「お別れ会の案内状に『平服でお越しください』と書いてあるけれど、何を着ていけばよいのだろう」――そんな不安を抱えておられる方は少なくありません。お別れ会は通常の葬儀とは異なり、服装のルールが分かりにくく、失礼のないようにと考えれば考えるほど迷ってしまうものです。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上の葬儀をお手伝いしている私たち中本葬祭でも、お別れ会に関するご相談を多くいただくようになりました。この記事では、お別れ会における服装の基本から、平服と喪服の違い、男女別の具体的なマナーまで、分かりやすくご案内いたします。
お別れ会とは?葬儀との違いを理解する
お別れ会とは、近親者だけで火葬や葬儀を済ませたあと、お世話になった方々を広く招いて故人とお別れする会のことです。一般的に密葬から概ね40日前後に行われることが多く、四十九日以降に行う際は「偲ぶ会」として開催されることが多いとされています。
お別れ会の内容は、故人の在りし日の写真や動画をスクリーンで流し、弔辞やお別れの手紙、献花などを行うのが一般的です。会の後や最中に会食を伴うことも多いでしょう。ほとんどが無宗教で、読経などの宗教儀式は行われず、自由な形式で開催されます。
通常の葬儀は宗教的な儀式として執り行われますが、お別れ会は故人を偲び、思い出を語り合う場として、比較的自由な雰囲気で開かれる点が大きな違いです。会場も葬儀場だけでなく、ホテルやレストランなど多様な場所で催されます。
当地方においても、近年家族葬を選ばれるご家族が増えており、その後に「故人の友人・知人にもお別れの場を」とお別れ会を開かれるケースが見られるようになってまいりました。菩提寺をお持ちの場合でも、お別れ会は宗教色を抑えた形で進められることが一般的です。
「平服」の意味と服装マナーの基本
お別れ会の案内状で最も戸惑うのが「平服でお越しください」という一文ではないでしょうか。お別れの会やお祝いの場における「平服でお越しください」は「略礼装で来てください」「正礼装や準礼装は避けてください」という意味です。決して「普段着で構いません」という意味ではありませんので、ご注意ください。
平服とは、多くの場合「略喪服」を指します。略喪服とは、「正喪服」や「準喪服」よりも控えめな喪服のことです。黒や紺、グレーなどのダークカラーをメインに、男性はスーツ、女性はワンピース・スーツなどを着用するのが一般的とされています。
案内状の記載を必ずご確認ください。「平服でお越しください」と書かれているなら平服を、もし喪服の指定があるなら準喪服を着用しましょう。服装の指定がない場合は、主催者に問い合わせてから服装を選ぶのが無難です。
ホテルでお別れ会が行われる場合、同日にお祝い事が行われる可能性もあることから、喪服の着用が禁止されている場合があります。このような配慮から、平服を指定されることが多いのです。
新宮市や那智勝浦町などでお別れ会を開かれる際も、会場によって服装の指定は異なります。迷われた場合は、ご遺族や主催者、または私ども葬儀社にお気軽にお尋ねください。
男性・女性別の具体的な服装マナー
男性の平服マナー
男性の平服(略喪服)は、黒・紺・グレーなどのダークスーツ。無地が基本ですが、目立たない織柄やストライプであれば、許容範囲とされています。白無地で襟はレギュラーカラー、ボタンがシンプルなシャツを選びます。色柄物やボタンダウン、光沢のある生地のシャツは避けましょう。
ネクタイは黒無地が基本ですが、ダークグレーや目立たない色柄であれば問題ありません。靴やベルト、バッグなどの小物も暗い色で統一し、光り物はタブーとされているため、アクセサリーやベルト、バッグ、靴まで、シンプルなもので統一しましょう。
靴下は黒色・無地を選ぶこと。白色や柄物の靴下は、意外と目立つので避けましょう。腕時計を着ける場合も、派手なデザインは控え、シンプルなものを選びます。
女性の平服マナー
女性の平服(略喪服)は、ダークカラーのワンピースやアンサンブル、スーツを指します。黒・紺・グレーなどの落ち着いた色で、光沢のない無地の洋服が最適です。肌を露出しないよう、スカート丈は膝下、トップスの袖丈はひじが隠れるくらいにおさえます。
お葬式と同様、お別れ会でも素足はタブーとされています。30デニール以下で薄手の黒ストッキングを着用するのが正式なマナー。ベージュのストッキングや柄物・厚手のタイツなどは、マナー違反になる可能性があるため、避けた方が無難です。
靴はヒールの高すぎない黒のパンプスが基本です。エナメルなど光沢の強い素材や派手なバックル付きのデザインは避けます。バッグも光沢や装飾のない黒無地のフォーマルバッグを持参します。小さめでシンプルなデザインを選びましょう。
アクセサリーは真珠の一連ネックレスとイヤリング(ピアス)、結婚指輪。また、オニキスやジェット、黒曜石などのモーニングジュエリーも着用可能です。二連以上のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため避けます。メイクもナチュラルに控えめに仕上げましょう。
お子様の服装
子どもの正装は、学校の制服です。通っている幼稚園や小中学校、高校の指定の制服を着せましょう。ちなみに、制服に色柄があっても「制服=正装」なので、マナー違反になる心配はありません。
制服がない場合は、できるだけフォーマルな装いを心がけること。黒や紺、グレーなどの落ち着いた色のボトムスに、白いシャツ・ブラウスを合わせるのが定番です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町でのお別れ会
紀南・東紀州地域では、菩提寺をお持ちのご家庭が多く、葬儀は宗教儀式としてしっかりと執り行われる傾向があります。一方で、お別れ会は葬儀とは別の、より自由な形で故人を偲ぶ場として位置づけられることが一般的です。
当地域のお別れ会でも、ホテルや公民館、レストランなど多様な会場が選ばれています。新宮市内のホテルで開催される場合は、主催者から「平服で」と指定されることが多く、葬儀場で行う場合は喪服を指定されるケースも見られます。
また、地域のつながりが深い土地柄のため、お別れ会であっても区長や組長への事前のご連絡をおすすめいたします。ご近所の方々への配慮として、開催の旨をお伝えしておくと、スムーズに進めることができます。
私たち中本葬祭では、お別れ会のご相談も承っております。会場選びから当日の進行、服装のご質問まで、丁寧にサポートさせていただきます。当地方の慣習に配慮しながら、故人らしいお別れの場をお創りいたします。
よくある質問
お別れ会で喪服を着ても失礼にならないですか?
案内状に「平服で」と明記されている場合は、喪服は避けたほうが無難です。ただし、服装の指定がない場合やご不安な場合は、主催者にご確認いただくことをおすすめします。地域やご関係により異なります。
平服とは具体的にどのような服ですか?
弔事における平服は「略喪服」を意味し、黒・紺・グレーなどのダークカラーのスーツやワンピースを指します。普段着やカジュアルな服装ではありませんのでご注意ください。
お別れ会に香典は必要ですか?
お別れ会は会費制で行われることが多いですが、案内状に香典辞退の記載がなければ、持参されても差し支えありません。ご不明な場合は主催者にご確認ください。
女性はパンツスーツでも大丈夫ですか?
平服を指定されている場合は、パンツスーツでも問題ありません。ただし、色は黒や紺などのダークカラーで、光沢のないシンプルなデザインを選びましょう。
夏や冬の季節に応じた服装の注意点はありますか?
夏でも会場に入る際はジャケットを着用するのが基本です。冬のコートは黒・紺・グレーなど落ち着いた色で、毛皮など殺生を連想させる素材は避けます。会場に入る前に脱ぎましょう。
まとめ
お別れ会の服装は、案内状の記載を第一に確認することが大切です。「平服でお越しください」とあれば、略喪服として黒・紺・グレーなどのダークカラーのスーツやワンピースを選びます。普段着ではなく、故人への敬意を表す控えめでフォーマルな装いを心がけましょう。
男性はダークスーツに白シャツ、女性は肌の露出を抑えたワンピースやスーツに黒のストッキング、小物も光沢のないシンプルなものを選ぶのが基本です。迷われた場合は、主催者や葬儀社にお尋ねいただくことをおすすめします。
お別れ会は、故人との最後の大切な時間です。服装のマナーを守ることで、ご遺族や他の参列者への配慮を示し、心からお別れの気持ちをお伝えすることができます。
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
