中本葬祭ブログ

鏡餅はなぜ丸くて二段重ねなの?

2019/10/01

こんにちは。

ありがとうで送るお葬式®

家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の内村です。

早いもので令和元年の今年も10月に入りました。少しずつ「今年もあと何ヶ月・・・何日」といった話がこれからTVなどでも言われ始める頃になりましたね。

さて、お正月といえば玄関などの正月飾りが連想されるかと思いますが、そうした正月飾りの中で一例を挙げますと、鏡餅がなぜ丸くて二段重ねであるかについてご存知でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこうした正月飾りについての内容をご紹介させていただきます。

 

喪中の方のお正月の過ごし方については下記の記事をあわせて御覧ください。

あわせて読みたい 「喪中におけるお正月の過ごし方について」

 

喪中はがきや寒中見舞いなどについては下記の記事を御覧くださいませ。

あわせて読みたい 「喪中はがきについて」

正月飾りについて

まず、正月飾りを飾る期間についてですが、12月31日は「一夜限り」と言って飾る(飾り始める)には良くないとされています。29日は「苦」が入っているので縁起が良くないとされ、30日は末なので「三十日(みそか)飾り」と言われ他の月で言うと月末に当たりますのでこれも避けたほうが良いと言われています。では、正月飾りを飾りだす日としては12月28日が最も良いとされています。

 

玄関飾り等について

玄関飾りの参考画像

 

玄関飾りは神様をお迎えする場所として正月飾りの中でも一番重要とも言われています。

玄関の正月飾りについても意味がありますのでご紹介させていただきます。

正月飾りについてある藁は稲を表していて五穀豊穣の願いを形にしたものです。

また、シダの葉っぱのようなものが付いているかと思いますが、こちらは「裏白(ウラジロ)」と言いまして、文字通り、葉の表側と比較しますと裏側が白っぽいのが特徴です。ここから「髪の毛が白くなるまで」という長寿の願いや、「心に裏表がない清廉潔白」、葉の付き方が左右対称なことから「夫婦円満の象徴」とも言われています。

この裏白と共にゆずり葉という葉っぱも正式には付けられていますが、こちらは若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉するその様から、親が子を育てて家が代々続いていきますようにという縁起物となっています。

そして、橙(だいだい)と呼ばれるみかんのような柑橘類ですが、こちらもその言葉通り代々続いていきますようにという願いを込めた子孫繁栄の縁起物となっています。

そして、紅白の飾りがついているものがあります。(地方によりない習慣の地域もあれば姿形が異なる場合もあります)

御幣の参考画像

これを御幣(ごへい)と言いまして布を表しています。昔は布は貴重品でお金の代わりになったりもしました。その貴重な紅白のお供え物という意味があります。こちらを斜めに飾っているのが所謂末広がりで幸せが広がりますようにという意味が込められています。

また、正月飾りの中だけに留まらず、海老を飾る事もあります。こちらもその姿から海老は腰が曲がっているので、腰の曲がるまでという長寿の願いが込められています。

忘れてはいけないしめ縄についてですが、こちらは結界を表しています。神様のいらっしゃるところを清浄に保つ為に悪いものが入ってこないように結界を張るという意味になっています。ですので、神棚もそうですが正月飾りの玄関飾りには必ずしめ縄があるのはこの理由からなのですね。

こうして本来の意味合いなどを見ていきますと、近年のリースなどの見た目だけを重視した正月飾りは日本の本来のこうした縁起担ぎからは程遠く感じてしまうのは私だけでしょうか・・・。

 

門松の意味について

門松にも言われがあります。松は常緑樹で常に生気あふれる縁起の良いものとされています。中国から言われが伝わったときから長寿や繁栄などたくさんの良い言われがあり、神様の宿るものとして縁起の良いものとされていました。京都では、「根引き松」と言いまして神様が家に根付きますようにですとか地に足のついた日々を送れますようにとの願いを込めて、根っこのついてある松を玄関に飾られています。

根引き松の参考画像

竹にも言われがありまして、その成長の速さからすくすくとよく育ちますようにという願いが込められていると言われています。また、別な説としましては、松も竹も魔物が来たときにも、松でチクチク、竹で刺して追い返すという魔除けの意味であるという説もあります。こうした言われから、デパートやホテルの門松などは竹の先端を鋭利に切らず、真横に切ってある門松を見かけることがあるかも知れませんが、あれは「誰も傷つけませんよ」という意志の現れであったりします。このように商売事の門松は竹を鋭利に切らず、またそうしてあっても先端を切って落としてあったりなどしています。

 

鏡餅の意味について

鏡餅は神様へのお供え、米そのものとしてお供えします。お米は日本人の魂と言っても過言ではないくらい、昔も今も大切なものですよね。ですので、お米やお餅は神様へのお供えの基本になります。

鏡餅がどうして丸型で二段重ねなのかということについてですが、角がないように円満を表す丸餅で、円満が重なるように重ね餅になったと言われています。

まず「鏡餅」という漢字から、古く祭具として使われていた鏡は丸形をしていて、
現在でも神社には「神鏡(しんきょう)」として鏡が祀られています。ご商売をされている方や神道の家庭の方はご存知かと思いますが、神棚の真ん中にも鏡が必ずあるかと思います。

この鏡を模したものが鏡餅の由来と言われています。

那智勝浦のお祭りでも「御鏡(みかがみ)」と言って神前に鏡餅のお餅をお供えします。

 

室町時代には武家では正月に男児の家では鎧や兜の前に鏡餅を供えた事から「具足(ぐそく)」とも呼ばれ、女児の場合には鏡台の前に供えられていました。

また紀元前、垂仁天皇の時代には大物主神の娘である
大田田根子に大国主命が、「元日に、荒魂の大神に紅白の餅を供えれば、幸福が訪れる」
と教えた事が由来であるという説もあります。

 

こうした縁起物の多くはその語呂や姿形から連想したものであることが多いですが、そうした飾りの一つ一つについても少し、頭に入れておいて頂ければ、それらの品に対する感じ方や、その家ならではの特に込めたい思いなどもきっとおありかと思いますので、そうしたところを強調したりなどされると、より晴れやかな気持ちで新年を迎えられるのではないでしょうか。

 

如何だったでしょうか。本日は以上です。
家族葬や相続・仏事に関する疑問・質問も中本葬祭までお気軽にご相談ください。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/業務執行役員 部長 内村 恵