大切な方を見送り、葬儀を終えたあと、参列いただいた方々や、ご香典・ご供物・弔電をお寄せくださった方々へお礼の気持ちをどのように伝えればよいのか、お悩みになる方は少なくありません。「文面はどう書けばいいのだろう」「いつまでに送るべきなのか」「地域ならではの決まりごとはあるのか」――ご不安を抱えたまま準備を進めるのは、気持ちの上でも大きな負担です。
この記事では、葬儀後にお送りする挨拶状(御礼状)の基本的な書き方と、すぐにお使いいただける文例をご紹介します。香典返しに添える挨拶状のマナーや送る時期、忌み言葉への配慮など、大切なポイントをわかりやすく解説します。また、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での地域ならではの事情についてもお伝えしますので、ぜひご参考になさってください。
葬儀後の挨拶状とは何か――役割と基本知識
葬儀後にお送りする挨拶状は、お通夜や葬儀・告別式に参列くださった方、ご香典やお供物をいただいた方、弔電をお寄せくださった方に対して、感謝の気持ちを書面でお伝えするものです。一般的には「御礼状」「お礼状」とも呼ばれ、香典返しの品物に添えてお送りすることが多くなっています。
葬儀の挨拶状は「案内状」と「お礼状」の2種類に大きく分けられますが、この記事で扱うのは「葬儀後にお送りするお礼状」です。香典返しを郵送する場合、挨拶状なしで贈ることはマナー違反とされています。直接お会いできれば口頭でお礼をお伝えできますが、お一人おひとりのお宅にうかがうことが難しい現代では、書面での丁寧なご挨拶が大切な役割を果たします。
挨拶状には主に以下の内容を盛り込みます。まず、葬式・通夜に足を運び、香典をくださったことへのお礼、次に無事、忌明けを迎えることができたことへの報告、そして香典返しとして心ばかりの品をお送りする旨、さらに書面でのご挨拶となることへのお詫びを述べます。この流れが、挨拶状の基本構成です。
新宮市や那智勝浦町、太地町、三重県紀宝町といった当地域では、菩提寺をお持ちのご家庭が多く、四十九日法要や初七日法要を丁寧に営まれるご家族が大半です。そのため、挨拶状も忌明け後にお送りする形式が今も受け継がれています。地域のつながりを大切にされる土地柄のため、挨拶状一枚にも真心を込めて準備されることが、故人への最後のご奉仕として大切にされています。
挨拶状を送る時期と相手――いつ、誰に送るべきか
一般的には、葬儀後2週間から四十九日の法要が終わる頃までに送るのが望ましいとされています。仏式の場合、四十九日は故人の来世の行き先が決まる大切な節目とされており、この法要を無事に営んだことをご報告する意味でも、四十九日法要後から1か月以内にお送りするのが丁寧です。
ただし、もし準備が遅れてしまった場合でも、一周忌までには送るようにしましょう。その際は「ご連絡が大変遅くなり、誠に申し訳ございません」といったお詫びの一文を添えると、より丁寧な印象になります。
送る相手は、お通夜・葬儀に参列くださった方、ご香典やお供物をいただいた方、弔電をお送りくださった方です。家族葬では、故人の友人・知人・勤務先関係者・遠方の親族などに、葬儀前の連絡を控えることがあります。その場合、葬儀後に挨拶状を送ることで、逝去の報告と生前のお付き合いへの感謝を伝えます。
当地域では、ご香典を辞退されるご家族が多いという特徴があります。それでも、お供物や弔電をいただいた方、また葬儀に参列くださった方には、感謝の気持ちを込めた挨拶状をお送りすることが大切です。地域コミュニティとのつながりが深い土地柄ですので、区長さんや組長さん、ご近所でお手伝いくださった方々にも、丁寧にお礼をお伝えすることが望まれます。
挨拶状の書き方とマナー――押さえておきたい注意点
挨拶状には、守るべきマナーがいくつかあります。まず、句読点(「、」「。」)を使わないのが一般的です。これは「葬儀や法要が滞りなく終わるように」という意味が込められているといわれており、文章を区切らずに記すことで相手への敬意を示します。
次に、忌み言葉を使用しません。忌み言葉とは、死や不幸、その連続を想起させる言葉を指します。例えば「重ね重ね」「ますます」「引き続き」といった重ね言葉や、「死」「死亡」「生きていた頃」など、生死を直接表現する言葉が該当します。日常会話でつい使ってしまいがちな「重ね重ねお礼申し上げます」も避けるべき表現ですので、注意が必要です。
また、仏教以外の葬儀を行なった場合、仏教用語を使わないように注意しましょう。具体的には、戒名(法名)、冥福、供養、法要、法事、成仏などです。逆に仏式では「天国」という言葉は使いません。宗派や宗教による違いに配慮し、ご自身が執り行った葬儀の形式に合った言葉選びをすることが大切です。
さらに、挨拶状を贈る際は、1枚の用紙にまとめて贈るのがマナーです。複数枚の便せんや二重封筒は「不幸が重なること」を連想してしまうため、弔事の手紙には不向きとされています。挨拶状は縦書きで作成し、手書きの場合は毛筆または万年筆を使用します。四十九日までに送るときは薄墨、四十九日を過ぎてから送るときは通常の濃さの墨で書くのが一般的です。
新宮市をはじめとする当地域では、菩提寺のご住職にご相談される方も多くいらっしゃいます。宗派によって使うべき言葉や表現が微妙に異なるため、不安な場合は菩提寺や葬儀社に確認されることをおすすめします。私たち中本葬祭でも、挨拶状の文面について丁寧にアドバイスさせていただいております。
すぐに使える挨拶状の文例――仏式・神式・宗派を問わない文面
ここでは、実際にお使いいただける挨拶状の文例をご紹介します。ご自身の状況に合わせて、適宜アレンジしてください。
仏式の挨拶状(一般的な文例)
謹啓
亡父〇〇儀 葬儀に際しましてはご多忙の中にもかかわらずご会葬を賜りまして誠に有難く厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日 七七日忌法要を滞りなく営むことができました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたしましたので何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上御挨拶申し上げるべきところ略儀ながら書中をもちまして御挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月
住所
喪主名 外 親族一同
神式の挨拶状
謹啓
亡父〇〇儀 葬儀に際しましては御多忙の中 鄭重な御玉串を賜りましたこと また霊前への御拝礼下さったこと 心より感謝申し上げます
皆様のおかげをもちまして〇月〇日に五十日祭を滞りなく相執り行いました
つきましては偲草の印までにこころばかりの品物をお届け申し上げましたので何とぞご受納いただきますようお願い申し上げます
本来ならば拝眉の上御挨拶申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中にて御挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
住所
喪主名 外 親戚一同
宗教を問わない挨拶状(シンプルな文例)
この度は 故〇〇の葬儀に際しまして ご多忙の中ご会葬いただきまして 誠にありがとうございました
おかげをもちまして〇月〇日に無事に法要を営むことができました
ここに生前のご厚情に深く感謝申し上げますとともに 心ばかりの品をお送りいたします
どうぞお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であれば直接お伺いしてご挨拶すべきところ 略儀ながら書面にてご挨拶申し上げます
令和〇年〇月
住所
喪主名
当地域では、菩提寺との関係を大切にされるご家庭が多いため、仏式の文例をご利用になるケースが大半です。ただし、近年は無宗教葬や家族葬も増えており、宗教色を抑えたシンプルな文面を選ばれる方もいらっしゃいます。故人やご家族のお気持ちに沿った形で、無理なくお選びください。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町での地域事情
新宮市や那智勝浦町、太地町、三重県紀宝町は、いずれも熊野地域に属し、葬儀に関する慣習も共通しています。古くから地域のつながりが深く、お互いに助け合う文化が今も根付いている土地柄です。
当地域で特徴的なのは、ご香典を辞退されるご家族が非常に多いことです。むしろご辞退されるケースが一般的と言ってもよいほどで、葬儀のご案内の際に「ご香典は辞退させていただきます」とお伝えされる方が大半です。ただし、ご香典を辞退された場合でも、お供物や弔電をいただいたり、ご会葬いただいたりした方々には、きちんと挨拶状をお送りすることが大切です。
また、地域の区長さんや組長さんとのつながりも深いため、葬儀後には必ず区や組の代表者の方にもご挨拶をされることが望ましいとされています。挨拶状をお送りする際には、こうした地域の方々も送り先リストに含めることを忘れないようにしましょう。
当地方には「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」という独特の流れが古くからあります。このような地域ならではの慣習は、挨拶状の文面そのものには直接影響しませんが、地域の文化を尊重する姿勢として、葬儀後のご挨拶全般において大切にされています。
私たち中本葬祭は、創業以来、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町を中心に、年間300件以上の葬儀をお手伝いしてまいりました。地域に根ざした葬儀社として、挨拶状の文面についても地域の慣習に配慮したアドバイスをさせていただいております。
よくある質問
挨拶状は手書きと印刷、どちらが良いですか?
現在は印刷が一般的です。ただし、特にお世話になった方には、印刷した挨拶状に手書きで一筆添えると、より丁寧な印象になります。地域や関係性によって使い分けることをおすすめします。
香典を辞退した場合でも挨拶状は必要ですか?
はい、必要です。当地域ではご香典を辞退されるご家族が多いですが、お供物や弔電をいただいた方、ご会葬くださった方には、感謝の気持ちを込めて挨拶状をお送りすることが望ましいとされています。
挨拶状の封筒の表書きは何と書けばよいですか?
封筒の表には「御挨拶」または「御礼」と記すのが一般的です。裏面には喪主の住所と氏名を書き添えます。二重封筒は使用せず、無地の白い一重の封筒をお選びください。
四十九日を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか?
遅れてしまった場合でも、気づいた時点でできるだけ早くお送りしましょう。文面に「ご連絡が遅れまして誠に申し訳ございません」といったお詫びの一文を添えると丁寧です。一周忌までにはお送りするよう心がけてください。
挨拸状の費用相場はどのくらいですか?
印刷代や封筒代を含めて1通あたり100円〜300円程度が一般的です。葬儀社に依頼する場合、挨拶状の作成を無料サービスとして提供している場合もあります。詳しくは葬儀社にお問い合わせください。
まとめ
葬儀後の挨拶状は、お世話になった方々への感謝の気持ちを丁寧に伝える大切な手段です。送る時期は四十九日法要後から1か月以内が目安で、文面には句読点や忌み言葉を避け、宗派に応じた適切な言葉選びを心がけます。ご香典を辞退された場合でも、ご会葬やお供物をいただいた方には必ず挨拶状をお送りすることが大切です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町といった当地域では、地域のつながりを大切にする文化が今も息づいており、葬儀後のご挨拶も丁寧に行われています。菩提寺をお持ちのご家庭が多いため、宗派に応じた文面選びも重要です。
挨拶状の準備は、悲しみの中での作業となるため、ご負担も大きいことと思います。文例を参考にしながら、故人への感謝とご遺族の真心を込めて、無理のない範囲で準備を進めていただければと思います。
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中本葬祭は、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町に6つの葬儀会場を備え、ご家族の状況に合わせた葬儀をご案内しています。お急ぎの場合は、24時間つながるフリーダイヤルへご連絡ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
