ご家族を亡くされ、年末が近づいてくると「喪中はがきはどう書けばいいのだろう」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上の葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭でも、喪中はがきの書き方や送り方について多くのご相談をいただいております。この記事では、喪中はがきの基本的な書き方から出す時期、地域での注意点まで、分かりやすくご説明いたします。
喪中はがきとは?基本知識
喪中はがき(もちゅうはがき)は、正式には「年賀欠礼状(ねんがけつれいじょう)」と呼ばれます。近親者の死を追悼し、魂を鎮めるために慶事を避けることを「喪に服する」といい、その期間を喪中と呼びます。喪中はがきは、新年の挨拶を控える理由を伝えるものであり、故人を悼む気持ちを込めて作成するため、年賀状の代わりに送るものです。
喪中の範囲については、明確な決まりはありませんが、一般的に2親等までの親族とされており、喪中は12~13カ月です。具体的には、配偶者、父母、義父母、子、子の配偶者、兄弟姉妹、祖父母、孫などが該当します。ただし、同居していない祖父母や疎遠だった親族の場合は、ご自身の気持ちに応じて判断されても構いません。
喪中はがきを出す目的は、年賀状を送る予定だった方に対して「喪中のため新年のご挨拶を控えさせていただきます」とお知らせすることです。決して訃報を伝えることが主目的ではなく、年賀状の辞退をお伝えするものですので、葬儀に参列いただいた方にも送るのが一般的です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町のような地域では、菩提寺をお持ちのご家庭が多く、地域のつながりも深いため、喪中はがきを通じて丁寧にお知らせすることが大切です。
喪中はがきの書き方と文例
喪中はがきの文面形式は、ほぼ決まっていて、あいさつ文・喪中である事の説明(誰が何歳で亡くなったか)・最後に結びのあいさつ・日付という形式になっています。それぞれのパートについて詳しく見ていきましょう。
①年賀欠礼の挨拶文
喪中のために年賀状や新年の挨拶を控えることを簡潔に伝えます。おめでたい言葉である「年賀」は使わず、「新年」や「年頭」「年始」などを使うようにしましょう。
文例:
・喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
・喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
・服喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます
②故人の情報
故人の名前と書き手から見た続柄、亡くなった日と享年(亡くなったときの年齢)について記載しましょう。なお、享年は数え年で記載するのが一般的です。ただし近年は満年齢で記載する方も増えています。
文例:
・本年○月に父○○が○○歳にて永眠いたしました
・去る○月 母○○が○○歳で他界いたしました
夫婦連名で出す場合、妻の父母が亡くなった場合は「義父」「義母」と記載します。または「妻○○の父 ○○○○」のように表記する方法もあります。
③感謝とお礼の言葉
これまでの故人とのお付き合いに対して、感謝の言葉を述べます。ただし、はがきを受け取る方が故人と面識がない場合は、感謝の言葉は省略しても問題ありません。
文例:
・生前中に賜りましたご厚情に深謝いたします
・本年中に賜りましたご芳情に心より感謝いたします
④結びの言葉
今後のお付き合いのお願いや、喪中はがきを受け取る相手の健康を祈る言葉を記載してください。
文例:
・明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
・皆様には健やかな新年をお迎えになられますようお祈り申し上げます
・時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます
⑤日付と差出人
本文の最後に少し下げた位置に、漢数字で「令和○年○月」と年月までを記載します。西暦ではなく和暦を用いましょう。日付は投函する月(11月または12月)を記載します。最後に、郵便番号、住所、氏名、電話番号を明記しましょう。
書き方の注意点
喪中はがきは、一般的に縦書きにします。縦書きは、古くからの日本の伝統的な書式であり、厳粛で格式の高い印象になるからです。また、喪はがきは、結婚式の招待状や表彰状と同じく儀礼的な挨拶状であるため、行頭の一字下げを行いません。句読点も使わないのが正式とされていますが、近年は読みやすさを考慮して使用するケースも増えています。
喪中はがきを出す時期と送る相手
喪中はがきは、年賀状のやり取りをしている相手が年賀状の準備を始める前、11月から12月上旬までに送るのが礼儀です。相手が年賀状の準備を始めてしまう前に届けることが大切です。
喪中はがきは、11月中旬から、遅くとも12月初旬には届くように出しましょう。あまり早く(9月や10月)に出してしまうと、相手が忘れてしまう可能性があるため、11月中旬以降が適切です。
喪中はがきは新年のご挨拶を控えさせていただく欠礼状ですので、年賀状のやり取りや新年のあいさつをしている相手に出します。具体的には、毎年年賀状を交換している方全員に送るのが基本です。葬儀に参列いただいた方にも送ります。また、相手も喪中の場合でも、こちらからも喪中はがきを出すのが礼儀です。
ただし、ビジネス関係の相手など、余計な気遣いをさせたくない場合は、通常通り年賀状を出すという選択もあります。
12月に不幸があった場合
12月に不幸があった場合は、喪中はがきを送らずに寒中見舞いを送るとよいでしょう。寒中見舞いは、松の内(1月7日)が明けてから立春(2月4日頃)までの間に送ります。
喪中はがきの費用相場と印刷方法
喪中はがきの費用は、自作するか印刷業者に依頼するかによって大きく異なります。2026年時点での一般的な相場をご紹介します。
自作する場合
郵便局で買える、切手を貼らずに投函できるはがきです。金額は1枚85円。自宅のプリンターで印刷する場合は、はがき代85円×枚数と、インク代が必要です。ただし、印刷ミスが出た場合は、その分のはがき代が追加でかかります。
印刷業者に依頼する場合
印刷業者に依頼する場合の費用は、印刷代+はがき代+送料の合計になります。今回ご紹介する9社の喪中はがきの30枚当たりの印刷費の税込み平均価格は7,375円でした。
多くの印刷業者では、10月~11月に注文すると早期割引が適用され、お得に注文できます。宛名印刷サービスは、業者によって無料のところと有料のところがあります。手間を省きたい方は、宛名印刷が無料の業者を選ぶとよいでしょう。
郵便局で印刷する場合
喪中はがきを郵便局に印刷してもらうには価格が低いもので、1枚~10枚で2,940円かかります。郵便局でも早期割引やインターネット割引が用意されています。
費用については、印刷枚数やデザイン、オプションによって変わりますので、複数の業者を比較して、ご予算に合ったものを選ばれることをおすすめします。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での注意点
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町は、熊野川を挟んで生活圏・文化圏が一体となった熊野地域です。この地域特有の事情について、喪中はがきに関連する点をご案内します。
菩提寺との関係
当地域では菩提寺をお持ちのご家庭が多く、宗派によって喪中の考え方が異なる場合があります。喪中はがきを出す前に、菩提寺のご住職や葬儀社に確認しておくと安心です。
地域コミュニティへの配慮
地域のつながりが深い土地柄のため、町内会や組の方々にも喪中はがきを送るかどうか迷われることがあります。毎年年賀状を交換している関係であれば、送るのが丁寧です。また、区長や組長への連絡も忘れずに行いましょう。
香典辞退との関係
当地域ではご香典を辞退されるケースが増えていますが、喪中はがきはあくまで「年賀状を送らない」という意思表示であり、香典辞退とは別のものです。香典を辞退した場合でも、喪中はがきは通常通り送ります。
印刷業者の利用
新宮市内や近隣には印刷業者や文房具店もありますが、インターネットの印刷サービスを利用すると、デザインの選択肢が広く、早期割引も利用できます。ご高齢の方は、ご家族に相談しながら準備されると良いでしょう。
よくある質問
喪中はがきは薄墨で印刷すべきですか?
喪中はがきを薄墨で印刷するのは伝統的な作法ですが、近年は読みやすさを考慮して通常の濃さで印刷することも増えています。どちらを選んでも失礼にはあたりません。ご自身の気持ちやデザインに合わせてお選びください。
喪中はがきに写真を入れてもいいですか?
故人の写真を入れた喪中はがきも近年は見られるようになりましたが、一般的には控えめなデザインが好まれます。受け取る側の年齢層や関係性を考慮して判断しましょう。迷われる場合は、シンプルなデザインが無難です。
夫婦連名で出す場合、妻の親が亡くなったときの続柄は?
喪中はがきは通常夫婦連名ですが、代表者である夫から見た続柄を表すため、妻の親が亡くなったときは「義父」「義母」とします。または「妻○○の父 ○○○○」と記載する方法もあります。
喪中はがきを出した相手から年賀状が届いた場合は?
喪中はがきを出していても、相手が気づかずに年賀状を送ってくることがあります。この場合は失礼ではありませんので、松の内が明けてから寒中見舞いでお礼を伝えるとよいでしょう。
喪中期間中は全ての慶事を避けるべきですか?
喪中期間に特に明確な決まりはなく、故人との関係性や地域の慣習、ご遺族の考え方によっても異なります。一般的には新年のお祝いや結婚式などは控えますが、地域や宗派により考え方が異なります。詳しくは菩提寺や葬儀社にご相談ください。
まとめ
喪中はがきは、年賀状を控えることを丁寧にお知らせするための大切な挨拶状です。書き方には一定のルールがありますが、最も大切なのは故人を悼む気持ちと、受け取る方への配慮です。
喪中はがきは、年賀状のやり取りをしている相手が年賀状の準備を始める前、11月から12月上旬までに送るのが礼儀です。早めに準備を始めることで、落ち着いて丁寧な挨拶状を作ることができます。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町のような地域のつながりが深い地域では、喪中はがきを通じて丁寧にお知らせすることが、その後のお付き合いにもつながります。文例や書き方で迷われた場合は、印刷業者のテンプレートを活用したり、葬儀社に相談されるのもよいでしょう。
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
