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ありがとうで送るお葬式®
家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の中本です。
高齢化社会だとテレビなどで伝えられている中、同じく話題に登る問題の一つが孤独死がありますね。
身寄りのない方が亡くなった場合、葬儀やその後の納骨、それらに係わってくる費用はどうなるのだろうかと気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回はそうした身寄りのない方の葬儀や後々の供養について、もし身寄りのない方が亡くなった場合には誰がどうやって葬儀や納骨を行ってくれるのか、
そしてその費用はどうするのかといった疑問を解消します。
身寄りのない人が亡くなった場合の葬儀はどのようにして行うのか?
日本の法律では人が亡くなった後は、必ず火葬・埋葬を行わなくてはいけないと決まっています。
亡くなった方に家族や親戚などの身寄りがなく、葬儀をあげてくれる人が身近にいない場合には、原則として役所が故人の戸籍をたどって親族の連絡先を探し、御遺体の引き取りと火葬・埋葬を依頼する流れになります。
上記以外には故人の近隣住人や入居施設が葬儀を引き受けてくれる場合もあるでしょう。
故人に親族が一切いなかったり、いたとしても疎遠になっており遺体の引き取りを拒否されてしまったりした場合には、死亡地の自治体が御遺体を引き取り、火葬・埋葬を行います。
自治体が火葬や埋葬を行う場合には、法律に基づいた最低限の簡素な火葬・供養となり、宗教儀礼である葬儀などは行われないのが常です。
(一部自治体によっては火葬前の読経などがある場合もあります)
身寄りのない人の葬儀費用はどうするのか?
親族が遺体を引き取って葬儀を行う場合、故人に財産が残っていればその財産を葬儀費用に充当することができます。
しかし、葬儀を行う側にしても、故人に預貯金などの財産がほとんどなかった場合にはその費用をどうすれば良いのかと困ってしまいますよね。
なかには「今までほぼ付き合いのなかった親戚の葬儀を引き受けざるを得なくなり、困ってしまった」というケースもありました。
葬儀や埋葬の費用がない場合には、以下のような給付制度もありますので、利用を検討してみましょう。
葬祭給付金
故人が健康保険など公的医療保険に加入している場合には、葬儀費用として給付金を受け取ることができます。
金額は加入していた公的医療保険の種類や、申請者と故人との関係によって異なります。
埋葬給付金
故人が健康保険など公的医療保険に加入している場合、埋葬を行った方が埋葬費用の給付を受けることができます(上限金額あり)。
葬祭扶助制度(埋葬費)
自治体が火葬・埋葬を行うための最低限の金額を支給する制度です。
下記の場合が対象です。
・生活保護を受けていた人が亡くなり、遺族・親族以外の方が葬儀をする場合
・生活保護を受けていた人が亡くなり、遺族・親族が葬儀をするが、葬儀を行う自身も生活保護を受けているなど葬儀費用が捻出できない場合
支給される金額は自治体によって異なりますが、最低限の金額の支給となるので、火葬と埋葬のみの直葬・火葬式という形になるのが一般的です。
葬儀に関わる給付金や葬祭扶助制度についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
葬儀をあげるお金がない時はどうすべき?
自治体が火葬・埋葬をする場合は、故人に財産がある場合はその財産を葬儀費用に充当し、全く財産がない場合は自治体が火葬・埋葬費用を負担します。
葬儀後、身寄りのない人の遺骨の行方はどうなるのだろう?
遺骨や遺品の管理をする人がいない場合は、自治体が一定期間管理をしてくれます。
自治体ごとに決められた期間(おおむね5年程度)保管を行い、その後は身寄りのない人の遺骨を合同埋葬する「無縁塚」に納骨されます。
複数の遺骨をまとめて埋葬するので、無縁塚への納骨を済ませた後に遺族が現れたとしても遺骨を取り出すことはできません。
身寄りがない人は生前にこんな準備をしておこう
内閣府が行った平成30年版高齢社会白書の調査によると、65歳以上の一人暮らし世帯は年々増加傾向にあるようです。
生涯独身で過ごされる方や、さまざまな事情で家族や親族と疎遠となっている方なども増えており、やはり亡くなった時に葬儀を行ってくれる身寄りがないという人は増えてきています。
身寄りがなく、一人暮らしをされている方の中には「葬儀、埋葬は誰がしてくれるのだろうか」「財産はどうなるのだろうか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
身寄りがないからこそ、元気なうちに以下のような自らの死後の準備を進めておきましょう。
・葬儀会社を選び、しっかりと相談をしたうえで、葬儀や埋葬方法を予め決めておく
・財産や遺品の処分方法をどうするのかを決め、遺言書を作成しておく
・死後事務委任契約を司法書士や行政書士と結び、死後の遺産・遺品整理を予め依頼しておく
生前の元気なうちにご本人が葬儀内容を決め、葬儀会社に事前登録を行うケースも増えてきています。
「〇〇さんを呼んでほしい」「好きなあの曲をかけてほしい」「家族葬のようなアットホームな葬儀にしてほしい」「遺骨は散骨してほしい」など、事前に決めて伝えておくことで希望の演出や形式を実際の葬儀に反映させることができます。
また、身寄りが全くない人の場合、葬儀費用を差し引いた残りの財産は基本的には国庫に入ります。
お世話になった人や施設、団体へ遺産を残したいと思うのであれば、遺言書を遺しておきましょう。
死後事務委任契約を結んでおくと、死後に必要となる法的な手続きを第三者へ依頼することができます。
自分の葬儀やお墓の準備を予めすることは、現代ではそう珍しいことではありません。
自分の死後について考えることは、今をどのように生きるか考えるということにも繋がります。
中本葬祭では葬儀の事前相談も承っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
中本葬祭 0735-52-4966
まとめ
・身寄りのない人が亡くなった場合、自治体が戸籍をたどって親族の連絡先を探し、遺体の引き取り・火葬・埋葬の依頼をしてくれます。
生前にお付き合いの合った知人が葬儀を引き受けてくれるケースもあるようです。葬儀を行える方がいない場合は自治体が簡素な火葬・埋葬を行います。
・葬儀費用については、故人に財産がある場合は故人の財産から捻出されます。遺族や親族が葬儀を行うが葬儀費用がないという場合は、公的医療保険から給付される「葬祭給付金」や「埋葬給付金」、生活保護の方が亡くなった場合には「葬祭扶助制度」などの利用も可能です。自治体が火葬・埋葬をするが故人に財産がない場合は、費用は自治体が負担します。
・身寄りのない人の遺骨は、自治体で一定期間保管した後に無縁塚へ合同埋葬されます。無縁塚へ納骨後はもし遺族が後日現れたとしても遺骨を取り出すことはできません。
・身寄りがなく死後の葬儀や埋葬、お墓などに不安がある人は、生前の元気なうちに少しずつ自分の死後の準備をしましょう。葬儀会社と葬儀の生前契約を結んだり、遺言書や死後事務委任契約などで自分の遺志を遺しておきましょう。
この記事の著者:(株)中本葬祭/専務取締役 中本 吉保