「先祖代々のお墓があるけれど、遠方でお参りに行けない」「子どもたちに墓守の負担をかけたくない」――そんなお悩みから、墓じまいを考えておられる方が増えています。ただ、実際にどのような流れで進めればよいのか、どんな書類が必要なのか、分からず不安に思われる方も多いのではないでしょうか。この記事では、墓じまいの流れと手続きについて、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町の地域事情も踏まえながらご説明いたします。
墓じまいとは│お墓から遺骨を移す一連の手続き
墓じまいとは、墓石を撤去・墓所を更地にして、土地の使用権を管理者に返還することを指します。ただし、お墓を片づけるからといって、お墓の中のご遺骨は処分できません。法律によりご遺骨を勝手に取り出したり廃棄したりすることは禁じられているため、新たな供養先へご遺骨を納める(改葬)までが一連の流れとなります。
墓じまいを検討される背景には、少子高齢化・核家族化が進む近年では、「後を継いでくれる子供がいない」、「子供はいるが男子がいない」といった理由や、お墓が遠方にあり維持・管理の負担が大きいことなどが挙げられます。実際、2024年の改葬件数は176,105件と過去10年で2倍以上に増加しており、多くの方が直面する身近な課題となっています。
私たち中本葬祭も、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上の葬儀をお手伝いしてきた経験の中で、ご葬儀後に「お墓のことをどうしたらよいか」とご相談いただくケースが増えてきています。地域のつながりが深い土地柄だからこそ、ご先祖様を大切にしながらも現実的な選択をされる方が多いと感じております。
墓じまいの流れ│8つのステップで理解する
墓じまいは複数の手続きが必要となるため、全体の流れを理解しておくことが大切です。一般的に墓じまいは、親族の合意、必要書類の確認、墓地管理者へ連絡、新埋葬地の選定、改葬許可証取得、遺骨の移動と墓石の撤去という流れで進められます。
ステップ1:親族・ご家族への相談と同意
墓じまいを考えたら、まずは親族としっかりと話し合うことが大切です。お墓はその家を象徴するものでもあるため、思い入れは人それぞれです。後々のトラブルを避けるため、ご兄弟姉妹や主な親族には事前にお伝えし、ご理解をいただくようにしましょう。墓じまいの理由や今後の供養方法、費用の負担についても、この段階で話し合っておくことをおすすめいたします。
ステップ2:お墓の現状確認と書類の調査
墓じまいをスムーズに進めるには、まずお墓に関する現状確認が必要です。お墓に納められているご遺骨の数、墓地の名義人は誰か、管理者はどこか、といった情報を整理しておきましょう。また、墓地のある自治体のホームページや役所窓口で、必要書類を確認しておくと安心です。
ステップ3:墓地管理者への連絡と相談
お寺や霊園など、現在のお墓の管理者に墓じまいの意向をお伝えします。お寺にお墓がある場合は、特に丁寧に相談します。檀家をやめることと直結するため、日頃お世話をしてもらっている感謝や、なかなか顔を出せなかったお詫びなども合わせて伝えることが大切です。新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町では菩提寺をお持ちのご家庭が多いため、ご住職との信頼関係を大切にしながら進めていただければと思います。
ステップ4:新しい納骨先の決定
ご遺骨をどこに納めるかを決めます。永代供養墓、納骨堂、樹木葬、合祀墓など、さまざまな選択肢があります。後述の行政手続きには新しい納骨先の情報が必要となるため、この段階で決定しておく必要があります。決まったら、受け入れ先の管理者に「受入証明書」の発行を依頼しましょう。
ステップ5:行政手続き(改葬許可証の取得)
今あるお墓を墓じまいして、遺骨を別の墓地へ移す際には、現在の墓地がある市区町村での行政手続きを経て、「改葬許可証」を交付してもらう必要があります。具体的には、現在の墓地管理者から「埋蔵証明書」を、新しい納骨先から「受入証明書」を取得し、お墓のある自治体の役所で「改葬許可申請書」を提出することで、改葬許可証が発行されます。手数料はおおよそ0〜1,500円ほどです。
ステップ6:閉眼供養(魂抜き)の実施
遺骨をお墓から取り出す前に、閉眼法要という儀式を行います。閉眼法要とは、お墓の故人の依り代としての機能を停止させる儀式です。菩提寺のご住職にお願いするのが一般的ですが、いらっしゃらない場合は墓地近くの同じ宗派のお寺や、僧侶派遣サービスを利用する方法もあります。当地域では真言宗・浄土宗・浄土真宗のお寺が多く、宗派により作法が異なりますので、事前にご確認ください。
ステップ7:墓石の解体・撤去とご遺骨の取り出し
改葬許可証が発行され閉眼供養が終わると、石材店に依頼してお墓の解体・撤去工事を行います。ご遺骨の取り出しも同時に行い、墓所は更地にして管理者に返還します。複数の石材店から見積もりを取り、費用や実績を比較検討されることをおすすめいたします。
ステップ8:新しい納骨先への納骨
最後に、取り出したご遺骨を新しい納骨先に納めます。納骨の際には改葬許可証を提出します。新しいお墓や納骨堂であれば開眼供養(魂入れ)を行うこともあります。これで墓じまいの一連の流れが完了となります。
墓じまいの費用相場と内訳
墓じまいには、大きく分けて「現在のお墓の撤去費用」「行政手続き費用」「新しい納骨先の費用」の3つの費用がかかります。
墓じまいにかかる費用の総額は、35万円〜150万円とされており、幅が広いのは墓石の大きさや立地条件、新しい納骨先の選択によって変動するためです。
墓石の撤去・解体費用
墓石を撤去・処分して区画を更地にするにあたり、石材店に依頼する際の工事費用は、1㎡あたり10万円〜15万円程度が相場です。ご遺骨の取り出しを一緒に依頼する場合は、別途3万円~5万円程度の追加費用が発生することがあります。お墓が山の上にあったり、重機が入れない狭い場所にある場合は、割増料金が発生することもあります。
閉眼供養のお布施
閉眼供養の際にお渡しするお布施は、地域やお寺との関係性により異なりますが、一般的には3万円〜5万円程度が目安とされています。菩提寺がある場合は、ご住職に事前にお尋ねされるとよいでしょう。
離檀料
お寺の墓地から墓じまいをする場合、檀家を離れる際に離檀料をお渡しすることがあります。地域性やお寺のお考えによっても異なりますが、通常の法要などでお包みする額の2~3倍程度が目安とされ、5万円〜20万円程度が一般的です。法律で定められた費用ではありませんが、今までお世話になった感謝の気持ちとしてお渡しするのが通例です。
新しい納骨先の費用
新しい納骨先の費用は、選択する供養方法により大きく異なります。合葬墓または合祀墓は目安10万〜30万円、樹木葬は目安20万〜80万円、納骨堂は目安30万〜150万円とされています。永代供養の場合は年間管理費が不要なものが多く、将来の負担を軽減できます。
費用は地域や施設により異なりますので、正確な金額については石材店や新しい納骨先、葬儀社などにご相談されることをおすすめいたします。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での墓じまい
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町は、いずれも熊野地域に属し、お墓や供養に関する慣習も共通しています。当地域で墓じまいを進める際に知っておいていただきたい地域特性をご紹介します。
菩提寺との深い結びつき
当地域では菩提寺をお持ちのご家庭が多く、代々のご先祖様の供養を同じお寺にお願いしているケースが一般的です。墓じまいをお考えの際は、まずご住職に丁寧にご相談されることをおすすめいたします。私たち中本葬祭も、長年にわたり地域のお寺様と連携してまいりましたので、ご心配なことがあればお気軽にご相談ください。
地域コミュニティへの配慮
地域のつながりが深い土地柄のため、墓じまいをされる際には区長や組長への早めのご連絡をおすすめいたします。特に共同墓地の場合は、墓地管理委員会への相談が必要となることもあります。
行政手続きの窓口
墓じまいの行政手続きは、お墓のある自治体の役所で行います。新宮市であれば新宮市役所市民窓口課、那智勝浦町であれば那智勝浦町役場、太地町であれば太地町役場、紀宝町であれば紀宝町役場が窓口となります。必要書類や手数料は自治体により多少異なる場合がありますので、事前に各役場のホームページで確認されるか、直接お問い合わせされるとよいでしょう。
新しい納骨先の選択肢
当地域では、新宮市内の霊園や各町の公営墓地のほか、近年では永代供養墓や納骨堂を選ばれる方も増えています。遠方にお住まいのご家族がいらっしゃる場合は、交通の便も考慮して新宮市街地や国道沿いの施設を選ばれる方もおられます。ご家族の状況に合わせて、無理のない選択をされることが大切です。
よくある質問
墓じまいの手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?
親族との相談から納骨完了までおおむね3ヶ月〜6ヶ月程度かかることが一般的です。親族の同意や墓地管理者との調整、行政手続き、石材店の手配などに時間を要するため、余裕を持って準備を進められることをおすすめいたします。地域やお寺、霊園によっても異なりますので、詳しくは葬儀社や石材店にご相談ください。
墓じまいに必要な書類は何ですか?
主に「改葬許可申請書」「埋蔵証明書」「受入証明書」の3つが必要です。改葬許可申請書はお墓のある自治体役所で、埋蔵証明書は現在の墓地管理者から、受入証明書は新しい納骨先から発行してもらいます。お墓の名義人と申請者が異なる場合は、別途「改葬承諾書」も必要となります。詳しくはお墓のある自治体にご確認ください。
親族の同意は法律上必要ですか?
法律上、墓じまいの決定権はお墓の承継者(名義人)にあります。ただし、お墓は家族全体に関わることですので、後々のトラブルを避けるためにも事前に親族に相談し同意を得ておくことを強くおすすめいたします。独断で進めたことがきっかけでご家族の間に不和が生じるケースもありますので、十分にお話し合いをされることが大切です。
墓じまい後、遺骨はどのように供養すればよいですか?
永代供養墓、納骨堂、樹木葬、合祀墓など、さまざまな選択肢があります。継承者が不要で管理の負担が少ない永代供養墓を選ばれる方が多いですが、ご家族の考え方やご予算に合わせてお選びください。散骨や手元供養という方法もありますが、地域やご宗派により考え方が異なりますので、菩提寺や葬儀社にご相談されることをおすすめいたします。
墓じまいの費用は誰が負担するのですか?
法律上の決まりはありませんが、一般的にはお墓の承継者が負担することが多いようです。ただし、ご家族で話し合って複数人で分担されるケースもあります。費用負担については親族間で事前にしっかり話し合い、全員が納得できる形で決められることが、後々のトラブルを避けるために大切です。
まとめ
墓じまいは、親族への相談から始まり、墓地管理者への連絡、新しい納骨先の決定、行政手続き、閉眼供養、墓石の撤去、納骨と、多くの手続きが必要となります。全体で3ヶ月〜6ヶ月程度の期間を要しますので、余裕を持って計画的に進めることが大切です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、菩提寺との結びつきが深く、地域コミュニティとの関わりも大切にされてきた土地柄です。墓じまいをお考えの際は、こうした地域の特性も踏まえながら、ご先祖様への感謝の気持ちを持って丁寧に進めていただければと思います。
費用は選択される供養方法により大きく異なりますが、おおむね35万円〜150万円が目安となります。具体的な金額や手続きの詳細については、石材店や新しい納骨先、あるいは葬儀社にご相談されることをおすすめいたします。
公的機関の確認先
制度、期限、必要書類は変更される場合があります。手続き前に、次の公的機関の最新情報をご確認ください。確認日 2026年7月22日。
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新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町の葬儀相談
中本葬祭は、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町に6つの葬儀会場を備え、ご家族の状況に合わせた葬儀をご案内しています。お急ぎの場合は、24時間つながるフリーダイヤルへご連絡ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
