中本葬祭ブログ

喪主の通夜挨拶|例文と流れ・新宮市での基本マナー

突然ご家族を亡くされ、喪主としてお通夜で挨拶をすることになった――。悲しみの中で「何を話せばいいのか」「どのタイミングで挨拶すればいいのか」と不安を抱えていらっしゃる方も多いことでしょう。お通夜での喪主挨拶は、参列してくださった方々への感謝を伝える大切な場面ですが、決まった形式があるわけではありません。この記事では、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上の葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭が、通夜挨拶の基本的な流れと例文、地域での慣習をご案内します。

通夜挨拶の基本的な流れとタイミング

お通夜での喪主挨拶は、一般的に通夜式が終わり、通夜振る舞い(お食事やお茶のおもてなし)の前に行われます。僧侶による読経と焼香が終わった後、参列者の皆様が着席されている状態で、喪主が前に進み出て挨拶をするのが通例です。

挨拶の長さは1分から2分程度が目安です。悲しみの中での挨拶ですので、簡潔で構いません。無理に長く話そうとする必要はなく、むしろ短くても心のこもった言葉のほうが参列者の皆様に届きます。

挨拶の内容は大きく分けて次の要素で構成されます。まず、参列へのお礼を述べます。お忙しい中、故人のために足を運んでくださったことへの感謝の気持ちを伝えましょう。次に、故人の生前のお付き合いへの感謝や、簡単な人となりのエピソードを添えることもあります。ただし、悲しみで声が詰まってしまうこともありますので、無理に詳しく話す必要はありません。最後に、通夜振る舞いへのご案内と、改めての感謝で締めくくります。

私たち中本葬祭では、新宮市を中心に長年葬儀のお手伝いをしてまいりましたが、喪主様が挨拶の際に緊張されたり、お言葉に詰まられたりするのは自然なことです。参列者の皆様もそのお気持ちを十分に理解されていますので、完璧を求めず、ご自身の言葉で語られることが何より大切です。

通夜挨拶の例文とポイント

ここでは、通夜挨拶の基本的な例文をご紹介します。ただし、これはあくまで一例であり、ご自身の言葉に置き換えていただいて構いません。

「本日はお忙しい中、亡き○○のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。私は長男の△△と申します。父(母)は、皆様に温かく支えていただき、○○歳の生涯を全うすることができました。生前のご厚誼に、心より感謝申し上げます。ささやかではございますが、別室にお清めの席をご用意しております。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりお過ごしください。本日は誠にありがとうございました。」

この例文の構成は、参列へのお礼、自己紹介、故人への感謝、通夜振る舞いの案内、締めの挨拶という流れになっています。自己紹介では「長男」「次男」「長女」など故人との続柄を述べるのが一般的です。

故人のエピソードを入れる場合は、簡潔に一言添える程度で十分です。「釣りが好きで、よく熊野灘に出かけておりました」「近所の皆様に大変お世話になりました」など、地域とのつながりや人柄が伝わる一言があると、参列者の皆様にも故人を偲んでいただけます。

注意したいのは、忌み言葉(いみことば)と呼ばれる不吉な表現です。「重ね重ね」「たびたび」「再び」といった重ね言葉や、「消える」「落ちる」などの直接的な表現は避けるのがマナーとされています。ただし、あまり神経質になりすぎる必要はありません。万が一言い間違えても、参列者の皆様は温かく受け止めてくださいます。

また、当地域では通夜振る舞いをご用意されるご家庭が多いですが、近年は家族葬の増加もあり、省略されるケースもあります。通夜振る舞いを行わない場合は、その旨を挨拶で「本日はこれにて閉式とさせていただきます」とお伝えすれば問題ありません。

挨拶が難しい場合の対応方法

悲しみが深く、とても人前で話せる状態にないという方もいらっしゃいます。そのような場合、無理に喪主ご自身が挨拶をする必要はありません。

代理の方に挨拶をお願いすることは、決して失礼なことではありません。喪主の配偶者、兄弟姉妹、成人されたお子様など、ご親族の中から代わりに挨拶をしていただくことができます。その際は「喪主である○○に代わりまして、私からご挨拶申し上げます」と一言添えていただければ十分です。

また、葬儀社のスタッフが司会として進行する中で、喪主様のお名前で簡潔にお礼の言葉を代読することも可能です。私たち中本葬祭でも、ご事情に応じて柔軟に対応させていただいております。

挨拶の際に涙で言葉が続かなくなることもあります。その場合は、無理に続けようとせず、深呼吸をして落ち着かれてから再開されるか、「申し訳ございません」と一言述べて挨拶を終えられても構いません。参列者の皆様は、そのお気持ちを十分に理解されています。

新宮市や那智勝浦町など当地域では、地域のつながりが深く、参列者の多くが故人やご遺族のことをよく知る方々です。形式にとらわれすぎず、その場の雰囲気に応じた自然な対応が受け入れられる土地柄でもあります。

新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での通夜の特徴

新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を含む熊野地域には、通夜や葬儀に関して独特の慣習があります。喪主として挨拶をされる際にも、こうした地域の特性を知っておくと安心です。

当地域では、菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)との関係を大切にされるご家庭が多く、家族葬であっても菩提寺のご住職に読経をお願いするのが一般的です。真言宗、浄土宗、曹洞宗など宗派により通夜の進め方が異なりますので、挨拶のタイミングについても葬儀社やご住職と事前に確認しておくと安心です。

また、当地域ではご香典を辞退されるケースが増えており、むしろ辞退されるケースが一般的と言えるほどです。ご香典を辞退される場合は、通夜挨拶の中で「誠に勝手ながら、ご香典は辞退させていただいております」と一言添えることもあります。ただし、事前に訃報連絡の際にお伝えしておくのがより丁寧です。

地域のつながりが深い土地柄のため、通夜には多くのご近所の方々が参列されることもあります。区長様や組長様をはじめ、地域の皆様への感謝の気持ちを挨拶に込められると、より地域に沿った通夜になります。

なお、当地域には「告別式の日の朝に火葬を行い、ご収骨後に告別式を執り行う」という古くからの風習があります。通夜の翌日の流れについても、挨拶の中で簡単にご案内することがありますが、詳細は葬儀社から参列者にお伝えすることもできますので、ご負担にならない範囲で構いません。

よくある質問

通夜挨拶で故人のエピソードは必ず話さなければいけませんか?

必ずしも話す必要はありません。悲しみが深い中で詳しく語るのが難しい場合は、参列へのお礼と感謝の言葉だけで十分です。簡潔な挨拶でも失礼にはあたりません。

喪主以外の家族が挨拶をしても良いのでしょうか?

問題ありません。喪主の体調や精神状態によっては、配偶者やご子息など親族が代理で挨拶をされることは一般的です。その際は冒頭で「喪主に代わりまして」と一言添えてください。

挨拶の際にメモや原稿を見ても良いですか?

メモを見ながら挨拶をすることは全く問題ありません。緊張や悲しみで言葉が出てこないこともありますので、手元に要点をメモしておくと安心です。参列者の皆様も理解されています。

通夜振る舞いを行わない場合、挨拶ではどう伝えれば良いですか?

「本日はこれにて閉式とさせていただきます。お足元の悪い中、ありがとうございました」など、簡潔にお礼を述べて締めくくれば十分です。通夜振る舞いの有無は地域やご家庭の判断によります。

新宮市での通夜挨拶に地域特有のマナーはありますか?

特別な形式があるわけではありませんが、地域のつながりが深い土地柄のため、ご近所や地域の皆様への感謝を込めた挨拶が喜ばれます。宗派による違いもありますので、不安な点は葬儀社にご相談ください。

まとめ

喪主としての通夜挨拶は、参列してくださった方々への感謝を伝える大切な場面ですが、完璧である必要はありません。簡潔でも、心のこもった言葉であれば十分に気持ちは伝わります。挨拶の長さは1〜2分程度を目安に、参列へのお礼、故人への感謝、通夜振る舞いのご案内という流れで構成すると自然です。

悲しみが深く挨拶が難しい場合は、ご親族に代理をお願いしたり、葬儀社のスタッフに相談したりすることもできます。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を含む熊野地域では、地域のつながりを大切にしながら、ご遺族の気持ちに寄り添った温かい通夜が営まれています。形式にとらわれすぎず、ご自身のペースで故人を送る準備を進めていただければと思います。

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この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

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