香典返しを発送した後、住所不明や保管期間経過などの表示とともに品物が戻ってくることがあります。感謝を伝えるために用意した品なので、どう対応すれば失礼にならないか迷う方もいるでしょう。
戻った品をすぐ同じ住所へ送り直さず、まず配送票や郵便物に記載された返還理由を確認します。そのうえで受取人へ連絡し、住所と氏名、受け取れる日時、香典返しの辞退意向を確かめてから、再送または別の方法を選びます。
最初に返還理由と品物の状態を確認します
日本郵便は、郵便物が差出人へ戻る主な理由として、次の例を案内しています。
- あて所に尋ねあたりません:記載した住所に受取人が居住していない
- あて名不完全で配達できません:住所や氏名などが不完全
- 保管期間経過のため返還:不在後、郵便局での保管期間内に受け取られなかった
宅配便や販売店から直送した品は、表示や再送方法が異なります。戻った箱や伝票、販売店からのメールを保管し、どの配送事業者が、どの理由で返したかを確認してください。
食品を含む場合は、賞味期限、保管状態、箱の破損や水ぬれも確認します。一度配送された品をそのまま再送できるかは、購入した店舗や配送事業者へ相談してください。状態が確認できない食品を自己判断で送り直さないようにします。
香典帳と注文記録を照合します
次に、発送時の記録と戻った品を照らし合わせます。
- 香典をいただいた方の氏名
- 香典帳に記載した住所
- 注文時に入力した住所と郵便番号
- 会社名、部署名、建物名、部屋番号
- 旧字体や同姓同名の取り違え
- 発送日、品物、金額、配送番号
手書きの香典帳から注文表へ移すときに、番地や部屋番号が抜けることがあります。連名の香典では、代表者と実際の送付先が異なることもあります。戻った一件だけを直すのではなく、同じ住所録から発送した他の宛先にも同様の入力漏れがないか確認すると、追加の返送を防げます。
香典返しの品物や送る時期から確認したい場合は、香典返しマナーの基本をご覧ください。本記事では、すでに発送した品が戻った後の対応に絞って説明します。
再送前に受取人へ静かに確認します
住所が不明なまま、親族や勤務先へ無断で送ることは避けます。電話、メール、手紙など、普段連絡できる方法で本人へ確認してください。
伝える内容は簡潔でかまいません。
先日はご丁寧なお心遣いをいただき、ありがとうございました。お礼の品をお送りしましたが、こちらへ戻ってまいりました。差し支えなければ、お受け取りいただけるご住所を確認させていただけますでしょうか。
保管期間経過の場合は、住所が間違っているとは限りません。長期不在、受け取りが難しい時間帯、通知に気付かなかったなどの事情も考えられます。理由を問い詰めず、受け取りやすい日時や場所があるかを尋ねます。
相手が香典返しを辞退していたことが分かった場合は、無理に再送しません。お礼の連絡だけにするか、ご家族内の方針を確認します。
連絡が取れないときは第三者へ住所を聞き回りません
電話番号やメールアドレスが分からない場合でも、勤務先、近隣の方、親族へ事情を詳しく話して住所を聞き回ることは、相手のプライバシーへの配慮を欠くおそれがあります。
共通の知人へ確認する場合は、「お礼の品の送付先について、本人から連絡をいただけるようお伝えいただけますか」と依頼し、本人の住所を第三者から直接聞き出す方法は避けます。勤務先へ私的な品物を送ってよいかも、本人の了解なく決めないでください。
連絡がつかない場合は、次の内容を記録していったん保留にします。
- 品物が戻った日
- 返還理由
- 連絡を試みた日と方法
- 品物の状態と賞味期限
- 店舗へ確認した内容
- 再送せず保留にした理由
香典返しは感謝を伝えるものです。届けることだけを優先して、相手へ負担をかけたり、個人情報を広げたりしないことも大切です。
日本郵便で再差し出しするときは新しい送料が必要です
日本郵便は、差出人へ戻った国内郵便物を再度送る場合の方法を案内しています。
はがきの場合は、返還理由の表示を二重線で消し、必要に応じて正しい住所と氏名を書き、見やすい場所へ赤字で「再差出し」と記載して、新しい切手を貼ります。
はがき以外の郵便物は、新しい封筒へ正しい住所と氏名を書き、新たに必要な切手を貼って差し出します。記載した住所と氏名に誤りがないのに郵便局側の過失で返還されたと考えられる場合は、該当する郵便局へ確認します。
香典返しの品物を郵便局のサービスや宅配便で送った場合は、同じ扱いとは限りません。購入店舗または配送事業者へ、再送の手続き、送料、包装、品物の交換が必要かを確認してください。
住所を修正したら再送内容をもう一度そろえます
再送前には、住所だけでなく、品物と挨拶状も確認します。
- 受取人の氏名と敬称
- 郵便番号、都道府県、市区町村、番地
- 建物名と部屋番号
- 品物の種類、数量、賞味期限
- のし紙や包装の破損
- 挨拶状の氏名、日付、差出人
- 配送希望日時
戻った包装に返還理由や配送票が貼られている場合は、そのまま贈答用として再利用せず、店舗へ再包装を相談すると安心です。品物を変更した場合は、注文記録と香典帳の備考も更新します。
挨拶状を作り直すときは、葬儀後の挨拶状・御礼状の書き方も参考にしてください。形式を整えること以上に、相手のお心遣いへの感謝が分かる簡潔な内容にします。
手渡しへ変更するときも先に都合を尋ねます
近くに住む方であっても、突然訪問して香典返しを届けることは避けます。本人へ連絡し、訪問してよい日時と場所を確認してください。
本人が外出しにくい、家族が代理で受け取る、勤務先での受け取りを希望するなど、事情はさまざまです。手渡しに変更する場合も、家族や職場の方へ無断で預けず、本人の希望に合わせます。
訪問時には返送された経緯を詳しく説明する必要はありません。「お届けが遅くなり申し訳ありません。先日はお心遣いをありがとうございました」と、感謝を簡潔に伝えます。
発送一覧に結果を残して二重送付を防ぎます
再送が終わったら、香典帳または発送一覧へ結果を記録します。
- 初回発送日
- 返還日と理由
- 確認した新しい住所
- 本人へ確認した日
- 再送日または手渡し日
- 新しい配送番号
- 受け取り確認
- 辞退または保留の記録
複数の家族で香典返しを手配していると、別の人が同じ品を再注文することがあります。最新の一覧を一つにまとめ、誰が対応中かを分かるようにしてください。住所録を今後も使用する場合は、古い住所を残したままにせず、更新日と確認元も記録します。
よくある質問
住所不明で戻った品を同じ住所へ再送してよいですか?
すぐには再送しません。返還理由を確認し、受取人本人へ正しい住所、氏名、受け取れる日時を尋ねてください。入力誤りを直さず同じ住所へ送ると、再び戻る可能性があります。
保管期間経過なら住所は正しいですか?
住所が正しい可能性はありますが、表示だけで断定はできません。本人へ連絡し、長期不在や受け取り可能な日時を確認してから、店舗や配送事業者へ再送方法を相談します。
連絡が取れない場合、勤務先へ送ってよいですか?
本人の了解なく勤務先へ送ることは避けます。共通の知人がいる場合も、住所を聞き出すのではなく、本人から連絡をいただけるよう伝言をお願いする方法が安心です。
戻った香典返しをそのまま送り直せますか?
配送方法と品物の状態によります。食品の賞味期限、包装の破損、保管状態を確認し、購入店舗や配送事業者へ相談してください。日本郵便の通常郵便は、再差し出し時に新しい送料が必要です。
まとめ
香典返しが戻ったときは、返還理由、発送記録、品物の状態を確認し、受取人本人へ正しい住所と受取意向を尋ねます。住所不明、あて名不完全、保管期間経過では対応が異なるため、理由を確かめないまま同じ宛先へ送り直さないでください。
連絡が取れない場合は、住所を聞き回らず、対応記録を残して保留にします。再送するときは、店舗や配送事業者へ送料、包装、品物の状態を確認し、発送一覧へ結果を記録して二重送付を防ぎます。
香典返しや挨拶状の手配で迷う場合は、中本葬祭の資料請求・お問い合わせからご相談ください。ご葬儀を担当した際の手配内容を確認しながら、必要な確認事項をご案内します。
出典
確認日:2026年9月4日
- 日本郵便「送った郵便物が自分のところへ戻ってきてしまいました。再度送りたいのですがどうしたらいいですか?」
- https://www.post.japanpost.jp/question/116.html
- 日本郵便「引っ越すので郵便物や荷物を転送したいのですが、どうすればいいですか?」
- https://www.post.japanpost.jp/question/100.html
- 中本葬祭「香典返しマナー完全ガイド」
- https://nakamoto.jp/osousiki-manner2/kouden-gaeshi-manner-shingu/
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
