中本葬祭ブログ

葬儀の際にお供え物の下に三角の紙を敷くのはなぜ?

2019/10/13

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の内村です。

葬儀や仏事のときの形というのは、良くよくそれらを見てみますと「何でこうなってるんだろうな」と不思議に思う部分が多くあります。勿論、それらには無意味にそうなっているものは一つもなく、全てキチンとした意味や理由があってそうなっています。

今回はそうした中から、葬儀の際にとりわけ祭壇上の供物の下ですとか、葬儀が終わった後の満中陰法要までの間に設置する祭壇上などの供物の下には半紙を三角に折ったものを敷きますが、これらの理由についてご紹介させていただきます。

 

三角に折られた紙について

こちらの三角に折られた紙ですが、こちらは「懐紙(かいし)」と言います。「ふところがみ」や「かいしき」とも呼ばれるのですが、元々は平安時代から見られる文化で、懐に入れて携帯できる為の小ぶりで二つ折りの和紙の事であると言われています。昔から使用されており、用途としてはメモ用紙、お皿代わり、ハンカチやちり紙や便箋の代わりなどという風に、様々な用途に使われていました。

また、お皿に敷くというのは茶道から来た形式であるという説もありまして、元々お皿で菓子を振る舞う際に箸や楊枝でお皿を傷つけないようにといった意味で使われたと言われています。

また、何かを敷いてあることにより丁寧に見えるからという理由も考察の中には見受けられました。

現代でも、お供え物に敷くという行為は台や器を汚さないという目的も少なからずあると思います。

とりわけ、白木で出来た供物を乗せるための台などは、人の手垢などでも変色の原因となりますので、私達も設置の際には手袋を着用した上で行っています。また、お供え物自体も汚す心配も減りますね。お供えをしたら後々いただく訳ですので、直置きするよりはやはり、少しでもという意味合いもあろうかと思います。

ですので、お下がりとして後々頂くことも考慮し、懐紙を挟むようになったのではないかと、これが最も理に適った考え方ではないかと思われます。

三角に折る理由というのが、かなり調べたのですがこれという有力な理由が見当たりませんでした。

見た目上の理由ではないか?といった説もありました。確かに平たい紙をそのまま載せてあるよりは、三角に少しずらした形で置いてあるほうが見た目上も美しいのは事実だとは思います。

 

折り方について

折り方についての作法は存在しまして、基本的には弔い事の際には重なりが右あるいは上に来るようにと言われていまして、通常の際やお祝い事の場合には重なりが左が上に来るようにと言われています。

三角の前後についても様々な解釈がありまして、この前後はどっちが正しいとかではなく、どちら側に三角の先端が見えるのかというのは、普段の食べる時などは三角の端が向こうを向くように、つまり相手から見て向こうに見えるように置くと言うのですが、葬儀の場合は三角の先がこちら側に向くケースを我々は伝承しています。

つまり、弔事と慶事の分け方については、普段の折り方と逆というのが弔事の時の折り方なのではないかと思われます。これは、人が亡くなった時の方法として「逆さ事(さかさごと)」として運用されている事が多々ありまして、普段のやり方と逆をしなさいというのはお葬式におけるルールとしては非常に一般的なことと言えます。

折り方に関しては、どちらが上ですとかそういった部分などは特に地域性ですとか集団により決まりごとが異なるケースも充分に考えられますので、あくまでも情報の中の一つとして捉えていただけましたら幸いです。

何事においても、特にお葬式などの地域ごとの決まりごとにおいては、お住まいの風習の儀礼の通りに、その集団の上下や古い方にあわせるといった考え方でよろしいかと思います。

余談ですが、神仏で重ね方の左右を変えるといった伝承もありますし、このような風習は明文化された絶対のルールではなく、風習慣習に属することですからお住いの地域の人に尋ねる事が最も問題なく運用することが出来るのではないかと思います。

本日は以上です。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/業務執行役員 部長 内村 恵