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ありがとうで送るお葬式®
家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の財賀です。
近年では、葬儀場で葬儀を行うことが多くなりましたので実際に目にする機会も減ってきているかと思いますが、かつて自宅やお寺、公民館などで葬儀を行う際には、白黒の幕が貼られているのを目にした方も多いかと思います。今回は、こちらの葬儀の時にはなぜ白黒の幕を張るのか?といった事についてご紹介させていただきます。
なぜ二色のような多色使いなのか?
そもそもなぜ二色などの多色使いなのかというところからご紹介させていただきます。もともと多色の幕というのは存在していたようです。なぜそうした多色の幕を使うのかという理由はより人の目につくようにといった理由が始まりのようです。なぜ人の目につくようにしなければならないのかということですが、これは通常の場所と明確に区分けをする為です。この場所は神聖な場所ですと言うことがより多くの人の目に留まり、そしてはっきりとそれがわかるようにする目的があったからなのです。
また、白黒の幕はもともとは葬儀用となっていた訳ではなく、お祝い事でも弔い事でも神道における正式な行事では最も正式な色としてこちらの白黒の幕が用いられていました。ですので、現在でも皇室の行事や出雲大社の大祭では白黒の幕が使われています。また、白黒の幕はその色から鯨(くじら)の背が黒く、お腹が白いことに見立てて「鯨幕(くじらまく)」とも呼ばれています。
葬儀で白黒の幕が使われるようになった始まり
江戸時代の頃は、庶民の葬儀では白黒の幕はあまり使われていなかったようです。明治時代に入り、西欧文化の影響を受け、黒色が弔事の色として定着しました。喪服が黒色として定着したのもこの頃ですね。余談ですが、それまでは葬儀の際には遺族は白装束を着ていたようです。こうした流れの初期の頃は高貴な人しか白黒の幕を使っていなかったので、庶民もそれ憧れて使うようになったのではないだろうかと言われております。
実際に広く一般的に弔事の際に白黒の幕が使われるようになったのは大正時代の中期と言われています。その頃から葬儀社が出来始め、弔事の際には白黒の幕を張るというのが広まりました。
この記事の著者:(株)中本葬祭/施工部 財賀 幸男