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ありがとうで送るお葬式®
家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の中本です。
近年増えてきている「家族葬」。中本葬祭でお手伝いさせて頂く葬儀も87%の方が「家族葬で」と希望されます。しかし、家族葬はまだ比較的新しい葬儀の形です。家族葬という言葉の響きから「こじんまりと質素で費用がかからない葬儀」というイメージ抱き、ご希望されるのではと思います。
しかし、改めて「家族葬とは?」と考えた際、規模や費用感はもちろんのこと、具体的にどのような葬儀であるのかご存知でない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は家族葬について詳しくご説明します。
一般的な考え方やメリット、家族葬を行う上での注意すべき点などをご紹介します。
家族葬の定義や目的について
近年希望される方が増えている「家族葬」ですが、葬儀の形式や内容についてこれと言って決まった定義があるわけではありません。
全国的に一般的な「家族葬」の考え方は、「家族や親族など故人と関係が深かった方のみで執り行う葬儀」というものです。「家族」以外にも、故人とごく親しかった友人などが参列する場合もあります。
ですので本来一般的な葬儀でよく見られるご近所や仕事関係の方々へは参列をお断りします。
そうする事で義理やお付き合いでの弔問客が来なくなります。そうすことで弔問客への準備や対応が減ります。
そうした弔問客や義理やお付き合いで来られた方への対応が無くなる分、家族と故人の最期の時間をゆっくりと大切に過ごすことができる葬儀の形なのです。
しかしながら、冒頭の通り言葉の響きやなんとなく感じる費用感の安さのイメージだけを捉えて希望され、
本来の「家族や親族など故人と関係が深かった方のみで執り行うことにより、家族と故人の最期の時間をゆっくりと大切に過ごすこと」という家族葬の本来の目的とは違った結果になっている事が多いように感じます。
親戚はどこまで声を掛ければ良いのでしょう?
「家族」「親族」「ごく親しい友人」これが一般的な家族葬の参列者です。
このうち「親族」についてはどの範囲まで葬儀のご案内を出すべきかお悩みですよね。
こちらについても具体的な決まりはありません。
どの範囲までお呼びするかは、それまでの親戚付き合いの度合いによると言えるでしょう。
基本的にはお付き合いがある親戚の方には声をかけるようにしましょう。
迷うくらいであればお声がけした方が無難です。
親戚の方へ訃報そのものを知らせないと「どうして知らせてくれなかったんだ!」と後々トラブルになりかねません。
高齢や遠方で参列が難しそうな親戚へは訃報を伝えたうえで家族葬のご説明をした上で、無理に参列される必要はない旨をお伝えすると良いでしょう。
「家族葬」と時々耳にする「密葬」の違いとは?
家族葬と同じく家族や親族中心で行う葬儀として「密葬」と呼ばれる葬儀の形もあります。
こちらもご近所や仕事関係の方はお呼びしないという点で家族葬と似ていますが、家族葬と密葬の違いは「本葬の有無」です。
家族や親族、親しい知人のみで行う「家族葬」はそれを持って葬儀が完結するのに対し、「密葬」の場合はその後に一般会葬者を呼ぶ「本葬」を行います。
「本葬」は「社葬」や「合同葬」「お別れの会」「偲ぶ会」「追悼式」など様々な形式があり、宗教家による葬儀のみならず無宗教形式で行われることも多いです。
故人が有名人や会社の社長などの場合、一般葬のみとした葬儀を行うと、大勢の弔問客・参列者が来ることが予想され、遺族はその対応に追われることになります。
そこで先に近親者のみで故人とゆっくりお別れを行う「密葬」をし、その後一般会葬者を呼ぶ「本葬」を行うのです。
家族葬をする前に考えておくべき利点と注意点
近年執り行われるケースが増えてきているとはいえ、家族葬はまだ新しい形の葬儀です。
家族葬ならではのメリットもありますが、その反面で注意しておかなくてはいけないこともあります。
以下に記載させていただきます。
家族葬の利点
・一般会葬者がいないため弔問客の対応に時間を割かれることがなく、故人との最期の時間をゆっくりと過ごすことができる。
・参列人数が限られるため小規模葬儀となり、葬儀費用が安く抑えられる可能性がある。
・葬儀形式が自由なため、宗教儀礼にとらわれずに故人や遺族の想いを反映させた葬儀内容にすることも可能。
家族葬を検討する上での注意点
・葬儀は家族葬で行いたい旨を説明し、一般の参列をご辞退する旨もはっきりしておきましょう。
「せっかく弔問・参列しようと考えてくれている人をお断りするのは申し訳ない」と参列される方の範囲があいまいになってしまいますと、いわゆる「質素な一般葬」となんら変わりない形式になっていまい、本来家族葬を選択することで得られる「故人との最期の時間をゆっくりと過ごすこと」が難しくなる場合があります。
※ もし費用を少しでも抑えようと言う点を重視し、家族葬を選択肢として検討される場合には「小規模な一般葬」とし、一般の弔問・参列もお迎えし「香典を受け取る」事も選択肢の一つです。
・訃報そのものを連絡すべき親族に連絡しておかないと「どうして呼んでもらえなかったんだ!」「〇〇さんを呼ばないなんてとんでもない!」とトラブルになる可能性がある
・名称のみが家族葬となり実際の葬儀内容が一般葬となんら変わりない場合、時によっては一般葬と変わらない金額になる場合があり、香典を辞退する形式にすると逆に持ち出し費用が高くなってしまう可能性があります。
・葬儀後、葬儀に参列しなかった方々や訃報を後に知った方が自宅弔問に大勢来られる可能性があり、個別に対応が必要となりますので、自宅を不在にし辛くなる可能性があります。
故人や遺族の意向に沿った葬儀を行いたいのはもちろんです。
しかし同時に、葬儀とは他の一般会葬者にとっても故人との最期のお別れの場となります。
一般的に葬儀には家族さえも知らない、故人の生前の友人・知人を始めとするご縁のあった方も参列されます。
そのような方々へも失礼のないよう、配慮を欠くことのないようにしたいものです。
「家族葬」における日本人らしい思いやりの形
「家族葬」という葬儀形式が増えてきた昨今、「家族葬」という言葉は一つの社交辞令として少しずつ機能するようになり始めました。
家族葬を希望していても、不幸があった際に「家族のみでお別れをしたいので一般会葬者は来ないでほしい」とお断りするのはあまりにも不躾すぎます。そこで「家族葬なので一般会葬者はご辞退させていただきます」と言うと、言われた方も「家族葬だったら家族のみですよね」とそれ以上は踏み込まない配慮の形が少しずつではありますが、生まれつつあります。
これは角を立てずに参列をお断りする、また言われた方も「家族葬」という言葉から察して適度に距離をとる日本人らしい配慮の形となりつつあります。
ただ、まだまだ家族葬は新しい葬儀形式のため、理解の少ない方や、特に日頃のお付き合いの薄い親戚の方に対してはきちんとご説明をすることをおすすめします。
まとめ
1.家族葬とは家族、親戚などを中心に故人と親しい関係の方だけで執り行う葬儀の形です。親戚にお声がけされる場合にはどの範囲の親戚までお声をかけるかは故人や遺族の考え方やそれまでの親戚との関係性によります。
2.家族葬の最大の利点は一般会葬者がいないため故人との最期の時間をゆっくり過ごせることです。
3.一方、家族葬は限られた人しか葬儀にお呼びしないため、参列出来なかった方々やご訃報を知らなかった方と後日トラブルになる可能性があります。特にご親戚には家族葬について事前にきちんと相談をし、理解を得ておく事をおすすめします。
4.「家族葬」の広まりは、「家族葬」という言葉からお互いに配慮をし合う日本人らしさの表れとも言えます。