中本葬祭ブログ

散骨は違法になる場合も?可能な場所や方法、事前に知るべき知識!

2019/10/20

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の裏東です。

自然に還る葬送方法の一つとして散骨が注目されています。中本葬祭でも散骨のご要望を頂く機会が増えております。

「自分が死んだら遺骨を海に撒いてほしい」そう考えている方もいるのではないでしょうか。

 

しかし、散骨を行う際は注意が必要です。とりわけ新宮市や那智勝浦町、太地町などは海に面した立地であるので

ご自分の手で近場の海岸になどと考えてしまうのも無理はないかと思います。

しかし、どこにでも散骨を行って良いわけでは決してなく、その方法や場所を間違えると違法となってしまう場合や損害賠償請求を起こされてしまう場合があるのです。

 

そこで、今回は散骨を検討する際に知っておきたい注意点についてご紹介させて頂きます。

 

散骨とはご遺骨を砕いて自然に還す葬送の方法です

 

「散骨」とは、火葬後のご遺骨をパウダー状に加工した後、海や山中、空などにそのまま撒く弔いの方法です。

 

近年、中本葬祭にもこんな思いから散骨を検討される方が増えています。

・経済的な理由からお墓を建てられない
・遠方に住む子供に墓守の為だけに帰省させ負担をかけたくない
・お墓を管理する配偶者や子供がいない
・死後は地元の自然に還りたい
・宗教にこだわらない弔い方をしてほしい

 

散骨をする前に知っておきましょう。散骨が違法になる場合とは?

日本には散骨を禁止する法律はありませんので、散骨自体は違法ではありません。

しかし、ご遺体の扱いや埋葬に関する法律があるため、散骨の方法や場所を間違えると違法となる場合があるので注意が必要です。

 

散骨に際して知っておきたい法律

■刑法190条
「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」

ご遺体を勝手にバラバラにしたり、ご遺体やご遺骨の状態のままで海や陸に遺棄しては違法となる可能性が極めて高いです。

 

■墓地、埋葬等に関する法律第4条
「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。」

埋葬というのは土の中に埋めることです。

撒くのではなく埋めてしまうと、この法律に触れて違法となる可能性が極めて高いです。

 

散骨場所についての決まりは?

海、川

散骨場所として全国的にも最も多く選ばれているのは海です。

海への散骨を禁止する法律自体はありません。

ただし、散骨をするために定期航路外の船を出すためには、事前に国土交通省へ不定期航路運行の許可を取る必要があります。

不許可で漁船などに乗せてもらって沖へ行き散骨をすると、その漁船が操業違反に問われる可能性があります。

また、飲料用に使われる取水河川や地下水原がある近く、漁師さんの漁場近辺や養殖場付近などへの散骨はできません。

 

陸地

山や林などの陸地へ散骨する場合、誰かの所有物となっている敷地への散骨はできません。

国有地や自分の土地への散骨であれば問題ありませんが、撒いた後に土をかけたり穴を掘って埋めたりすると「埋葬」扱いとなり、墓地、埋葬等に関する法律第4条に違反してしまう可能性が極めて高いので注意しましょう。

 

空、宇宙

空や宇宙には敷地の所有権がないので、基本的には散骨が可能です。

空や宇宙への散骨を行う業者も登場しています。

 

自治体による決まり

自治体によっては条例で散骨に対する制限をかけている場合もあります。

例えば北海道の一部や長野県諏訪市、埼玉県地秩父市、本庄市、東京都などです。

これらの自治体で散骨をしたい場合には事前に行政へ申請、許可を受ける必要があります。

また、外国でも国ごとにそれぞれ散骨についての決まりがある場合があります。

 

散骨で違法にはならないが注意すべき点

 

散骨については法務省から「弔いを目的に、節度を持って散骨する分には違法とはならない」という基本見解が出ているとされています。

 

散骨に際して最低限気をつけたいマナーや注意点は下記のような点です。

 

ご遺骨を骨とわからない程度まで砕くこと

散骨ではご遺骨をパウダー状までに砕いた上で撒きます。

骨とわかる状態だと、撒いた後に誰かが見つけると気持ちが良くないですし、事件化されてしまう可能性もあるからです。

遺骨をパウダー状までに砕くのは個人ではなかなか難しいので、中本葬祭までご相談下さい

中本葬祭 0735-52-4966

 

観光や産業、地域住民の方の生活に支障のない場所で行うこと

 

法律で明確に禁止されていないからといって、地元の方の生活圏内や海水浴場や養殖場など観光、産業などで使用されている場所での散骨はマナー違反です。絶対におやめください。

また、違法ではないと海に散骨した場合、漁業権を持つ漁業関係者より風評被害などが原因で損害賠償請求の可能性もあります。

人骨が口に入った魚料理が食卓にあるとは思いたくないですからね。地元の漁業関係者の方などに迷惑のかかる可能性の場所での散骨は絶対に行うべきではありませんし、

そうした場所を中本葬祭ではお引き受けすることは致しかねます。

 

トラブルに巻き込まれないためにも自己の判断で散骨する事は極力避け、中本葬祭に一度、ご相談ください。

 

まとめ

散骨とは遺骨を砕いて海や陸地に撒く弔い方法です。

墓を建てるお金がない、少子高齢化で墓守がいない、宗教にこだわらない弔い方法が良い、死後は自然に還りたいといった理由から選ぶ方が増えています。

 

散骨自体は違法ではありませんが、遺体や遺骨をそのまま遺棄したり、墓地以外の場所へ埋葬(埋める)することは違法となりますので注意が必要です。

 

散骨場所自体も他人の敷地に勝手に散骨することは絶対に辞めましょう。

地域の人の生活圏内や観光、産業に影響が出るような場所へ散骨することもやめましょう。

散骨を検討される方は一度、中本葬祭までご相談ください。

 

本日は以上です。
家族葬や相続・仏事に関する疑問・質問も中本葬祭までお気軽にご相談ください。
中本葬祭 0735-52-4966
 

この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 係長 裏東 勢子