こんにちは。
ありがとうで送るお葬式®
家族葬のウィズハウス新宮・ベルホール中本・ザ・スランバーズガーデン・そうそうの郷太地を運営しております中本葬祭の坪田です。
家族葬の現場でも、よくご家族の方が仰ってる事の多い話題で「ほら、こんな話していたらおばあちゃんに怒られるよ。ちゃんと聴こえてるんだから」といったお話があります。こちらをご覧の方も、もしかしたら同じお話を実際にお葬式の場で聞いたことがおありの方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、それって実際の所どうなんだろう?とお思いになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日はこちらの「人は亡くなった後も耳は聴こえてるの?」といったお話をご紹介させて頂きます。
話の大元と思われるもの
この話には、これが大元ではないかと思われる書籍があります。1928年にイギリスのエヴァンス=ヴェンツ著のTibetan Book of the Dead「チベット死者の書」というタイトルで英訳され、世界的なベストセラーとなった本があります。
日本では1993年にNHKが特集として番組を制作しています。後にその内容を中沢新一さんが「3万年の死の教え チベット死者の書の世界」という本で取り上げています。
3万年の死の教え チベット死者の書の世界の参考画像です
そもそもチベット密教の教えとは埋蔵経と言いまして、隠されたお経を掘り当て、その中にこのような内容が書いてあったと言うのを経典群の一つとしています。
その埋蔵経の一つに「バルド・トドゥル」というのがありまして、そこにこのような事が書かれています。
「人が死んでいろいろな感覚が無くなっても、耳の働きは最後まで残っている。死と言われる状態に入っても死者は周りの音を聞いている。」
こうしたところから、人から人に伝わっていく中で現在のように語られているのではないかと思われます。
また、TVなどでも良く臨死体験をしたという人が「自分の名前を呼ばれている気がした」ですとか「自分の名前をずっと呼ばれていて、だから戻ってくることが出来た」といった話をされていて、そうした部分が亡くなっても耳は聴こえているんだって話が繋がっているという事で、よりこちらの話の信憑性が強化されているのではないかと思います。
科学者も実際にこの件を研究しています
カナダのウエスタンオンタリオ大学の研修者が、科学専門誌に発表した研究によれば、生命維持装置を取り除かれた4人の末期患者の心拍と脳波を測定したところ、そのうち1人は心臓と血流が停止した後も10分間に渡って脳波が観測された。ですとか、2014年10月、イギリスのサウサンプトン大学の研究チームが学術誌『Resuscitation(蘇生)』電子版に以下の内容の論文を掲載しています。こちらの研究チームはイギリス、オーストリア、アメリカなどで心停止から蘇生した患者330人のうち、101人に対して聞き取り調査を実施した。すると39%の患者が、心臓が再始動する前にも意識を自覚していたとの結果が出たのだ。
このような感じで、聴覚が動いていると見られる脳波が発見されたとか、患者からの聞き取りの結果があったというのは学者さんも興味深く見ている内容のようです。
実際のところ結論としてどうなの?
実際のところ、本当に亡くなった人が聴こえているかどうかの保証はありません。脳波の測定があってもそれが生き返って「あの時聴こえていたよ」と言ったわけでもありませんし、臨死体験の人が聴こえていたというのも、後からそういう事として自身の解釈で合理化がなされた可能性も無い訳ではないと思います。
私自身、葬儀の現場に立たせて頂いている立場としては、大切な故人とのお別れの時間をご家族の皆さんがお過ごしになるにあたり、今回のお話が本当のところどうなのか?といったところよりも、故人が同じ空間にいらっしゃる間はお元気だった頃と何一つ変わらず、同じように故人に接するのは大切なことだと思いますし、葬儀という一連のお別れの時間として、そのように少しずつお別れの段階を経ていくのだろうと思います。むしろ「亡くなったから何も聴こえていないよね」という風に思ってしまった場合、とても寂しい気持ちになります。大切な方とのお別れの場が、その悲しさの中にも心が暖かくなるお話がご家族やご友人・知人の皆様の中にあって、少しでもその悲しみが癒やされればと心から願います。
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この記事の著者:(株)中本葬祭/美粧企画部 坪田 玲子
最終更新日 2024年8月18日