中本葬祭ブログ

死亡届(死亡診断書)の書き方や手続き、事前に準備しておく事とは?

2019/08/21

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の内村です。

今から約15年ほど前あたりは「葬儀の準備」をすること自体が縁起でもないと触れないようにしていた方が大半を占めていました。

現在では、万が一のために葬儀社や葬儀式場のホールを事前に調べる【式場見学】や葬儀の相談【事前相談】に見える方が増えてきました。

私たち中本葬祭でお葬式をする方の8割以上の方は、事前に式場や費用をはじめ、その他の準備などを相談された方です。

今回は、私たちのこれまでの事例と経験を交えて、事前準備をしておくと更に不安が解消される内容を【死亡届】をテーマにご紹介させて頂きます。

 

1.死亡届・死亡診断書・死体検案書これらの違いとは?

死亡届用紙

上の写真は一般的に市役所等で配布している様式で、A3サイズです。左側には「死亡届」右側には死亡診断書(死体検案書)の2部が1つになった構成となっており役所への提出専用です。

 

・死亡届・・・役所に提出の際に必要な項目を記入する部分です。

・死亡診断書・・・医師が診療中等で死因が明らかである場合

・死体検案書・・・死亡診断書の条件に当てはまらない場合のすべてがこちらになります。この中には司法解剖、行政解剖、病理解剖などがあります。

 

2.死亡診断書の発行は病院だけとは限りません

 

中本葬祭で葬儀をされる方の80%以上の方が病院で亡くなっています。病院で亡くなった場合は病院で死亡診断書を発行してくれるのですが、

一例をあげれば、「ある朝気がついたときには寝室で寝ているまま亡くなっていた」などという場合には「死亡診断書」ではなく【死体検案書】として発行されます。

その他、警察で安置された場合などがあげられ、時には発行場所まで受け取りに行く必要が発生したり、検案書の発行費用が別途かかったり、発行まで時間がかかる傾向にあります。

とはいえ市役所での手続き上、死亡診断書も死体検案書もその方の死亡を証明するものとしてはなんら変わりありません。

尚、稀なケースではありますが死亡診断書部分は、右側だけのA4サイズ部分のみで発行する病院も一部存在します。

このような場合の対応については、下記に紹介させて頂きます。

 

 

3.死亡届の見本と実際の書き方について

 

1.死亡届は2部構成となっています

 

前述のとおり死亡届はA3用紙で中央を境に【死亡届】と【死亡診断書(死体検案書)】に分かれています。右半分は原則として医師が記載するため、私たちが記載する必要はありません。

しかし、こちらの部分がないと役所では受理してくれません。もちろん医師の記載に不備があった場合も同様に受理してくれません。

 

2.死亡診断書のみで発行された場合の対応について

 

死亡診断書部分のみのA4サイズで発行された場合は、A3サイズの死亡届に死亡診断書部分を直接貼り付けることになります。

その際、役所によっては届け出人の割り印が必要になる場合があります。尚、死亡届の欄外には【捨て印】が必ず必要です。

認印で結構ですので印鑑は持ち歩きましょう。

 

3.もし記入を間違えた場合にはどうすれば良い?

 

もし記入を間違った場合は  二重線で消して、消したところの横又は上下の空白部分に書き加えます。二重線の上には訂正印を押さないようにしましょう。

訂正が発生したとしても死亡届を受理した後の役所では、【捨て印】を使用して削除や訂正した部分を加筆訂正や削除を何字行ったか記載しますので心配いりません。

 

 

4.氏名や住所・本籍、職業などを記載します

それでは上の写真の見本より、実際の書き方を紹介させて頂きます。

 

①故人の氏名と死亡した【とき】に亡くなった年月日及び時刻を、【ところ】に亡くなった住所を記入します。

間違えると役所には受理してもらえません。尚、市区町村によっては、例えば死亡診断書での氏名は新字体で記載されていて、一方死亡届は旧字体で記載されているなどの違いで、再提出となる場合があるので注意が必要です。

 

※ 死亡した「とき」と「ところ」の欄は診断書の⑦と同じに記入してください。相違がないように注意しましょう。

 

②住所は現住所と【世帯主】の名前を記入します。

【本籍】は、大阪市などの政令都市以外は省略せず「和歌山県」から記入します。

※多くの方が【本籍】が判らず困る場合が多いです。いざという時に限って祝日で役所が休みだったという話はよく聞きますので、

はっきりと覚えていないなどの場合には一人のみの戸籍抄本、あるいは全員が記載されている「戸籍謄本」を事前に取っておかれると良いでしょう。

 

③死亡した人の夫または妻の氏名を記入して頂く欄です。「いる」方は満年齢を「いない」方は(未婚・死別・離別)を選択して ✔ を入れましょう。

 

④「死亡したときの世帯の主な仕事」の部分と「死亡した人の職業・産業」に大きく分けることができます。

「死亡したときの世帯の主な仕事」では、本人だけではなく同じ世帯に一緒に住んでいる方の職業に当てはまるところに ✔を入れます。

 

「死亡した人の職業・産業」では、【国勢調査の年のみの記入】です。この欄には実際の職業などは書かずに配布される「産業と職業の分類コード表」を元にコードを記入することになります。コードが不明の場合は何も書かずにそのままにしておき提出時に改めて確認しましょう。

 

5.届出人を決めます

⑤死亡届の一番下には【届出人】の記入欄があります。

死亡届の手続をする事が可能な方は【同居の親族が基本】となりますが、

その他「親族,同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等,後見人,保佐人,補助人,任意後見人」であってもよいとされています。

ただし、【埋葬許可証の名義も死亡届の届出人】になりますので、届出人としては喪主を務める方の名前を記入されると良いでしょう。

死亡届の場合は喪主が出歩くことが難しいなどの理由で、死亡届の届出人欄に記載のある人と役所の窓口に届けを行う人が違う人であったとしても

親族であれば基本問題とされない場合がほとんどです。その場合は身分証明書を忘れずに携帯しておきましょう。

ちなみに、私たち葬儀社が代行で提出の場合も同様に可能です。また、欄外に届出人となる方の携帯電話の番号など、届出人の方と比較的連絡のつきやすい番号を記載しておくと、

万が一の際の役所からの連絡もスムーズになりますので、問題がなければ記載した上で提出されると良いでしょう。

 

 

6.もし死亡診断書が間違っている場合には

⑥死亡診断書と死体検案書では、必要でない部分を二重線で消されています。原則的に空欄には第三者に追記されないように斜線を引かなければならないのですが、斜線等が無い事も多いのが実情です。役所はここまでNGとはしないようです。

 

比較的重要なのは、診断書の一番下にある医師の署名です。直筆であれば印鑑は必要がないのですが、名前を含めた全ての記載をスタンプを押したものやプリンタ等で発行した場合は医師の印鑑が必要です。もし無い場合は役所では受理してもらえません。

私は、医師の印鑑の押し忘れやその他の不備を何度か経験をしています。通常ご遺族の方は大切な肉親が亡くなった悲しみの中、ましてや病院でここまで確認しませんよね。

このように医師のミスがある場合は、修正や再発行してもらうには依頼が必要です。以前の話ですが、修正依頼をした際に担当の医師が出張に出られたため、修正に時間が掛かり、非常に困った事がありました。まずはすぐに電話で相談をしましょう。※ 中本葬祭では担当者がこちらの欄も不備がないかチェックしておりますのでご安心ください。

 

 

4.死亡届の提出について

 

1.死亡届の提出期限と提出場所

死亡届の提出は戸籍法を根拠に行わなければなりません。

死亡届の提出期限は届出者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは,その事実を知った日から3か月以内)とありますが、

死亡届を役所に提出・受理して頂いた後に【火葬許可証】が発行されるので、火葬場の予約を同時に行います。つまり火葬を行うために提出が必要になるという事ですね。

 

死亡届の提出役所に関しては、「死亡者の死亡地・本籍地・届出人の所在地」とされています。

死亡届の受付は、各役所にて基本的に24時間365日対応をしていますが、一部地域では例外もありますので注意が必要です。

 

2.死亡届の提出後や注意したい点について

【死亡届】を役所に提出し、同時に火葬場の予約も行います。死亡届が受理されると【火葬許可証】が発行されます。

基本は【埋葬許可証】の写しも同時に発行されます。火葬場では【火葬許可証】が無ければ火葬の受付ができません。従って【火葬許可証】を忘れた場合には火葬を行って頂けませんので

絶対に「うっかり忘れてしまった」などの無いよう、充分注意しましょう。

火葬後に手渡される【埋葬許可証】に日付と火葬場の捺印がされて正式に埋葬許可証が発行されます。

 

 

3.分骨を行う場合

分骨を希望される際には、【分骨証明書】が必要になります。分骨証明書が必要な場合は、火葬場にて受付を行い発行してもらう事が可能です。

当然ながら分骨の為の骨箱が別途必要ですので、その際は私たち中本葬祭のスタッフに事前に相談をお願いします。

 

4.火葬場の選び方と提出

新宮市、那智勝浦町近郊の市町村で火葬を行う場合は、その市町村の役所に死亡届を提出又は、火葬場を使用する申請をしなければなりません。

新宮市周辺の火葬場に関しては、近隣の市町村の発行する火葬許可証でも火葬は可能です。ただし、事前の予約や申請などがあるので私たち中本葬祭や葬儀社に任せた方が安心ですね。

 

5 .手続きする上で質問が多い事柄について

 

1.死亡届に使用する印鑑は?

 

死亡届に使用する印鑑は実印などを避けて「認印」を使用します。100円ショップ等で購入できる印鑑で全く問題ありません。

ただしシャチハタはゴム製で後に形が変わってしまう可能性があるという事で使用することが出来ません。

私たち中本葬祭のスタッフがご遺族の代行で役所に手続きを行う際には、記入済みの死亡届のほか印鑑も同時にお預かりします。

実印や銀行印は絶対にお預かり出来ないルールとなっていますので「認印」をご用意ください。

 

2.火葬場は住民票のある市町村で

 

火葬場の使用料は各市町村で決められており、故人の住民票のある市町村で行うと市民価格で利用できます。

近年各火葬場では市民以外の火葬料金の場合には高額になるので注意が必要です。

ただし、一例を挙げますと太地町のように近隣である新宮市の火葬場(清浄苑)の利用料を太地町が組合に加入した事により、

太地町民の方は新宮市民の斎場使用料金と同額で利用できるようになった等の場合もあります。

3.やっぱり死亡届の記入は心配なんだけど・・・

ご安心ください。中本葬祭では死亡届の代筆を行うことはできませんが、記入時のアドバイスや役所への提出もお手伝いしています。専門の私たちに遠慮なくご相談ください!

 

4.埋葬許可証の保管場所と万が一紛失してしまった場合には?

【埋葬許可証】を紛失してしまうと「納骨」ができなくなりますので、火葬場の職員は手渡しではなく、お骨箱と一緒にして風呂敷に包んで渡してくれることがほとんどです。

葬儀が終わったご遺族より連絡が入って「埋葬許可証をもらっていない!」との問い合わせが昔は何度も経験しました。

 

万が一紛失した場合の埋葬許可証の再発行については、有料になること以上に、とても面倒な手続きが必要になります。大事な書類としてしまい込まずにそのままお骨箱に一緒に収めておくと良いでしょう。

 

 

まとめ

・死亡届が受理されると火葬許可証が発行されます

・死亡届は死亡診断書と重複部分の記載は同じにしましょう

・記入を間違えた際には二重線で消しますが、訂正印は押しません

・届出人は喪主となる方が務められると良いでしょう。

・火葬後に火葬場より埋葬許可証が発行されます

 

 

本日は以上です。
分かる範囲でお答えいたしますので、家族葬や各種諸手続きに関する疑問・質問なども中本葬祭までご相談ください!
中本葬祭 0735-52-4966
 

この記事の著者:(株)中本葬祭/業務執行役員 部長 内村 恵