突然のご不幸で葬儀を執り行う際、まとまった費用が必要になるため、経済的な不安を感じられる方は少なくありません。しかし、ご加入されていた健康保険や後期高齢者医療制度から、葬儀に関する補助金(葬祭費・埋葬料など)を受け取れる制度があることをご存じでしょうか。今回は、2026年時点で利用できる葬儀費用の補助金制度について、その種類や申請方法、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での窓口など、地域の実情に即してご説明いたします。
葬儀費用の補助金制度とは
葬儀費用の補助金制度とは、故人が加入されていた公的医療保険(国民健康保険・後期高齢者医療制度・健康保険など)から、葬儀や埋葬を執り行った方に対して支給される給付金のことです。制度の名称や支給額は、故人が加入されていた保険の種類によって異なります。
葬祭費(そうさいひ)
故人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入されていた場合に支給される補助金です。自営業の方やご年配の方の多くがこちらに該当します。支給額は市区町村によって異なり、一般的には3万円から7万円程度とされています。申請窓口は、故人が住民登録されていた市区町村の役所です。
埋葬料(まいそうりょう)
故人が会社員や公務員などで、健康保険(社会保険)や共済組合に加入されていた場合に支給される補助金です。支給額は原則として全国一律5万円となっています。申請窓口は、故人が加入されていた健康保険組合や協会けんぽ、共済組合などです。
埋葬費
埋葬料の対象となる「生計を維持されていた方」がいない場合に、実際に埋葬を行った方に支給されるものです。支給額は5万円を上限として、実際に要した費用が支給されます。
葬祭料(そうさいりょう)
業務中や通勤途中の事故などにより亡くなられた場合、労働者災害補償保険(労災保険)から支給される補助金です。支給額は31万5,000円または給付基礎日額の30日分のいずれか多い額となります。健康保険との重複受給はできません。
私たち中本葬祭では、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を中心に、年間300件以上の葬儀をお手伝いしてまいりました。その経験から申しますと、ご遺族の多くが葬儀後に「補助金制度があることを知らなかった」とおっしゃいます。申請期限は2年間ありますが、お早めの手続きをお勧めしております。
よくある誤解と申請時の注意点
誤解①「火葬のみでは補助金がもらえない」
お通夜や告別式を行わない火葬式(直葬)でも、葬祭費や埋葬料は原則として支給されます。ただし、申請期限を過ぎている場合や、他の保険から給付を受ける場合は支給されませんので、ご注意ください。
誤解②「申請しなくても自動的に振り込まれる」
補助金制度は申請主義です。ご自身で申請しなければ受け取ることはできません。葬儀後、市区町村役場で保険証を返却される際に、窓口で葬祭費の申請について案内されることが多いですが、忘れずにご自身から申請を行うことが大切です。
誤解③「家族なら誰でも受け取れる」
葬祭費や埋葬料は、原則として「葬儀を主催し費用を負担した方(喪主)」に支給されます。葬儀の領収書や会葬礼状などで喪主の確認が求められることが一般的です。
重要な注意点:申請期限
葬祭費と埋葬料では、申請期限の起算日が異なります。葬祭費は「葬儀を行った日の翌日から2年以内」、埋葬料は「故人が亡くなった日の翌日から2年以内」です。期限を過ぎると時効により請求権が消滅してしまいますので、葬儀が落ち着いたら、なるべく早めに手続きを済ませることをお勧めします。
複数の保険からの受給について
国民健康保険と健康保険など、複数の補助金を同時に受け取ることはできません。ただし、会社を退職して国民健康保険に切り替えた後、3か月以内に亡くなられた場合は、以前加入していた健康保険から埋葬料が支給されることがあります。この場合、どちらから受給するかを選択できますので、金額や手続きの簡便さを比較してご判断ください。
申請に必要な書類と手続きの流れ
葬祭費の申請に必要なもの(国民健康保険・後期高齢者医療制度)
- 葬祭費支給申請書(役所窓口または自治体ホームページで入手可能)
- 故人の保険証(または資格確認書)
- 死亡事実が確認できるもの(死亡診断書のコピー、埋火葬許可証のコピーなど)
- 喪主が確認できるもの(葬儀の領収書、会葬礼状など、喪主名が記載されているもの)
- 申請者(喪主)の本人確認書類
- 振込先口座の通帳またはキャッシュカード
- 印鑑(自治体によっては不要な場合もあります)
埋葬料の申請に必要なもの(健康保険・共済組合)
- 健康保険埋葬料(費)支給申請書
- 死亡診断書のコピーまたは埋葬許可証のコピー
- 故人の保険証
- 振込先口座情報
- 葬儀費用の領収書(埋葬費を申請する場合)
- 代理申請の場合は委任状
必要書類は保険の種類や自治体によって異なる場合がありますので、申請前に必ず該当窓口にご確認ください。
申請から支給までの期間
申請後、葬祭費は概ね1か月から1か月半程度、埋葬料は約1~2か月程度で、指定された銀行口座に振り込まれます。早ければ2~3週間で振り込まれることもあります。現金での受け取りはできません。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での申請窓口
当地域での葬祭費の申請窓口は、故人が住民登録されていた市区町村の役所です。以下に各自治体の担当窓口をご案内します。なお、支給額は各自治体によって異なりますので、詳しくは各窓口にお問い合わせください。
新宮市
新宮市では、国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入されていた方が亡くなられた場合、葬祭費が支給されます。申請窓口は新宮市役所の健康長寿課(国民健康保険担当)または高齢者医療担当です。窓口で保険証を返却される際に、併せて葬祭費の申請についてご案内されることが一般的です。
那智勝浦町
那智勝浦町役場の住民課または税務課(国民健康保険担当)が窓口となります。葬儀後、お時間ができましたら役場にご連絡いただき、必要書類をご確認のうえ、手続きをお進めください。
太地町
太地町役場の住民福祉課が窓口です。小さな町役場ですので、窓口で「葬祭費の申請をしたい」とお伝えいただければ、担当者がご案内いたします。
三重県紀宝町
三重県南牟婁郡紀宝町は、熊野川を挟んで新宮市と隣接しており、生活圏・文化圏は新宮市と一体です。葬儀の慣習も共通しており、私たち中本葬祭でも紀宝町のご家族を数多くお手伝いしております。葬祭費の申請窓口は紀宝町役場の住民課(国民健康保険担当)となります。
当地域では菩提寺をお持ちのご家庭が多く、家族葬であっても菩提寺のご住職に読経をお願いされるのが一般的です。また、地域のつながりが深い土地柄のため、区長や組長への早めのご連絡をお勧めしています。このような地域特性がある一方で、葬祭費などの公的制度は全国共通ですので、安心してご利用ください。
よくある質問
葬祭費の申請は喪主以外でもできますか?
原則として葬儀を執り行い費用を負担した方(喪主)が対象ですが、自治体によっては委任状を提出すれば代理申請も可能です。詳しくは各市区町村の窓口にご確認ください。
火葬のみでも補助金は支給されますか?
はい、支給されます。お通夜や告別式を行わない火葬式(直葬)でも、葬祭費や埋葬料は原則として支給対象です。申請期限内に必要書類を整えて申請してください。
申請を忘れていた場合、何年まで遡れますか?
葬祭費は葬儀を行った日の翌日から2年以内、埋葬料は故人が亡くなった日の翌日から2年以内が申請期限です。それを過ぎると時効となり受給できませんので、お早めに手続きをお勧めします。
国民健康保険と社会保険の両方から受け取れますか?
いいえ、重複受給はできません。故人が加入されていた保険から一つのみ受給できます。退職後3か月以内に亡くなられた場合など、選択できるケースもありますので、その場合は金額や手続きを比較してご判断ください。
支給額はいくらですか?
葬祭費は市区町村によって異なり、一般的に3万円から7万円程度です。埋葬料は全国一律5万円です。正確な金額は、故人が住民登録されていた自治体または加入されていた健康保険組合にご確認ください。
まとめ
葬儀費用の補助金制度は、ご遺族の経済的負担を少しでも軽減するための大切な公的支援です。国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入されていた方には葬祭費が、健康保険や共済組合に加入されていた方には埋葬料が支給されます。支給額は葬祭費で3万円から7万円程度、埋葬料で5万円が一般的ですが、自治体や保険組合によって異なります。申請には期限があり、葬祭費は葬儀を行った日から2年以内、埋葬料は故人が亡くなった日から2年以内です。忘れずに早めの申請を心がけましょう。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、各市町村役場の窓口で申請手続きを行えます。ご不明な点がございましたら、役所の担当窓口または私たち中本葬祭にお気軽にお尋ねください。
公的機関の確認先
制度、期限、必要書類は変更される場合があります。手続き前に、次の公的機関の最新情報をご確認ください。確認日 2026年7月22日。
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
