こんにちは。
ありがとうで送るお葬式®
家族葬の中本葬祭、内村です。
お葬式に御参列された経験のある方で、創価学会の葬儀、家族葬(※創価学会の葬儀は【友人葬】と言います)に参列された経験がある方がいらっしゃるかもしれません。
人口約29000人の新宮市や人口約17000人の那智勝浦町にも、創価学会の会館がございます。
創価学会は信者数がとても多い宗教で、中本葬祭でも数多くのお葬式・友人葬のお手伝いさせていただいております。
今回はそうした創価学会の葬儀や家族葬、そして知っておきたいマナーを中心に御紹介いします。
参列のご経験のある方もそうでない方もここで一度見てみましょう。
※友人葬の祭壇飾りの一例です。真ん中の「厨子」に「御本尊」をおかけします。
【創価学会とは】
創価学会は1930年(昭和5年)「創価教育学会」を設立しました。の際の教育理論擁立の為に「日蓮正宗」の信仰の一部をとり入れました。
その後は信仰を中心とする団体に発展し1952年(昭和27年)「宗教法人」の資格を取得し、
「生命の尊厳」の確立に基づく「万人の幸福」と「世界の平和」の実現が、創価学会の根本の目標としています。
法華経系の在家仏教の団体として現在日本では827万世帯の信者を有しているといわれています。
【友人葬】とは
お葬式(友人葬)では僧侶は呼ばずに創価学会より「儀典長」と呼ばれる導師が、「友人」の代表として勤め、
導師や副導師にはお布施の用意などは原則必要ありません。
御会葬の方も故人や家族に親交のある方を含め、創価学会でつながりのある方が多く参列されます。
ですので、創価学会友人葬は一般会葬者も来る「一般葬」に分類されます。
また、家族・親族のみでお葬式を行い、導師を家族の方がされる方も少数ではありますがいらっしゃいます。
【友人葬の祭壇や供花の選び方】
10年程前の新宮市・那智勝浦町を含めた近隣の地域では、祭壇に「樒(しきみ)」を使われることが多く、
少しであれば菊や洋花を入れても可、ただしその場合にも白色が好ましいとされていました。
中には祭壇にお花を全く入れることなく、全てを「しきみ」で希望される方も多くいらっしゃいました。
近年の友人葬の祭壇には、ご本尊の近くに樒があれば良し(御当家や御導師様のお考えにもよります)とされていますが、
実際の祭壇では菊、又は洋花を中心にして一部に樒をおり混ぜる祭壇が少しずつ増えているように感じます。
中本葬祭でも上記の写真のように、御当家の希望により、洋花を中心とした祭壇をご用意させて頂いております。
【樒(しきみ)】について
ところで、こちらの地方ではご年配の方に特に多く「しきみ」を「しきび」と言う方がいらっしゃいますが
地方によりシキビ、ハナノキ(カエデ科にも別にハナノキがあります)、ハナシバなどともいうようです。
しきみの語源は、四季とおして美しいことから「しきみ しきび」となったと言う説、また実の形から「敷き実」、
あるいは有毒なので「悪しき実」が転じて「しきみ」となった等、諸説言われがあるようです。
【友人葬】のマナーは?~葬儀・家族葬に参列する場合の注意点~
【服装や持ち物】
服装や持ち物は、他宗派など一般的なお葬式とほとんど変わりません。遺族・親族は喪服を中心とし、
会葬の方は華美な服装は避け、殺生を連想される革のバックなどは避けるようにしましょう。
ご自分の宗派用でも構いませんので念珠(数珠)を忘れず持っていく事をおすすめします。
【供花について】
以前は会場に送られる供花といえば樒だけのものも目立ちましたが、近年の新宮市・那智勝浦町を含めた近郊では、
一般的な菊や洋花をあしらったお花を御供えされる方が多くなってきております。
葬儀社で用意されてあるカタログ等からお好きな供花を選んでも問題ありませんが、
御当家の意向をお伺いの上、手配される事をお勧め致します。
【参列者のマナー】
お通夜や告別式での式中は、抹香を主に使用し、導師が焼香した後に遺族・親族のあとに一般会葬者へと続きます。
焼香の仕方は額にいただき3回行う事が一般的です。
(地域・葬儀場にもよります。また、大勢の方が待っている場合は回数を減らすなどの配慮をおすすめします)
ご自分の確固たる宗旨をお持ちの方は、その教えの通りにされても問題ないでしょう。
お葬式以外でのお参りでは創価学会専用の長細い黒い香炉(下記画像ご参照ください)に「お線香」を寝かせます。
円形の香炉が置いてある場合も同様に寝かせるのがマナーです。
【香典に関して】
仏式の香典袋を使い、額に関しては一般の葬儀や家族葬と変わりません。
他の方と同様にお付き合いに応じた金額で良いでしょう。
新宮市・那智勝浦町周辺での友人葬に於いては御当家のご意思により「御香典・御供物・供花のご辞退」をされる方が多いです。
【絶対にしてはいけないNGマナー】
御本尊の写真を撮ってはいけません!
祭壇の最上部にある御本尊を写真にとることは絶対に行わないでください。
スマートフォンなどで会場内にて写真を撮る際には画角に入らないように最大限の配慮が必要です。
中本葬祭ではお葬式の写真を撮影する際には、御本尊が入っている厨子(ずし)が映り込まないように配慮をしております。
【御本尊の取り扱いについて】
創価学会の方は「御本尊を」を非常に大切にしています。
取扱知識のない部外者が簡単に触れることはもってのほかです。
私たち中本葬祭では高所にご本尊を掛ける事が多く、取り扱いの際には白い手袋で御本尊を取り扱い、
息がかからないようにお樒の葉一枚を口にくわえて取り扱っていらっしゃる地区役員様の姿を拝見します。
ご遺族様は御本尊をとても大切にしている事を知っていますので、万が一にでも落としたり引っかけたりもできません。
その為、御本尊を取り扱う際はとても緊張が走ります。
【友人葬の流れ】
新宮市・那智勝浦町近隣における友人葬の主な流れは下記の通りです。
・開式
・読経・唱題
・導師よりお話
・焼香
・お題目三唱
・閉式
地域によって若干異なりますが、仏式とは大きな違いはありません。
導師・副導師は会葬者席の最前列に待機して開式時に導師・副導師の席に座ります。このため導師の入場・退場はありません。
尚、お柩に添えるお別れのお花は使用しますが、お樒は別途必要とされる御当家が多いです。
【友人葬は異質?】
初めて友人葬を経験する会葬者の中で「友人葬は独特だ」とか「友人葬は何とも表現し辛い雰囲気がある」との声を耳にすることがあります。
理由としては創価学会の方の参列が多く、導師と一緒に読経やお題目を一緒に唱え、大きな合唱のようになるその迫力からだそうです。
それは仏式の読経にはない、大きなものとなります。
すべての会葬者は故人又は遺族の友人として参列をされていると思います。
全ての読経は難しいかもしれませんが、お題目の「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう)は耳にしたことがあると思います。
ですので「故人の為」とご一緒に唱えてみてはいかがですか?「郷に入りては郷に従え」ではありませんが、
ご自分が参加すると、もしかすると独特だとか異質だなどと感じることは少なくなるのではないかと思います。
また、創価学会友人葬は旧来より同じ志を持つ同志を中心とした葬儀の形です。
視点を変えれば現代の家族・親族そして旧知の友人・知人を主な会葬者として執り行われる家族葬のはしりとも取れ、
現代の家族葬の形式が創価学会友人葬の形に近しくなってきたとも取れるかと思います。
まとめ
・創価学会とは法華経系の仏教団体で日本だけでも827万世帯の信者を有し国内最大規模です。
・友人葬とは、僧侶を呼ばずに創価学会の学会員の方より「友人の代表」として導師を務めます。
・友人葬ではお焼香(抹香)を使用しますが、お線香を使う場合は寝かせます。
・写真撮影は慎重に! 絶対に「御本尊」が写らないようにしましょう。
・友人たちで行うお葬式です。同じ友人として一緒に手を合わせて可能であればお題目のお唱えや読経も一緒にしましょう。
何かご不明な点がございましたら中本葬祭までご相談下さい。可能な限りお答えさせていただきます。