢山詰めてお供えしていたようですが、その姿が油で揚げたネズミに似ているという説。また、稲荷神様はもともと農耕の神様(五穀豊穣の神様)ですから、油揚げにお米をいっぱい詰めたものを米俵に見立てたという説、また、これらから稲荷寿司を「お稲荷さん」と呼ぶようになったという説など実に様々な説があるようです。

如何だったでしょうか。本日は以上です。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 係長 裏東 勢子