中本葬祭ブログ

適切なドライアイスの量は時期や人により異なります

2019/10/16

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の財賀です。

ご訃報の一報を受け、私達はご指定の病院や施設にお迎えに伺った後に、ご自宅或いは中本葬祭の式場へとご安置させていただきます。

その後、まずドライアイスによる御遺体保存の為の処置をさせて頂くのですが、多くの葬儀社の場合一回10kgとなっている場合が多いです。

しかし、私達はこれが必ずしも正しいとは言い切れないと考えています。

なぜなら、夏と冬、またたとえ冬であってもご安置させて頂いているお部屋の環境は勿論のこと、故人様の状態(体型や傷がおありになる場合など)によってその数は増減するのが当然と考えています。しかし、残念ながら多くの葬儀社の場合、一番大切な故人様の状態・状況を確認せず10kgかける何回といった形での処置をしているようです。

結果、最期のお別れの際、故人様の顔色が変わってしまっていたなどの話を耳にすることがあり、とても残念な気持ちになります。

そこで今回は、こちらをご覧の皆様に「適切なドライアイスの使用量は時期や人により異なる」という事についてご紹介させて頂きます。

その他、ドライアイスにはただ冷やすだけではない効能もあります。以下のリンクも併せてご覧くださいませ。

あわせて読みたい「冷やすだけではないドライアイスの効能とは?」

 

初回に必要なドライアイスの量について

まず、初回に必要(適切)なドライアイスの量は2回目以降とは異なります。平均的な体型の方であり、傷などがおありではない状態の場合においては体重の20%~25%程度の量が初期冷却として必要(適切)な量になります。まずは下記の表を御覧ください。下記の表は2018年の総務省「国民健康・栄養調査」の発表より引用しておりますが、こちらの表を見て頂きましても一般的に高齢者と言われる方々の平均体重は50kg超である事がわかります。

長い間、ご闘病されていた訳ではなく、突然お亡くなりになったという方であれば、こちらの平均値よりももう少し体重もおありではないかと考えられます。

前述の初期冷却として必要(適切)なドライアイスの数量である体重の20%~25%を基準として考えました際、体重55kgでかつ、比較的過ごしやすい時期・お部屋の環境であったと仮定し、体重の20%とした場合、55kg割ることの20%ですので約11kgとなります。ドライアイスは1kg単位ではなく、多くの場合2kgないしはところによっては2.5kgごとの販売となっているようですので、初回の時点では既に12kg必要であると言えます。つまり、10kgをひと単位として考えている葬儀社の場合、初回の時点で既に冷却不足という事になります。

勿論、ただ闇雲にドライアイスの数量を増やせば良いものではありません。前述の通り、お部屋の環境や故人様の状態などにより、その使用量は変化しますものの、前述と同じ環境出会った場合においては体重の30%を超える量のドライアイスを使用した場合には過冷却となってしまいます。

 

平均身長・平均体重【男 女 日本人】

単位:身長(cm) 体重(kg)

 女性 男性
平均
身長
平均
体重
 平均
身長
平均
体重
全年齢
平均値
150.950.6 162.361.9
1歳76.89.9 78.610.5
2歳87.912.2 89.412.8
3歳93.813.9 95.814.5
4歳102.816.0 102.315.9
5歳109.117.9 108.318.0
6歳115.320.8 116.921.2
7歳122.023.3 121.324.1
8歳126.724.7 127.727.0
9歳134.229.8 134.929.4
10歳138.331.7 137.434.2
11歳148.139.4 144.438.9
12歳149.541.8 150.841.5
13歳154.745.6 中158.045.6
14歳157.449.0 学165.453.1
15歳157.251.6 生168.457.9
16歳157.750.2 高170.461.0
17歳159.151.6 校171.961.3
18歳155.551.0 生168.963.6
19歳158.052.2 170.763.0
20歳154.949.9 171.764.4
21歳158.952.4 171.967.3
22歳158.350.2 173.767.0
23歳158.350.7 171.573.3
24歳157.550.0 171.865.0
25歳157.950.3 170.967.6
26-29歳157.752.5 171.069.5
30-39歳158.654.4 171.271.0
40-49歳158.255.8 171.271.3
50-59歳156.755.4 170.269.2
60-69歳153.954.7 167.367.2
70歳以上148.951.0 162.561.7
各年齢帯の平均     
20歳以上154.153.6 167.667.0
20-29歳157.551.3 171.468.1
60-64歳154.855.0 168.168.9
65-69歳153.154.5 166.665.9
70-74歳150.752.4 164.463.2
75-79歳149.451.6 162.462.5
80歳以上146.348.7 160.259.0

 

お棺にお納めした後も使用量は変化します

初回に必要なドライアイスの量としては前述の通りですが、故人様をお棺にお納めした後は初回ほどの量は必要ではありません。

ですが、故人様のお顔を最後の最後まで少しでも美しい状態を保存したいと考えますので、冷却不足・過冷却とならないよう数量を考慮した上で、その数量を減らします。

なぜなら、これは故人様をお布団にご安置する場合のドライアイスの減り方と、お棺にお納めした場合の減り方には大きく差異があり、後者のほうがドライアイスの減り方はゆっくりです。言い換えますと、ドライアイスがよく効く環境であると言えます。

このように、適切なドライアイスの量については環境や人により異なるわけですが、何より初回の冷却が何より重要となります。失敗しない葬儀社選びの参考に「必要なドライアイスの数量を教えて下さい」と訪ねてみるのも良いかも知れません。適切な御遺体保存の為にも、ドライアイスに限らずプロとしての知識を持ち合わせた上でお客様や故人様に接することが出来ますよう、今後も勉強していかなければならないと考えております。

その他、ドライアイスにはただ冷やすだけではない効能もあります。以下のリンクも併せてご覧くださいませ。

あわせて読みたい「冷やすだけではないドライアイスの効能とは?」

本日は以上です。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/施工部 財賀 幸男